最近の一般向けワンボード・コンピュータ、なかんづく「Arduino」「Raspberry Pi」の状況

投稿日:

平成28年2月
JISTA ML リレーコラム 第1回
会員 関東支部 jista1197 佐藤俊夫

1 はじめに

 このところ、若い方やDIYなどを楽しむ一般の方向けに、ワンボード・コンピュータが売られています。しかも、相当な売れ行きであると仄聞(そくぶん)します。

 「Arduino」や「Raspberry Pi」、「IchigoJam」「Intel Edison」「mbed」と言った製品名を聞いたことがある方も多いでしょう。秋葉原を歩くと、店の表にこれらのカラフルな箱が山積みになっています。また、イタリア人マッシモ・バンジ氏の「TED」スピーチを見たことがある方もたくさんおられると思います。

 数年前から、普及価格帯の3Dプリンタが出現してきたことにより、一般人でも小規模の製品を作り、それを世に問うようなことが可能になってきました。そこから、「Makers Movement」と言われる流行が盛り上がりはじめました。これはオープンソース・イノベーションの自然な興隆ということに加えて、出版と連携した一種のマーケティングの成功であるとも言われているようです。ちなみに、この「Makers Movement」について著書を出し、流行に火をつけたのはクリス・アンダーソンと言う人ですが、この人の名を覚えている方もJISTA会員の皆さんには多いことでしょう。そう、かの「ロング・テール」の著者その人です。

 古くから言われる「DIY」と、最新流行の「Makers Movement」との違いは、そこに「ネット」が介在するか否かだ、と言ってもよいと思います。物を作る上での発想やハウ・トゥ、設計図、使用感などは、インターネットを通じて迅速に共有され、改良が加えられ、更に共有されます。

 こうしたことを背景に、3Dプリンタを使用してものを作り、作ったものへデジタルやITのパワーを盛り込むことが広く行われるようになりました。ものへデジタルやITのパワーを盛り込むのには、廉価なワンボード・コンピュータがうってつけだというわけです。

 実際、巷間ではArduinoがこれまでに100万台、Raspberry Piが700万台売れたと言われていますから、これらのワンボード・コンピュータは、ITのプラットフォームとして無視できない勢力になっていると言えます。また、これらは安価に数を得られることから、「IoT」流行の趨勢とも関連する雰囲気が濃厚に感じられます。

 私は仕事の上ではこれらと関わっておりません。しかし、その一方で、ITストラテジの道というものは、ITワールドを形作るもののうちの何が将来の影響要素としてつながってくるかわかりません。そうしたことから、これらワンボード・コンピュータを体験しておくことが何かの足しになることもあろうと思い、ArduinoとRaspberry Piを少しばかりいじってみておりましたところ、ちょうど今般リレーコラム執筆の機会を頂きました。

 そこで、この機会をお借りして、ArduinoとRaspberry Piについて、その状況などを簡単に紹介させていただきたいと思います。

2 Arduinoについて

 「Arduino」はイタリア人のマッシモ・バンジ氏を中心に、平成17年(2005)から開発が始められたワンボード・コンピュータです。バージョンアップや派生を含め、既に数十種類の製品があります。現在店頭で入手可能な製品には、代表的な「Arduino UNO」があり、これは本日(平成28年2月7日)現在、税込み2,940円で手に入ります。

 その特徴に、次のようなことを挙げることができます。

○ ハードウェアが「オープンソース」であること。

 仕様も設計もオープンで、一般人がネットから基盤のパターンなどをダウンロードしてそっくり同じものを製作することも可能です。また、そのため、世界中にArduinoのクローンを作っている企業やグループがあり、それら自由なクローンの種類を数え上げることはもはや不可能と言う状況にあります。

○ 開発環境が無料で配布されていること。

 開発環境は統合環境(IDE)になっており、これも無料です。様々なライブラリが日々提供され続けており、一般に入手可能なほとんどのハードウェアやIC、電子素子などを扱うためのライブラリがGitHubなどですぐに手に入ります。

○ アナログ入出力、デジタル入出力が簡単に可能であること。

 「Arduino UNO」の場合、基板上にはデジタルI/Oが14本、アナログINが6本、アナログOUTが6本あります。これにさまざまな電子部品をつないで制御することができます。

