某時某所で某目的のプレゼンに立ち会った。
30がらみの
「そのやつをガーッ、と調べて、ここでバァ~ッと、コラボっぽくアゲていってあげます」
……とか、
「これをちょっとやって、実際のモノを作ってあげて、これをちょっと、実際やって、まとめて、実際、これをちょっと納品していってあげる、と、ちょっとこういう、実際の段取りになるかと、ちょっと実際、思っております、実際、ですね。」
……などと、「ちょっと実際」「あげる」以外ほとんど意味のあることを言っていないというものであった。
一言で言えば「バカッぽい喋り方」で、担当した人も、茶髪のバカっぽい人だった。
しかもなお、それがすごく自信たっぷりなのである。
こういう、白紙的に見たらバカそのものの人が責任を求められる説明を任されていて、しかもご本人がそれを寸毫も不思議に思っていない状況と言うのは、私の経験上から言うと、「その人が東大・京大、あるいは、海外の聞いたこともない大学の博士号をぶら下げるなど、それだけで社内の人をへへぇ~ッとひれ伏させてしまうような印籠を持っている」というものであることが多い。
今回のケースを根拠もなく妄想するに、その人の茶髪や、チャラチャラした服装、下手糞な説明から言って、おそらくはスタンフォードとかMITとか、何かそういう大看板で入社以来数年程度をノシてきたのだろう。
こういう人とは関係したくないなあ、一緒に仕事したくないなあ、と思ったのだが、その時の私は、部屋の整頓やドアの開け閉め、飲み物や備品を出し入れしているだけの下ッ働きに過ぎず、そういう意見が言える立場になかったし、ましてや「あなたのプレゼン、下手くそですよ。こういうことでは誰も納得しないですよ、練習したほうがいいですよ」と教えてやれる立場にもなかったので、何もしなかった。
多分、あの人、連れてきた人たちへの態度や物腰から察するに、そこそこ地位のある人みたいだったから、このまま一生誰からも直した方がいい点を注意されず、下手糞なプレゼンをし続けて世の中を渡っていくんだろうなあ。
で、こういう人って、元々最初からまとまることに決まってるような案件ばっかり受け持つもんだから勘違いしちゃって、
「見てみろ、俺のプレゼンで、この案件まとまっただろう!?……ウデだよ、ウデ、な?お前らよく勉強しろよ」
……とか下の人に言ったりして、下の人は下の人で
「もっちっろっんっ、そっのっ通りでございますともマネージャー!いつもマネージャーの大活躍で受注できて、ほんっと、勉強させて頂いてますよ、ハイーッ!!」
……とか揉み手しながらニコニコ笑ったりするんだろうなあ。それで私みたいな、隅っこのほうに霊魂みたいに