キンッ(Ouch!

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 毎日毎日、雑踏に()まれて都会の通勤に()えている。埼玉住まいの東京通い、17年ほどになろうか。

 日常の通勤経路上、大事件に出くわすことなど滅多(めった)にないが、駅の混雑や道沿いの雑踏にも様々な人間模様、喜怒哀楽が見え隠れすることがあって、面白いと思う。

 歩き方ひとつとっても人それぞれだ。うなだれてノロノロ歩く人、スマホに夢中で周りが見えていない危険な人、急ぎ足、喋りながら楽しそうに歩くカップルや学生もある。若者がうなだれて歩いていると、先日の電通の過労事件などを思い起こす。疲れて病んでいる人を殊更(ことさら)励ますようなことは(かえ)って逆効果だ、などと最新のメンタルヘルス・ナレッジは言うが、それでも心の中では励まさずにおれない。

 そんな中、健康そうに昂然(こうぜん)と顔を上げ、胸を張り、正しく後ろ30度前45度に腕を振ってスタスタ歩いていく人を見るのは気持ちの良いものだ。が、雑踏で状況を考えもせずこういうふうに歩くと、如何にせん、元気よく振っている腕の、後ろに振った拳が他人に当たってしまう場合がある。

 こういうタイプの女性の後ろを男性が歩いていて、キンタマに「キンッ!」と、しかも、人にもよるが、男前タイプの性格を持った女性だとグーで思いっきりキメてしまう場合があって、イイ歳こいたイイ面構えのおっさんが「はうぐっ!」などと、人目も(はばか)らず切ない悲鳴を上げている。キメちまった女性の方も「な、なななナニヨ知らないわよあうあうあ」みたいな慌て方をしていて、そういうところに偶々(たまたま)いあわせたりすると相当気まずい。

 また、この逆の場合で、男性が元気よく腕を前後に振って歩いていると、後ろからスマホなぞ覗き込みながら接近してきた女性の股間にサクッと手刀が命中し、痴漢の現行犯で私人逮捕されてしまうということも、見たことはないが聞いたことがある。

 未確認情報なのだが、この二つの場合、どちらも「男が痴漢」ということになってしまうのだという。女性が男性の股間にキメちまった場合も「不注意な男が悪い」のだそうだ。

 昨今、男でい続けることもなかなか大変ではある。しかし、そういう時勢なので我慢するより仕方がない。

 ともあれ、まあ、大人が大人の股間にキメちまったという「大人同士」の間でのことなら、状況にもよるが、多くの場合「すみませんでした」「いやこちらも不注意で」ぐらいの頭の下げ合いで済むだろうと思う。が、大人同士でなかったら、そうはいかない場合がある。

 先日見かけたことだ。この秋は長雨で傘持ち通勤が続いたが、そんな雑踏の中を、傘の尖った方を後ろにして掴み、掴んだその手をブンブンと振って元気よく歩いている者がいた。大人ばかりならそれでもいいのだが、その時は、電車で通学する、赤いランドセルを背負(しょ)った小学生が後ろから早い歩調で近づいていた。その小学生は雨で濡れた床で滑らないよう下を見て歩いており、ただでさえ黄色い通学キャップを目深(まぶか)(かぶ)っているので、前を歩く大人がブンブン前後に振っている(とが)った傘の先が、今にも目に突き刺さりそうになっているのに気が付かないのだ。

 あぶない、お嬢ちゃんあぶないよ!と喉元まで出かかったその時、赤いランドセルの女の子はフラリフラリと通路の反対側にそれていったので何事もなかった。ホッとしたが、しかし、それはまぐれで無事だっただけだ。

 傘など尖ったものを後ろに向けて、それを握った手を元気よくブンブン振って歩くのは、田舎のあぜ道かどこかでなら大丈夫だが、都会の駅の構内などでは厳禁だ。

 都会の人間は疲れ果てて元気がなく見えるが、他人に迷惑をかけないためには、手などあまり振らず、傘の尖った先端も、自分の前に向けて静かに歩き、危険や損失を避けるのが好ましい身ごなしと言える。満員電車で姿勢よく四肢を踏ん張って立っている人も多いが、それで気分が良いのは自分だけで、肩肘をゴツゴツぶつけられて周りの者は迷惑だとしか思っていない。だから電車内では柔軟に脱力し、死んだような姿勢で通勤するしかない。