○ C++で簡単にプログラミングできること。

 従来の「マイコン」はアセンブラ一辺倒でしたが、ArduinoはC++でプログラミングでき、しかも、ややこしいハードウェア・アクセスはC++のクラスの中にすべてカプセル化され、手軽に扱うことが可能になっています。ユーザはオブジェクトを生成し、入出力ピンを開いて読み、書くだけでさまざまなことができます。

 こうした特徴があるため、Arduinoを使用すると、一般人がデジタル・プロダクトを簡単に製作することができます。

 かく言う私も次のようなことを試しました。

「スマート・ファン」

 安物の扇風機にArduinoとEtehrnetインターフェース、温度センサをとりつけ、Webサーバをこの扇風機に実装してブラウザから制御できるようにし、温度によって風量を変え、1/fゆらぎ送風ができるなど、ものすごく無駄にリッチ化した扇風機です。

 1980円の安物扇風機をめっちゃ高機能化(笑)して、結構遊べました。

ウェブ扇風機

「メールサーバ監視ランプ」

 メール来着状況を監視し、ランプの色で教えてくれるもの。昔はISDN用のルータにこうした機能があり、パソコンのスイッチを入れていなくてもメールチェックのタイミングを教えてくれて便利だったのですが、今はこういうものがなくなってしまったので、意を決して自作したわけです。実は、今はスマホでこれは出来てしまうのですが、LEDの輝度のパルス幅変調などを試して遊ぶのに格好の題材でしたので、あえて試してみました。

メールサーバお知らせランプ

「多機能リモコン」

 赤外線リモコンのある電化製品を、Webで制御するようにしたものです。パソコンからでも、スマホからでも操作できます。赤外線LEDは秋葉原などで100円ほどで手に入りますので、これを試す人は非常に多いようです。

いよいよ多機能リモコン

「モーターで動くおもちゃの類をデジタル・パワードにする」

 おもちゃにArduinoを積み込むと、男の子などは大変喜びます。ここでは、モーターで動く自動車に超音波センサをとりつけ、自律制御させるとともに、その自動車にデジカメを乗せて動画を撮影しています。

虫瞰(ちゅうかん)カメラ

 私には男の子供はありませんが、私自身が男の子じみた中年(笑)ですので、みずからこういうことを試して遊びました。

 このように、Arduinoを使うと、手軽にさまざまな機器を制御したり、デジタルパワーを盛り込んだものを作ることが可能です。

 伝統的にArduinoにはAtmel社のマイコン「AVR」シリーズが使われていましたが、最新の製品「Arduino 101」にはIntelのCurieが採用され、Bluetoothや6軸の加速度ジャイロセンサーが搭載されるなど、大変高機能化しています。

 さて、目が離せないArduinoですが、昨年ごろから、長年Arduinoを牽引してきた5人の人たちが仲違いし、分裂騒動を起こしてまだ決着がつかず、もめているようです。Arduinoコミュニティは既に大きなものになっているので、この騒動は残念なことであり、かつ、目が離せないところです。

3 Raspberry Piについて

 「Raspberry Pi」はイギリス人のイブン・アプトン氏を中心に、Raspberry Pi財団というところが開発しているワンボード・コンピュータです。SONYなども深くかかわっていると聞き及びます。

 平成24年(2012)に最初のモデルが発売され、バージョンアップ等で数種類の製品があります。現在店頭で入手可能な製品の代表的なものに「Raspberry Pi 2 Model B+」があり、これは本日(平成28年2月7日)現在で税込み5,000円です。

 次のような特徴があります。

○ れっきとした「PC」であること。

 前述のArduinoは「マイコンボード」であり、OS等は載っておりません。しかし、Raspberry PiはSoCを利用するれっきとした「パソコン」で、OSを載せて作動します。主としてRaspberry Pi用に最適化されたLinux(「Raspbian」というディストリビューション)が作動するほか、マイクロソフトからは「Windows 10 IoT core」というWindows製品が、なんと無料でコントリビュートされています。余談、最近のマイクロソフト社の変革ぶり、オープンソースやフリーへのコミットぶりには驚くばかりです。それだけ、IoTにからむ製品に注目しているということでしょう。

