2550コネクタ、またはQIコネクタ

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 Raspberry PiのGPIOに何かをつなごうとして、何の用意もしていないと戸惑うのが、

「Raspberry PiのGPIO端子は、オスだ」

……ということかも知れない。

 Raspberry Piの端子は、2.54mmピッチのピンヘッダだ。このピンヘッダには、2550、あるいはQIとも言われるコネクタを使うと接続することができる。

IMG_3290

上段左からQIコネクタメス端子、同オス端子。
下段左から6列のQIコネクタハウジング、同5列、同4列、バラの1列。
もちろん、2列も売られている。

 上の写真はそのQIコネクタ類だが、それで言えば、一番左のメスの端子を切り外し、適切な電線に圧着してハウジングを取り付ければ、それをRaspberry Piに接続できるようになる。

 ところが、どうもこの「QIコネクタ」、情報が少ない。作り方にも多少のコツがある。それで、私が書こうか、と思ったら、既に詳しく紹介されているサイトがあった。

 もう、このサイトが書いておられること以上には付け加えることなどないが、工具については、5年前に私のブログでも紹介しているので、参考にする方がいるならお役立ていただきたい。エントリは5年前のものだが、昨日(平成27年8月15日(土))千石電商本店の1階に立ち寄ったところ、まったく同じ工具がほぼ同じ値段で売られていたことを付け加えておきたい。

 私のエントリで紹介している工具は、大西工業株式会社の「No.150 MINI クリンピングプライヤー」である。この工具を使う場合は、一番手前の「AWG22・0.3mm^2」のダイスで導線をかしめ、被覆は一つ隣の「20・0.5」のダイスで半分だけかしめて、残りを普通のラジオペンチで締めあげるとよい。

その工具(大西工業(株)No.150 MINIクリンピングプライヤー)
IMG_3291

 私のエントリでも触れている通り、QIコネクタは、Raspberry Piや電子工作だけではなく、PCの内部など、いろいろなところで使われている規格なので、覚えておけば何か修理や改造の必要に迫られたときに役立つと思う。

 QIコネクタやそのハウジングは、秋葉原千石電商本店なら、入り口から見て左側の、一番奥より少し手前の小さい抽斗の中段くらいに入っている。

 5年前当時は、使い方が良く分からなかったので、レジの店員さんに「このコネクタ、カシめ方と、使う工具を教えてもらえませんでしょうか」と頼んだら、得たりとばかりの落ち着いた態度で、実際の使い方とコツ、注意点を、店のディスプレイ用にとっておいてある端子だと思うが、それで実演してくれたものであった。若い店員さんだったが、その該博な知識と技に驚嘆したものであった。

 先日、八潮の秋月電子の初老の店員さんは、「これにハウジングみたいなモンは存在しませんよ」と言っていたが、千石電商にはあるので、秋月に行って見つからなければ、千石電商で買うとよいと思う。

 私も、秋月電子八潮店で、「いや、ありますよ」と店員さんに直接教えて上げられればよいのだが、私は素人なので、プロに対してそこまでする義理はないだろう。

Raspberry PiでLチカ

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 で、LED1個では寂しいから、同じコードを繰り返して、8個でLチカ。

IMG_3286

 抵抗は8素子9ピンの集合抵抗、各素子330Ω。Vfが3.0~3.4V、Ifが20mAとある青色LEDなのだが、抵抗がこれだけならせいぜい10mAくらいだ。GPIOの各ピンから流せる電流は50mAまでだそうなので、まあ、大丈夫だろう。

 動かすとこんな感じ。

 プログラムは、GPIOのセットアップをするシェルと、Perlのスクリプトだ。

 シェルはこのようなもの。コピペで繰り返しただけ。シェル内の数字がピン番号。

#!/bin/sh
echo  5 >/sys/class/gpio/export
echo  6 >/sys/class/gpio/export
echo 13 >/sys/class/gpio/export
echo 19 >/sys/class/gpio/export
echo 26 >/sys/class/gpio/export
echo 21 >/sys/class/gpio/export
echo 20 >/sys/class/gpio/export
echo 16 >/sys/class/gpio/export
echo out >/sys/class/gpio/gpio5/direction
echo out >/sys/class/gpio/gpio6/direction
echo out >/sys/class/gpio/gpio13/direction
echo out >/sys/class/gpio/gpio19/direction
echo out >/sys/class/gpio/gpio26/direction
echo out >/sys/class/gpio/gpio21/direction
echo out >/sys/class/gpio/gpio20/direction
echo out >/sys/class/gpio/gpio16/direction