 例え不健康だと思われようと、それが「嫂叔(そうしゅく)は親授せず、長幼は比肩せず、瓜田(かでん)(くつ)を容れず、李下に(かんむり)を正さず」というものだろう。

 通勤する人々に元気が見えず、不健康な歩き方や立ち方になるのは、この所以(ゆえん)をもってやむを得ない。それが都会の身ごなしというものだからだ。

飛燕とダイバーシティ

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 あることへの、ある人の感想がやり玉に挙がっている。

 上の記事に対する、まあ、どうでもいいような無名の人の、ボソッとしたツイートが右なのだが……

 これがもう、えっらい炎上っぷりである。

 私は頭の悪い好戦右翼だが、しかし、どうも、この「きむらとも @kimuratomo 」なる炎上元の人を叩く気にはなれない。

 この「きむらとも」という人に、何か、未熟で(かたく)なな、小学校高学年の生意気な女の子のような感じを覚えるからだ。

 この人が唾のように吐いて捨てた感情は、「人間は戦争をする。だから人間は気持ち悪い、許せない。人間など滅びてしまえばよい。諸悪の根源だから」というのとかなり近いと思う。

 だが人間は、間違ったことをしながら良いことをする。人殺しが慈善活動をする例、篤志家が人を殺す例、そんなものは掃いて捨てるほど世の中に転がっている。

 悪事を働きながら、罪を犯しながら、だがその一方でまた人を思いやり、愛する、恋する、それが人間というものだ。人間は両極性を持っている、(など)と述べたのは確かユングであったか。両極性と言ってしまえばとらえやすいが、その実、極と極の間には、分別のないグラデーションのような中間帯があり、これはすべて連続している。無限の多様性が一人の人間の中においてすら、捉え切れないほど、ある。

 そんな多様性を持つ一人の人間が、1億、10億、50億と束になればどうだろう。彼らは、虐殺しながら、戦争をしながら、原爆を開発して炸裂させながら、それにもかかわらず、もう一方の手で人を愛し、神を畏れ、徳を磨き、世界を発展させるのだ。その多様性はもはや評価も批判も拒絶していると言わざるを得ない。

 大日本帝国が戦争の末期近くなって開発・投入した、この「三式戦闘機・飛燕」だって、現代の私達から見れば人殺し機械の相貌を持っていながら、実は一方では無辜の民を殺戮する悪魔の重爆撃機・B-29を打ち払ってくれる愛の帚木(ははきぎ)だったかも知れず、また同時に、立場を逆にすればその真反対、愛する夫や父が正義のために操縦するB-29に楯突く、悪魔の機械であったかも知れない。同じ機械が愛でもあり悪魔でもあるのだ。人間それ自身が善と愛であり同時に悪と罪であるように。

 言っては何だが、この人のツイートは言葉のアヤみたいなもので、どうやら医者らしいが、このダイバーシティ礼賛の世の中、医者ともあろうものが人間のそうした多様性を深く考えたことがないなどと言うはずはあるまい。きっとそういう思考を深刻に経てきた人であることは間違いない。

 むしろ医者として、これから大成するよう祈る。

宇佐美里香先生~ッ(笑)

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 こんな動画があった。

 ……里香先生~ッ、自分でウケてるじゃないですかーッ(笑)

 なにせ、これと同じ人、世界的第一人者ですからねえ。

図書館~蕎麦屋~雷電為右衛門~月~焼肉~ラーメン屋

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国会図書館

 国会図書館へ調べものに来た。

 そのついでに、旧陸軍・二式複戦「屠龍」のパイロットであった樫出勇大尉の書いたものがないか探した。

 「陸軍戦闘機隊―私は愛機と共に青春を賭して戦った!」というのが見つかった。多くのパイロットの戦記集成だ。その中に樫出大尉の文章が収載されていたのでそれを読む。

 (かね)て、光人社の文庫本で一冊、樫出大尉の著書を持っている。読んだ時その内容に非常に驚き、本土防空戦について認識を大いに改めさせられたものだ。

 読んだのは6年ほど前のことだ。当時、Amazonのレビューに読後感を書いたが、今日はそのことを思い出し、他に樫出大尉の文章があればと思って探してみたのだ。

 内容は光人社文庫とだいたい同じで、どちらかをもとに推敲して使ったものと思われる。

室町砂場 赤坂店

 今日も蕎麦を手繰る。砂場蕎麦の名店「室町砂場 赤坂店」は国会図書館から歩いて行ける。

 14時過ぎあたり、そろそろ空いたかなという頃合いを見計らって行ったのだが、(あに)(はか)らんや混んでいる。少し並ぶ始末だった。今日偶々(たまたま)混んでいただけか、いつもそうなのかはよくわからない。しかし、小体(こてい)な店なので席が空くのも早く、10分とは待たなかった。