 また、HDMI端子やUSB、Ethernetの端子を基板上に標準で備えているので、キーボードやマウス、ディスプレイをつないでPCとして利用することができます。

○ あらゆる開発環境が利用可能なこと。

 「Linuxマシン」なので、Linuxで利用できる開発ツール類は全て利用できると言って過言ではありません。Raspberry Piになじみの良いのはPythonで、入門本などにはPythonの作例が多く載っております。他にRaspberry Pi向けに最適化されたビジュアル言語の「Scratch」などもあります。しかし、別にこれらにこだわる必要はなく、GCCが走りますから、C/C++も使えますし、他にシェル、PerlやPHP、Ruby、Javaも扱えます。極端な話、g77をインストールして「FORTRAN」でハードウェア制御を行うことも可能でしょう(聞いたことはありませんが……)。私などは、RubyやPythonに暗いので、CやPHPでRaspberry Piのプログラムを書きました。

 エディタやIDEも、自分が使い慣れた好きなものが使えます。私はviが好きなので、Raspberry Pi上でももっぱらviを使っています。

○ 簡単にデジタル入出力が可能なこと。

 「GPIO」と呼ばれるデジタル入出力端子を豊富に備えていますが、これらは、ユーザからはUNIXで言う所の「ファイルシステム上にあるスペシャル・ファイル」に見えます。ですので、このファイルをオープンし、読み、あるいは書くだけで外部に入出力ができ、ハードウェアの制御が可能です。

○ あらゆるミドルウェア等が利用可能なこと。

 Linuxであるがゆえ、Linuxで使えるミドルウェアなどはほとんどのものが利用可能です。例えば、MySQLやPostgreSQLなどのRDBも扱えます。また、ApacheなどのWebサーバ、sendmail、DovecotなどのPOP/IMAPサーバなども走ります。

 こうした特徴があるため、既存のオープンソース・ソフトウェアを用いて、相当複雑なことも可能です。

 Arduinoと違って、Raspberry Piは単体ではアナログ入力ができません。そこで、私はRaspberry PiにADC(アナログ・デジタル変換)のICを接続し、これにサーミスタを取り付け、Apache+PHP+C言語を使用して「ウェブ温度計の製作」などを試してみました。

Raspberry Piで温度を測ろう

 また、PHPでハードウェア制御もできます。私はこんなふうに、PHPを使用して、Webインターフェイスにより家電製品のスイッチをオン・オフすることなどを試しました。

そうか、PHPでもモノにつながるな

 Arduinoに比べてRaspberry Piの歴史は浅いのですが、その出荷台数などから見ても新進気鋭の勢いを持っており、躍進中であると言えます。

 もともと5,000円ほどの値段で、高価ではないRaspberry Piですが、昨年(平成27年(2015))11月に流れたニュースでは、なんと650円(5ドル)という驚くべき価格の製品「Raspberry Pi Zero」もラインナップに投入されました。

Raspberry Pi Zero

 この値段と大きさでLinuxが走るのですから、驚きです。さすがにEthernetはついていませんが、USBの無線LANドングルを接続すればネットにつながります。

 「Raspberry Pi Zero」は、この値段と大きさのゆえに数量を稼ぐことができますから、IoTにからむ何らかのブレイク・スルーをもたらす可能性も相当にあると言えるでしょう。

4 むすび

 私などが若い頃には、ワンボード・コンピュータというとNECのTK-80にとどめを打ったものです。一定の年齢層の人には大変懐かしいものの一つです。

 他方、ここまで触れましたように、現在のワンボード・コンピュータは長足の進歩を遂げており、ますます興味の尽きないものに変貌しております。

 今回紹介したものは一般向けのものなので、エンタープライズでの応用については、別途考察と検討、研究が必要であると思われますが、既に一般向けには広く普及していることから、早晩業務用途にも応用が広がることが想像されます。

Raspberry Pi 2 Model B に WiFi、AD変換ICでアナログ入力

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とりあえず無線LANにする

 Raspberry Pi、線がダラダラつながっているのは面倒くさいから、メインのifをWiFiにしてみたい。たまたま、Raspberry Piと相性がいいと言われるUSBのWiFiアダプタ「PLANEX GW-USNano2」というのをかなり前から持っている。

 USBポートにとりあえずこれを挿入し、

# lsusb
Bus 001 Device 002: ID 0424:9514 Standard Microsystems Corp.
Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub
Bus 001 Device 003: ID 0424:ec00 Standard Microsystems Corp.
Bus 001 Device 004: ID 2019:ab2a PLANEX GW-USNano2 802.11n Wireless Adapter [Realtek RTL8188CUS]

