そういえば……。
さっき、「人類の多様性は
一方、まだ私の愚娘どもが小さい頃、夕食後の家庭の団欒かなにかで、こんなことを話したことがある。
妻 「あらそう、ユキちゃん猫すきだもんねえ。じゃあ、お母さん、犬になろうかしら」
次女 「ちいちゃん、子豚ちゃんになるーw」
一同 「お父さんは!?」
私 「お、お父さんか。……お、お父さんは、お父さんはな……。お父さんは『
一同 「な、ななな、なによ、バイキンって!どういうこと!?」
私 「黴菌は命が尽きて死んでも、寸分違わぬ複製を永久に増やし続け、ほぼ永遠の命があると言って良い。人間の命を延命すれば、かえって悩みや苦しみも倍増するが、黴菌には悩みや苦しみもなかろうが。なにしろ、黴菌には悩みや苦しみのもととなる脳味噌がないからな。日々幸せに、自分の任務であるところの細胞分裂を繰り返して居ればよいのだ!すばらしい!すばらしいじゃないか、黴菌の人生!」
妻 「ちょっと、お父さん、私、お父さんが黴菌とか、イヤよ!?だいたい、除菌スプレーをピューってかけられたら、死んじゃうじゃない」
私 「ふふ、ジュンコよ、一箇所でワクチンや除菌スプレーによって死のうが、同じような寸分違わぬワシの複製がだな、別のところで永遠の命を保っておるのだよ。」
長女 「だめだよー、お父さん、黴菌なんかなったら」
私 「いや、ユキ、父がもし死ぬことがあったら、父は星や風になるなどと詩人ぶって気取ろうとは思わんぞ、『お父さんは黴菌になった』と思うが良いわ、ぐははは」
妻 「あー、漫画に描くとすると、お父さんが死んだあと、みんなで話してて、『お父さん、あの世でどうしてんのかな』って思ったら、部屋のあちこちに『父→』『↑父』って添え書きしてあるってのも、まあ、面白いかもね……黴菌になって部屋のあちこちに付着してンのよ」
私 「ジュンコよ!さすがは我が妻っ!わかってくれるのはお前だけだあああ!」
妻 「……わかれへんッっちゅーとんねんっ!!!」