 Perlも同じで、コピペで繰り返しただけ。……「配列に書けよ」とかの至極もっともなツッコミはナシの方向でお願いいたしますです(笑)。

#!/usr/bin/perl
#  perl2LEDx8
#    perlで8個Lチカ
#    27.8.16(日)1500~
#    佐藤俊夫
#
use strict;
use warnings;
use Time::HiRes 'sleep';
open(LED1, ">/sys/class/gpio/gpio5/value");
open(LED2, ">/sys/class/gpio/gpio6/value");
open(LED3, ">/sys/class/gpio/gpio13/value");
open(LED4, ">/sys/class/gpio/gpio19/value");
open(LED5, ">/sys/class/gpio/gpio26/value");
open(LED6, ">/sys/class/gpio/gpio21/value");
open(LED7, ">/sys/class/gpio/gpio20/value");
open(LED8, ">/sys/class/gpio/gpio16/value");
LED1->autoflush(1);
LED2->autoflush(1);
LED3->autoflush(1);
LED4->autoflush(1);
LED5->autoflush(1);
LED6->autoflush(1);
LED7->autoflush(1);
LED8->autoflush(1);
while(){
  print LED8 0;
  print LED1 1;
  sleep(0.2);
  print LED1 0;
  print LED2 1;
  sleep(0.2);
  print LED2 0;
  print LED3 1;
  sleep(0.2);
  print LED3 0;
  print LED4 1;
  sleep(0.2);
  print LED4 0;
  print LED5 1;
  sleep(0.2);
  print LED5 0;
  print LED6 1;
  sleep(0.2);
  print LED6 0;
  print LED7 1;
  sleep(0.2);
  print LED7 0;
  print LED8 1;
  sleep(0.2);
}

ユーザー作ったりとか

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 Raspberry Piで遊ぶ。

 私が買ったのは、「Raspberry Pi 2 Model B」という最新のものだ。オライリー・Make:PROJECTSシリーズの「Raspberry Piをはじめよう」で解説されているのは古い方の「Raspberry Pi モデルA」「同B」なので、少しづつ合わないところがあるが、ごく細部を除いては、特に気にする必要はない。細部の違いが影響してくるのは、よほど高度なことをやる場合だ。

 今さら私が述べ立てることではないと思うが、私と同じような人で、Rasberry Piのことを知らない、という人に向けて書けば、結局はこうだ。

  •  Raspberry Piは、GPIOインターフェイスボードを積んだ普通のPCだと思えばよい。
  •  普通のPCなので、Linux系OS以外にも、Windows10なども使える。だが、成果物のほとんどはRaspbianというLinuxディストリビューション上で得られているので、OSにはRaspbianを選択しておくのが無難。
  •  前記GPIOは、普通にファイルに見えるので(と言っても、/devの下にデバイスファイルがあるわけではない;もちろん、シンボリックリンクでそういうふうにすることはできるが)、標準出力でファイルを開け、書いて閉じれば、それでGPIOにつないだ電子工作をコントロールできる。
  •  Arduinoに比べると、ロジックが正=3.3Vであること、アナログ入力がないことなどが違う。解説書「Raspberry Piをはじめよう」にも、
    「最初にRaspberry Piのニュースが流れたとき、それがArduinoキラーになるのではないかと多くの人が考えました。値段はたいして違わないのに、Piはずっと大きなCPUパワーを持っています。だったらArduinoを使う理由はもうない、というわけです。しかし、やがて両者は補完的な関係にあることが分かってきました。以下のような状況を考えると、ArduinoとPiを組み合わせるメリットが見えてきます。

    • Arduinoの豊富なライブラリと作例を活用したい。
    • すでにうまく動いているArduinoプロジェクトにCPUパワーを追加して、もっと高度なことがしたい。
    • 5Vで動作する回路を扱いたいが、Piは3.3V動作で、5V入力に対応しない。
    • 誰かがプロトタイピングの過程で少しばかり無茶をしてチップがダメージを受けた時(Arduinoのピンにモーターを直結している人を見たことがあります)、Arduinoならば数百円以下でスペアのチップを買って自分で交換することもできるが、Piでそれをするのはほぼ不可能。
    •  3Dプリンタ用コントローラのように高精度なリアルタイム処理を必要とするものを作るとき、リアルタイムOSとは言えないRaspbianよりも、命令サイクルを計算できるマイクロコントローラのほうが要求に適う可能性が高い

    (p.88冒頭から引用)
    ……等とある。

  •  Linuxなので、使い始めるにはとりあえずrootを把握して、ユーザを作ればよい。作りつけのユーザもあるが、私のようなおっさんは、まず
    「# useradd -g pi toshio ; passwd toshio ; mkdir /home/toshio ; chown toshio:pi /home/toshio」
    ……なんてことをやらないと落ち着かないのである。
  •  さまざまな作例等はPythonの利用が想定されているので、さまざまな作品例のマネがしたければPythonを使えばよいが、前記したように「普通のLinuxマシン」なので、PerlだろうがCだろうが、おっさん系の言語も全部使えるから、私のようなおっさんは自分が使いたい言語を使えばよい。

 なので、例えば、「Raspberr Piをはじめよう」の102ページあたりに載っている最初のLチカの例は、次のような方法でも再現できる。

#!/usr/bin/perl
#  perl2LED
#    perlでLチカ
#    27.8.16(日)
#    佐藤俊夫
#
open(GPIO25, ">/sys/class/gpio/gpio25/value");
GPIO25->autoflush(1);
while(){
  print GPIO25 1;
  sleep(1);
  print GPIO25 0;
  sleep(1);
}

……などとPerlで書き、「gpio25」をユーザ空間にエクスポートして、

# ./perl2LED

 とやると、LEDが1秒おきにチカチカするのである。

Raspberry PiでのLチカ最初の例
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