……もう、サクッとプラグアンドプレイの一発認識である。

# ifconfig
eth0      Link encap:イーサネット  ハードウェアアドレス b8:27:eb:45:1d:d0
          inetアドレス:192.168.1.105 ブロードキャスト:192.168.1.255  マスク:255.255.255.0
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  メトリック:1
          RXパケット:498 エラー:0 損失:1 オーバラン:0 フレーム:0
          TXパケット:253 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
      衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
          RXバイト:46665 (45.5 KiB)  TXバイト:34011 (33.2 KiB)

lo        Link encap:ローカルループバック
          inetアドレス:127.0.0.1 マスク:255.0.0.0
          UP LOOPBACK RUNNING  MTU:65536  メトリック:1
          RXパケット:8 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
          TXパケット:8 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
      衝突(Collisions):0 TXキュー長:0
          RXバイト:1104 (1.0 KiB)  TXバイト:1104 (1.0 KiB)

wlan0     Link encap:イーサネット  ハードウェアアドレス 00:22:cf:97:fe:b9
          inetアドレス:192.168.1.107 ブロードキャスト:192.168.1.255  マスク:255.255.255.0
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  メトリック:1
          RXパケット:506 エラー:0 損失:169 オーバラン:0 フレーム:0
          TXパケット:25 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
      衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
          RXバイト:128714 (125.6 KiB)  TXバイト:4541 (4.4 KiB)

 これも、もう、イッパツ。

 で、# shutdown -i0 -g0 -y、LANケーブル抜いて電源を入れなおす。

 サクッとつながる。ケーブルがだらだらつながっていたのが減って、これはとてもいいなあ。

USBのWiFiアダプタが快調に作動している様子
IMG_3308

アナログ入力をしてみる

 さて、今度はいろいろといじってみよう。

 Raspberry PiとArduinoにはいろいろと違いがある。その違い認識は世間ではもうとうの昔に確定済みであるようだが、私はその無視できない一つが「アナログ入力のあるなしではないだろうか?」と思い至っている。

 Arduinoはシンプルで扱いやすいにもかかわらず、10ビットのアナログ入力が6個もあり、これは意外と使い応えがある。抵抗やポテンショメータ、サーミスタ、CDSセル、音声など、実にいろいろなものをつなぐことができるのだ。

 だが、Raspberry Piにはアナログ入力は、ない。

 アナログ入力をしたければ、手段の一つに「Arduinoをつなぐ」というのがある。Arduinoを持っているなら、これは良い手段だが、なんだか無駄が大きい。

 もう一つが、「A/D変換器をつなぐ」ということだ。A/D変換IC、つまり「ADC」は、百何十円~数百円だから安い。合理的である。

 これについて解説しておられるサイトはたくさんある。それを参考にさせていただき、早速秋葉原へ行って2種類ばかりICを買い込む。

 これは、マイクロチップ・テクノロジー社製の「MCP3008-I/P」。8チャンネル10ビット、千石電商で320円。

MCP3008-I/P
IMG_3309

 コッチは、同じくマイクロチップ・テクノロジー社の「MCP3208-CI/P」。こちらも8チャンネルだが、幅は12ビット。秋月電子でソケット付き、データシート付きで320円。

MCP3208-CI/P
IMG_3310

 ついでにこの前壊したTLC5940NTも二つ買い込む。これも390円。

TLC5940NT
IMG_3311

 で、まずはMCP3208から試してみよう。

 Raspberry PiとICは、SPI通信でつなぐ。そのため、まず、Raspberry PiでSPI通信を行う要領を知る必要がある。

 Raspberry Piの場合は、SPIのモジュールをインストールしたり、ブラックリストから外すなどの着意が必要であったようだが、Raspberry Pi 2 の場合は、どうやらそのような操作は必要がなく、「# raspi-config」でAdvancedの中からSPIを選び、enableにすればよい。

 lsmodで確認し、次のように「spi_bcm2835」というモジュールが入っていればSPIが使える。

$ lsmod
Module                  Size  Used by
cfg80211              420690  0
rfkill                 16659  1 cfg80211
snd_bcm2835            19769  0
snd_pcm                74825  1 snd_bcm2835
snd_seq                53561  0
snd_seq_device          3650  1 snd_seq
snd_timer              18157  2 snd_pcm,snd_seq
snd                    52116  5 snd_bcm2835,snd_timer,snd_pcm,snd_seq,snd_seq_device
8192cu                528485  0
spi_bcm2835             7100  0
i2c_bcm2708             5014  0
uio_pdrv_genirq         2966  0
uio                     8235  1 uio_pdrv_genirq