img_4863 とりあえず菊正宗を一合。通しものは浅蜊の時雨煮だ。薄味の出汁で煮てあり、旨い。

 いつもは肴に焼海苔をとるが、今日は「梅くらげ」を頼んでみた。以前、室町砂場の日本橋本店で通しものに出され、旨いなあ、と思っていたからだ。菊正宗によく合う。

img_4864 いつものとおり、まだ盃に一杯ほど酒が残っている頃おいに「もり」を一枚頼む。

 旨い。やめられない。

梅くらげ 350円
菊正宗 750円
もり 600円
合計 1,700円

 しかも、「砂場蕎麦」は、虎ノ門にしても室町にしても、結構安いのである。

雷電為右衛門墓所

 img_4867 砂場蕎麦を出てうろつくうち、赤坂三分坂(さんぷんざか)というところの途中で珍しい練塀のある古刹に行き当たった。山門に「報土寺」とある。

img_4866 その脇に由来書きなどの案内看板がいくつかある。読むと、そのうちの一つに、「ここがかの大力士、雷電為右衛門の墓所だ」と言う意味のものがあった。

%e9%9b%b7%e4%bc%9d%e7%82%ba%e8%a1%9b%e9%96%80%e5%a2%93%e6%89%80 これが墓石なのかどうかはわからないが、手形を刻んだ自然石がある。

 雷電為右衛門と言うと、「小田原遺恨相撲の一席」などという題で、講談や浪曲、また河内音頭などにもなっているくらいで、伝説は数多い。

 生涯326試合中254勝、預かりや引き分けを除くと黒星はわずか10敗という驚愕の戦歴を誇る。勝率にすると96%だ。因みにレジェンド・千代の富士の勝率が71%、白鳳でも89%だから、これと比べても雷電がどれほど異様な強さを誇っていたかがわかる。格闘家中の格闘家だ。

 また、文武両道で頭もよく、多くの文章を書き残しており、その日記(『諸国相撲控帳』(俗に『雷電日記』)、『(よろず)相撲控帳』)は当時の風俗などを知る一級品の資料だという。

img_4870 今日は旧九月の十五夜で、天文学上の望ではないがすばらしく大きな月が出た。

 今年はたまたま、先月と今月の日付が旧暦も新暦も同じなので、わかりやすい。旧九月十五日は新10月15日である。

 「後の月」は旧九月十三夜なので、一昨夜にあたる。昔の人は仲秋の名月(旧暦八月十五夜、先月)だけ月見をして、この「後の月」を見ないことを「片月見」と言い、縁起が悪いとして嫌った。今年は、先月(旧八月、新9月)の間、次々と台風が襲来したこともあって天気が悪く、無月であった。どうしたって片月見である。

 仲秋の名月の事を「芋名月(いもめいげつ)」と言うが、後の月のほうは「栗名月」「豆名月」などと言う。子供の頃は三方に豆や栗を載せて縁側に出したものだった。周りに平屋しかなかったから、月もよく見えた。

焼肉屋

img_4872 妻が出かけているので、娘二人連れて近所の焼肉屋で晩飯にする。

 多少食い足りない程度で焼き肉を切り上げ、近くのラーメン屋に連れて行ってやると、娘二人大喜び。旨い旨い言って食っている。

Catwalk浪曲

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 通勤時には大抵読書をしているが、本も高いので、手元が品切れ気味になっている。

 こういうことはたびたびある。こんな時には大体、音楽を聴いている。

 Google Play Musicは便利なもので、自動的に似たような音楽を選んでくれる「インスタント・ミックス」の機能もある。普段あまり聞かないアルバムの収録曲を「再発見」するようなこともよくあり、面白い機能だと思う。

 先日もマル・ウォルドロンの「Catwalk」に似た曲を自動選曲したミックスがリコメンドされてきたので、それを聴きながら通勤した。

screenshot_2016-10-13-18-08-25 そうしてしばらく聴いていたら、である。

 突然、渋い太棹、高い艶声の(おんな)浪曲がかかった。ええええっ!?

 なんと、二葉百合子の「一本刀土俵入り」である。

 なんで、マル・ウォルドロンの「Catwalk」と二葉百合子の「一本刀土俵入り」が「類似している」という判定になるのか、誠に理解に苦しむが、ある意味、浪曲は「ジャパニーズ・ブルース」だし、短調の渋い感じや太棹三味線の爪弾きの音がミュート・コーンをつけたコルネットのソロに似ていなくもない。

 しかし、そのまま二葉百合子に聴きほれてしまうという私もどうなんだという感じだし、そもそも、「なんでそんな曲を持っているんだ?」と聞かれれば、そりゃあ買ったんですよ、好きだから、という(笑)。

