劣々優々

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PHM11_0074 一頃の私は、クズのような人物の部下にされたり、職務知識が皆無の上司の下に何年もつけられたりと言ったことが20年近くも続き、「どうして俺は、こういうカスの下にばかりつけられるんだろう」と真剣に悩んだことがある。単に考えが合わないとかメンタルとかストレスとか、そういう弱っちい話ではない。免職レベルの犯罪とか、そういうハードな尺度感の話だ。シャレにならなかった。

 「彼は、アイツは、ああいう優れた上司に仕えているのに、なんで俺だけ?」などとも思った。イヤならそんな職場は七里けっぱい、退職すればいいようなものだが、それをすれば私がカスに負けたことになる。自滅した者もいるが、工作をして上司の首をすげかえてやったことも、白状してしまえば、ある。こんな馬鹿に負けるものかと思ったから、戦ったのだ。しかし私が払った代償も極めて大きかった。

 今もそういう状況には大して違いはないのだが、ちっとはマシになってはいる。だが、仮にマシになっていなくても、もう、若い頃のように正義の衝動に突き動かされて事態の解決を図ろうという気はない。なぜかというと、もはや組織も上司も愛していないからである。どうなろうが知ったことではない。

 上司の指示にハイというのは、上司、ひいては組織を愛していないからである。バカ上司がどんな目にあおうと知ったことではなく、どうでもいいから、ハイとにこやかに気持ちの良い返事をするのである。

 だが、今の私が素直なのは、そればかりが理由でもない。自分に存する原因が最も大きいことを、ある頃に理解したからだ。

 もし、かつての私と同じように、「俺の上司は、課長は、部長は、社長は、どうしてこうもバカなんだろう、なんであそこまで四流、五流なんだろう」と悩んでいる人がいたら、どうか私が今から書くことを含んで味わっていただきたい。

 あなたの上司がバカなのは、あなたが大バカだからであり、あなたの上司が四流、五流なのは、あなたが五流、六流だからである。

 優れた人は、優れた上司の下につけられる。仮に、一時期変な上司の下につくことがあっても、優れた人は数年を経ずして、すぐに優れた部署の優れた上司の下につけ直される。

 あなたは、劣った人なので、劣った人の下につけられている。

 逆も同じだ。あなたの部下が劣っている理由は、あなたが劣っているからである。劣っている上司には、劣っている部下がつくのだ。無論、そうでない場合もたまにあるが、優れた部下はすぐに取り上げられてしまうのである。また、もしあなたに素直な部下がいて、いつもハイと気持ちよく言う事を聞いて指示通りにしているとしたら、それはあなたや組織なんかどうでもよく、愛していないからそうしているのだ。

 まことに、単純な理屈だ。

 これは、あなたのことを言っているのではない。私自身のことを言っている。だから、こんなことを私に言われたからと言って怒ることはない。佐藤俊夫は劣っているのだな、と笑っていただければよいと思う。

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