 さっそくブレッドボードにMCP3208を配置し宮城大学のサイトの記事にあるコードを使わせてもらったのだが、これがそのままでは動かず、ハマッた、ハマッた……。

ブレッドボードの状況
IMG_3312

 何か、Raspberry PiとRaspberry Pi 2 で、ioctrlに渡すデータ長に違いでもあるらしく、かなり試行錯誤した末、このようになった。

 宮城大学のサイトにあった元のコード(“raspSPI.cpp”内)

//  sendRecN: Nバイトデータの送信と受信(2048バイトまで)
void SPI::sendRecN (unsigned char *send, unsigned char *rec, int n)
{
    //  setup a block
    struct spi_ioc_transfer tr[1];
    tr[0].tx_buf = (unsigned int) send;
    tr[0].rx_buf = (unsigned int) rec;
    tr[0].len    = n;
    tr[0].speed_hz      = clock;
    tr[0].delay_usecs   = SPI_DELAY;
    tr[0].bits_per_word = SPI_BITS;
    tr[0].cs_change     = 0;
    //  send this byte
    int ret = ioctl(fd, SPI_IOC_MESSAGE(1), tr);
    if (ret < 0) {
        printf("error: cannot send spi message (SPI::sendRecN)\n");
        exit(-1);
    }
}

 Raspberry Pi model Bで動くように少し変更したコード(tr[]の個数と、tr[0]に渡す値のキャストを「int」から「unsigned long」に変更している)

//  sendRecN: Nバイトデータの送信と受信(2048バイトまで)
void SPI::sendRecN (unsigned char *send, unsigned char *rec, int n)
{
    //  setup a block
    struct spi_ioc_transfer tr[3];
    tr[0].tx_buf = (unsigned long) send;
    tr[0].rx_buf = (unsigned long) rec;
    tr[0].len    = n;
    tr[0].speed_hz      = clock;
    tr[0].delay_usecs   = SPI_DELAY;
    tr[0].bits_per_word = SPI_BITS;
    tr[0].cs_change     = 0;
    //  send this byte
    int ret = ioctl(fd, SPI_IOC_MESSAGE(1), tr);
    if (ret < 0) {
        printf("error: cannot send spi message (SPI::sendRecN)\n");
        exit(-1);
    }
}

(作動させた画面の様子)

  1132   867   827   829   833   838   877  2670
  1090   829   787   787   792   797   845  2668
  1028   768   725   721   724   732   796  2671
   929   678   631   623   625   636   737  2669
   791   534   471   444   429   435   572  2667
   408   172    94    54    29    53   281  2668
    84     0     0     0     0     0   111  2666
     0     0     0     0     0     0    20  2671
     0     0     0     0     0     0     0  2670
     0     0     0     0     0     0     0  2668
    19    29    34    39    41    36    27  2670
    87    93   101   110   114   107    81  2670
   173   173   183   195   201   186   146  2671
   274   276   300   327   347   339   276  2667
   614   609   650   692   727   698   552  2668
   948   901   907   902   911   916   741  2672
  1102   916   878   886   894   899   854  2670
  1160   888   865   868   873   878   913  2671
  1137   872   832   833   838   843   903  2665
  1093   830   788   787   792   796   869  2668
  1027   767   723   717   721   727   815  2669
   938   685   638   631   632   643   748  2669
   821   566   504   482   467   474   603  2665
   447   206   128    89    62    85   303  2669
   107     0     0     0     0     0   123  2670
     0     0     0     0     0     0    32  2669
     0     0     0     0     0     0     0  2667
     0     0     0     0     0     0     0  2670
    14    23    29    34    37    32    29  2669
    81    86    94   102   104    98    80  2665
   170   167   177   186   191   174   141  2671
   267   267   290   314   333   323   263  2668
   598   593   631   669   702   672   536  2670
   936   888   908   904   913   914   723  2669
  1098   917   876   888   894   899   840  2668
  1157   895   864   869   875   878   904  2668
  1138   873   834   835   841   844   902  2667