最近時事

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言い換えりゃいいってもんじゃない

 またなんか、変な新聞の変な社説でこんなことを言っている。

 「子供の日」を「子どもの日」と言い換えたようないかがわしさだ。こんなのは体育という言葉の定義の問題に過ぎない。

 それに、「見るだけスポーツ」「娯楽スポーツ」、ひいてはサッカーの如き「賭博スポーツ」までをも称揚することに繋がるようで、あまり健全でない意見だと思う。

ジィさんバァさん凄過ぎ(笑)

 高齢化でもこれならまあ、……いや、いやいやいや、だめだだめだだめだ。老人に頼っておっちゃイカン。若いモンが働かにゃイカン。

意外、盤石の専制国家体制強化中かと思いきや

 あらまー……。軍人如き、あの中国政府の事だから、ギューッと統制できてるのかと思いきや、やっぱりそうか、という感じだ。まあ、前から分かり切ったことではあるが……。

 こんなことが起こるようでは危ないな。結局、政府がちゃんと軍を抑えきれてないのよ、尖閣だって領空侵犯だって何だって。

 大男総身(そうみ)に知恵が回りかね、ってなところだろうねえ。

亡くなった方には気の毒だが

 まことに気の毒なことである。しかし、まあ、こういう状況だったらしいからねえ……。かなり迷惑だったらしい。

コレコレ!外国人が勘違いするでしょっ(笑)

 何か、ニッセイがオリンピックの協賛・協力などの活動で作ったらしいが、面白すぎるワイ。

先王は立派な帝王だったが……

 タイ国王、ラーマ9世・プミポン国王陛下崩御の報に接す。

 盟邦タイの国王陛下であって、哀悼の限りである。タイ王国のために祈る。

%e3%83%af%e3%83%81%e3%83%a9%e3%83%ad%e3%83%b3%e3%82%b3%e3%83%b3%e7%9a%87%e5%a4%aa%e5%ad%90 ただ、聞くところ、次期国王の皇太子さん、どうも、何か、ちょっと、アレな人らしいね……。右の写真で見る限り、どうも、なんとも、アレだ。

 王位継承順位2位の、妹君・シリントーン王女は真面目で英明な人らしく、国民人気も非常に高いそうだが、独身で子がなく、将来の王権継承上少々問題アリとかで、このブッ飛んだ皇太子が即位しちまうらしい。タイの人々も大変だなこりゃ。

ある意味ラクな人も出てくる

 国会では毎日毎日稲田防衛大臣がさんざんイジメられ、泣かされるという始末。

 しかし、一般論として、論戦がこういった大臣個人の資質や発言に集中すると、各省庁の役人などは膨大な数字などを積算したり中身のある答弁を書いたりといった手間が減り、楽な面も出てくる。

 目立つ人が叩かれ役で新聞に書き立てられているようなこういう時に、深くひそかに、目立たず、隠れて、そしてシッカリと進行する何かがあるんだから、ま、色々なところをよく観察して、野党もせいぜい気を付けることでしょうなあ。

木村沙織氏引退

 女子バレーの世界的第一人者、木村沙織氏は引退の意向という。

 強く美しい選手で、引退は惜しいが、今後もまた違った領域で大いに活躍をされるよう祈る。

ボブ・ディラン、ノーベル文学賞

 歌手が文学賞、てのは初めてのことなんでしょうねえ。

 ファンにはタマランのだろうなあ。……私は名前ぐらいしか知らん。

南海電鉄不適切アナウンス、不覚ながら笑っちまった。

 アナウンスの対象となったのが中国人か朝鮮人かは知らんが、不覚にも笑っちまった。

 この車掌さんも、多分、それほど考えもせず、

「本日は大変混みあいまして、まことにご不便をおかけしております」

「本日は雨で滑りやすくなっております。ご不便をおかけしております。お足元に十分ご注意の上ご乗車くださいますようお願い申し上げます」

……くらいの、定型的アナウンスで言ったつもりなのだろう。

 大して罪深さは感じられず、些細な失敗だと思うが、しかし、それにしても「本日は外国人のお客さまが多く乗車し、ご不便をお掛けしております」はないよなあ(笑)。

 しかし、ここには、なんというか、先日の「近鉄・職務放棄飛び降り大怪我駅員」の一件にもあったように、何にでも口汚く文句を言って詰め寄るバカ客の姿が見え隠れするな。大阪特有の低劣な客の性質にいちいち対応しなければならない鉄道会社も気の毒だわ。

野菊

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次女の誕生日

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 本日次女15歳の誕生日。朗らかに楽しい。

 冷たいものが好きな次女は、「アイスケーキにして」と希望したので、その通りにしてやる。誕生日の贈り物には、長女がカラフルな傘を選んできた。

 最近次女はあまり私の話を聞かないが、私が15歳の頃の1年間の話をしてやると、めずらしく耳を傾けて聞いている。「私にはムリ」などという。そうだろうな、とも思う。