 7番ピンにポテンショメータをつなぎ、残りのピンは解放してあるので、乱雑な値が出ている。

ついに俺をネットに接続することに成功した。

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IMG_2803 さて、このようにArduinoで遊び、写真のような成果を得た。

 これが、Arduinoを使用して、私・佐藤俊夫をワイヤード(USB経由)でネットに接続し、常時私のおツムの具合をネットに公開するシステムの図である。

notice 全般構成を解説しよう。きわめて簡単だ。

 左側のブレッドボード、その更に左側にわずかに見える緑色の素子がサーミスタである。+5Vを印加、10kΩ抵抗と直列につないで接地し、抵抗とサーミスタの間から出力をとってArduinoのアナログ入力に入れてある。

 まことに疑問の余地もなく、シンプルである。

 Arduino側には、次のようなシンプルなソースが書かれている。

//
//  シリアルに体温を送る。
//    佐藤俊夫
//    27.05.05(火) 1730~
//
const int THERMISTOR = 0;  //  A0
//

void setup() {
  Serial.begin(9600);
}

void loop() {
  float v = 0;
  //
  v = analogRead(THERMISTOR);
  v = -9.663E-5 * v * v + 0.164 * v + 0.197;
  Serial.println(v, DEC);
}

 次に、これを手近のLinuxマシンにつなぐ。

# stty -F /dev/ttyACM0
speed 9600 baud; line = 0;
-brkint -imaxbel

 これでよい。

 あとは、crontabに次のように書き込み、crondを再起動すれば終わりである。

   */5  *   *   *    *   head -n 1 /dev/ttyACM0 | mail -s "Sato's Physical condition." foobar@hogehoge.ne.jp

 無論、上記の「foobar@hogehoge.ne.jp」というメールアドレスは、私のブログへのメール投稿アドレスにほかならず、こうすることによりTwitterとFacebookにパブリサイズ共有されるわけである。

 これで、私こと佐藤が、ついにインターネットに接続された!!



シリアルで制御できたら、次は……

投稿日:

 次も、既にやることは決まっている。

 Arduinoをおもむろに手元のLinuxマシンにつなぐ。で、Linuxへ行って、rootになり、

# dmesg
usb 3-2: new full speed USB device using uhci_hcd and address 2
usb 3-2: configuration #1 chosen from 1 choice
usb 3-2: New USB device found, idVendor=2a03, idProduct=0043
usb 3-2: New USB device strings: Mfr=1, Product=2, SerialNumber=220
usb 3-2: Product: Arduino Uno
usb 3-2: Manufacturer: Arduino Srl
usb 3-2: SerialNumber: 75439333335351303121
cdc_acm 3-2:1.0: ttyACM0: USB ACM device
usbcore: registered new interface driver cdc_acm
drivers/usb/class/cdc-acm.c: v0.25:USB Abstract Control Model driver for USB modems and ISDN adapters

……となってればオッケーだ。

 で、

# ls -Fla /dev/ttyACM0
crw-rw---- 1 root uucp 166, 0 2015-05-01 11:50 /dev/ttyACM0

 よっしゃ、あるある。

 スピードなどはsttyで確かめると良い。

# stty -F /dev/ttyACM0
speed 9600 baud; line = 0;
-brkint -imaxbel

 オッケー。

 で、Linuxのコマンドラインから、旗を上げ下げする。

# cat /dev/ttyACM0 &
# echo '1' >/dev/ttyACM0

 おう、旗が上がる。

# echo '0' >/dev/ttyACM0

 ふふっ、旗が下がる。

 ……で、ここまで来たら、もうやりたいことはできたも同然w。



有線キーボード

投稿日:

 明日は日本ITストラテジスト協会関東支部の月例会がある。このところ仕事や用事でなかなか行けなかったが、明日は大丈夫なので、参加することにしている。

 ところで、私の職場では私物のIT機器は禁止であるが、ITストラテジスト協会は外の集まりなので、いつもは私物のタブレットを持って行っている。メモをとったりするのに便利だ。セキュリティなど気にしなくて良い程度の内容なら、Google Docsやkeepを使えば、わざわざ送信する手間もいらない。

 いつもはそのタブレットにBluetoothのキーボードを組み合わせて使っている。まことに便利で言う事はないのだが、一点、難がある。

 Bluetoothは現在主流の2GHzのWiFiと干渉しやすいのである。このため、時々キーリピートがかかったような状態になり、十数秒ほど入力不能になる場合があるのだ。自宅で使う分には落ち着いて待っていれば復帰するので大して気にならないが、大事なメモなどとっているときには書き落とす原因になるので具合が悪い。

 そこで、USBの有線キーボードを買っておくことにした。鞄に入るような小型のものが良い。

 こんなものは千円台からいくらでも品揃えがあるだろ、と多寡をくくって近くの「PCデポ」へ行ったのだが、なかった。小型のUSBキーボードは1種類しか扱いがなく、しかも2,200円で、そしてその1種類は品切れなのであった。

 最近売れ行きが悪いのか、PCデポは妙に品揃えが少なくなったなあ。

 しかしこうなるとどうしても有線キーボードがほしくなるのである。たしか「あきばおー」で同じやつが千円以下であったはず、と秋葉原へ急行。

 勿論あった。しかも680円の叩き売り。買い。

 しかし、この叩き売りにはカラクリがある。なんと、ケーブル長が3メートルもある特製のヤツなのだ。これは売れ残ってたたき売りにもなるだろう、そりゃ。

 まあ、ケーブルなんざ、ナイロンタイで短くまとめておけばよかろう。

 今、さっそくそのキーボードをタブレットに繋いで入力してみているのだが、ぬぅ、こ、これは……。

 キーピッチが狭すぎて、使いづらい。かなり慣れないと軽快にタッチタイプというわけにはいかない。

PC-Depot「OZZIO」MX1460NのフロントのダミーIEEE1394コネクタを使えるようにする

投稿日:

 またまた、このブログに書くには珍しい、また私としても珍しい記事を備忘録代わりに書く。

 先日3万円以下で購入した標記のパソコン、近所のPC屋さんのオリジナルショップブランド「OZZIO」MX1460N、値段の割には性能もよく、満足している。前面パネルにUSBやIEEE1394コネクタがあるが、IEEE1394コネクタはダミーで、蓋がしてある。

 だが、私はIEEE1394のPCIカードを持っており、前のパソコンでもこれを使用してビデオなどを取り込み、このブログに載せるなどしてきた。背面のコネクタに挿せばいいのだが、せっかくのフロントのコネクタを、使えるものなら使いたい。

 そこでケースを開けてみると、前面パネルのIEEE1394コネクタは、内部では「MILピンコネクタ」になっている。6ピンの一列だ。で、ここが困った点なのだが、これがオスなのだ。

 出来合いの「ケース用1394ケーブル」というのを買うと、バラピンと呼ばれる、配列を変えることができるピンプラグが付いているが、これがまたオスである。

 スマートにつなぎたい。だが、ケーブルはない。

 ・・・と、いうわけで自作した。少々小遣いはかかったが、要点は次のとおりである。

  1.  「2550」という品番の圧着端子を探す。これは秋葉原の「千石電商」などで買える。100220_143039 5円だの10円だのという値段だから、買った気のせぬ値段。これにはオスとメスがあるから、この場合はメスを買う。この圧着端子用の黒いシースも売っているから、これも買う。バラでもよいが、今回は6ピンのやつを買った。
  2.  ついでに、この端子を取り付ける圧着ペンチを買う。これは、いいものを買うと4000円以上もするが、前述の「千石電商」には、安物も売っている。1530円である。100220_142920 千石電商の店員さんに言わせると、「これは高いほうに比べてややコツがいる」とのことであるが、これでも十分使える。
  3.  あらかじめ買っておいたケース用1394ケーブルのオスのピンプラグを全部ニッパーで切って捨てる。
  4.  被覆を剥き、買ってきた圧着端子を取り付ける。
  5.  シースを取り付ける。この際、もっとも大事なのは、言うまでもなくピンの配列である。IEEE1394は次のとおりである。

    1 2 3 4 5 6
    白 黒 赤 緑 橙 青
     

  6.  こうして作成したコネクタで、PCIカードとケースをつなぐ。ケースにつなぐとき、どちらが第1ピンかが大切である。私の「OZZIO」MX1460Nの場合は、ケースの蓋を開けて手前側(ケースの正面から見れば左側)が1番ピンであった。最初わからなかったが、基盤をよく観察すると、「1」と印刷されているからそれとわかる。他のマシンの場合も、コネクタの周りをよく観察すれば、手がかりがあるはずである。
  7.  おそるおそるビデオカメラを接続し、ビデオの取り込みが実際に出来れば、うまくいっている。もしビデオカメラやPCIカードやPCから煙が出たり壊れたり(笑)すれば、何かが間違っている。PCとビデオカメラを買いなおすところからやり直そう。(ヲイヲイ(笑))

ローランドFP-7で保存されるmidiデータをPCで鳴らす方法

投稿日:

 嬉しく新しい愛機、ローランドFP-7は非常に便利である。さまざまな機能が満載だが、その中の一つに「演奏データを市販のUSBフラッシュメモリにサクッと保存できる」ことがある。

 しかも、そのデータはそのまんま拡張子が「.mid」だったりする。

 だが、残念なことに、このデータをPC上でダブルクリックしても、そのままでは音は鳴らない。PCで鳴らすためにFP-7本体側でなにか調整項目があるのかも知れないが、私にはわからない。

 PCで鳴らす方法はそれほど難しくないのだが、どうもその方法はメーカーのサイトにもネット上にも、どこにも書かれていないようだ。

 そこで、私が見つけた、ローランドFP-7から吐き出されるmidiデータをPCで鳴らすための手っ取り早い方法を紹介する。このブログで既に発表している2~3のつたない演奏データも、この方法で修正してアップロードしている。

  •  用意するソフト: フリーソフト「Music Studio Producer」(ダウンロード:窓の杜)
  •  上記ソフトを使用して、 保存されたデータの不要なイベント(初めの3つ)を消去することでPCでも鳴るようになる。すなわち・・・
  1.  USBフラッシュに保存されているFP-7のデータ(『FP007なになに.MID』というファイル名、例えば『FP007001.MID』等)をPCにコピーする。
  2.  前記「Music Studio Producer」を起動する。コマンドメニューを「ファイル」 → 「開く」と操作し、1.項のファイルを選んで開く。
  3.  通常、トラックナンバー「004」に演奏データが入っている。このトラックの左端の選択欄をクリックして黒くする。Event_list_2
  4.  イベントリストを表示するボタン(右図に赤矢印で示す)をクリックする。
  5.  表示されるイベントのうち、上から3個(『コントロール』・『コントロール』・『プログラム』)の左端の選択欄をクリックして黒くし、Deleteキーを押してこれら3個のイベントを消去する。消去したらイベントリストは閉じる。
  6.  「トラック」のウィンドウに戻り、トラックナンバー「004」の「Patch」の欄をクリックする。楽器の名前の一覧が出るので、番号1の「Piano 1」を選んでOKボタンをクリックする。
  7.  コマンドメニューを「ファイル」 → 「上書き保存」と操作して保存する。

 以上で、保存したデータはPCで鳴るようになる。

ピアノが届いた!!

投稿日:

 午前中、待ちに待ったローランドのデジタルピアノ、「FP-7」が届いた。

 びっくりするぐらい大きな箱に入って届いた。我が家のリビングは2階なので、担ぎ上げるのに一苦労した。Img_1375

 小一時間かかって組み立て、さっそくショパンのプレリュード7番を弾いてみる。 記念すべき新品のピアノの第一曲目だ。運良く、ミスタッチもなく、きれいに弾くことができた。

 オマケにセサミストリートの楽団がついてきた。Img_1376 子供が喜ぶ。

  •  存分に弾いてみて思ったこと
    •  あたりまえだが、「キーボードに比べてピアノの鍵盤は重い」。
    •  だが、その重さのゆえにか、ミスタッチが減るようだ。キーボードだと、ほんのわずかに指が触れても音が出てしまうが、ピアノはカンタンには音が出ないので、ちょっぴり隣に指が当たったくらいではミス音がしないことに気が付いた。

 これからはしばらくの間、ピアノの鍵盤のタッチに馴染まなければならない。以前に練習を済ませた曲などをゆっくり復習してみた。下は、去年の懐かしい曲、バイエル16番と59番だ。

 録音も、この「FP-7」は、USBメモリを挿せばそこに転送することができ、しかも生のMIDIファイルになる。そのままではなぜかPCでは鳴らないのだが、シーケンサで余分なコントロールを取り除くとそのままちゃんと鳴る。上のMIDIはそうやって録った。