一杯

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 まだ昼めしの前だが、一杯。

 肴は、昨日の帰り、九段・増辰海苔店で買った九州産の「金曜焼きたて」。

天気もよく

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 梅雨の前触れか、このところ土日には天気がぐずつくことも多かったが、今日は久しぶりに真っ青な空が広がった。空気も澄み、涼しい朝である。

 ぶらりと散歩に出る。花皐月の花季ももう終わろうとしている。コーヒー屋で本を読んだりする。

 昼過ぎ、新橋に出かける。中央線秋葉原までは定期で行けるので、秋葉原から山手線で4駅だ。行き先は言わずと知れた「虎ノ門・大坂屋砂場」である。

 珍しく1階奥の席に通される。

 武原はん女の句であろうか、扇面色紙に「舞ふ人のはやも()寿の春なりし」とある。

 いつものように焼海苔で「澤乃井」を一合。今日はなんだか気分が良く、もう一合飲む。

 それから「もり」を手繰る。

 日比谷公園の方にブラブラ歩いて行って見ると、なんだか「ビール祭り」のようなことをしている。数えきれないくらい様々な銘柄のビールの露店が出ていて、老若男女が大きなグラスやジョッキで楽しんでいる。

 後で調べてみたら、「オクトーバーフェスト」という催しで、本場ドイツと提携して本格的にやっているようだ。

 私も交じって、青天白日の下、「ヴァイエンシュテファン」のピルスナーを一杯。

 公園北側にある元公園事務所の茶寮で結婚披露宴をしている新婚夫婦がいた。いい天気で、花嫁のドレスが青空に映えていて、美しかった。へえ、ここでこういうこともできるんだな、と知った。

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 もう終わりかけではあったが、薔薇園の薔薇を眺めて帰る。

図書館~蓮玉庵~不忍池(しのばずのいけ)

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蕎麦通・天婦羅通

 図書館へ本を読みに行く。この前から読みかけの「蕎麦通・天婦羅通」という戦前の本の復刻だ。

 最近珍しい本を読むことが多く、市立・県立の図書館にはないようなものに限って読みたくもなるもので、それで国会図書館へばかり行っていた。

 国会図書館には古今のあらゆる本があり、漫画や雑誌まで含めて全て読むことができる。だが、ただ一点の難は借り出しができないことだ。なので、文字の多い本を数日かけてじっくり読むと言う事ができない。

 この本、「蕎麦通・天婦羅通」は、先日たまたま市立図書館で見つけた。市立の図書館なので、この本は借り出すことができる。

 読み始めた時には拾い読みする積もりで、借り出す気はなかったのだが、面白いから全部読みたくなってしまい、結局、今日になって借り出した。

蓮玉庵

 こういう本を読んでいると本当に腹が減ってしまう。蕎麦の本だから蕎麦を手繰(たぐ)りたくなるのは自然の理屈だ。

 前々から気になっていて、だが入ったことのなかった、上野・池之端、仲町通り入り口に近い「蓮玉庵」へ行ってみることにした。

 上野・池之端と言うと「池之端藪蕎麦」に限ったくらいのものだったが、残念ながら先頃閉店してしまった。今は店も取り壊されて、すっかり更地だ。

 だがこの「蓮玉庵」も、なかなかどうして、江戸時代創業の有名店なのである。

 樋口一葉の日記や野村胡堂の作品などにも登場する古い蕎麦(みせ)だ。

 上野・池之端の仲町通りはピンサロなどの客引きが多くて閉口するが、そんな中、この蕎麦屋は貫禄のある古い店構えで、ひときわ目立つ。

 臆せず入ってみる。

 表の店構えは相当に古びているのだが、一歩店内に入ると、美しく調度されており、非常に清潔な店内である。壁の造り付け棚に蕎麦猪口(そばちょく)が飾られてあり、見飽きない。

 品書きはそれほど多くはない。酒の銘柄がいろいろ揃っているというわけでもない。だがそれだけに迷わず楽しめるのだ。

 酒をぬる燗で一合、肴に焼海苔をとる。

 焼海苔はシンプルにお皿に乗せて出してくる。通しものは煮豆だ。やさしく、かつ味わい濃く煮てあって、これは酒に良い。

 盃一杯ほど酒の残っている頃おい、蕎麦をたのむ。私は蕎麦屋に入ったら、いつもは大抵、「もり」や「せいろ」、あるいは「かけ」をたのむことにしているのだが、今日はこの店名代(なだい)の「古式せいろそば別打ち入り三枚重ね」というのをとってみた。

 1枚目と3枚目は新蕎麦風味の蒸篭(せいろ)蕎麦だ。基本に忠実な蕎麦で、旨い。

 2枚目に、季節ごとの変わり蕎麦が入っており、今の時季は「桜切り」である。写真の左側のものだ。馥郁と桜の香りがする。桜の花と葉が練り込んであるのだ。

 実に旨い。

 蕎麦(つゆ)は濃いが辛くなく、出汁(だし)が利き、変わり蕎麦の桜の風味にも絶妙に絡む。

 蕎麦湯は銅の薬缶(やかん)にたっぷりと入ってくる。

酒 一合 700円
焼海苔 400円
古式せいろそば別打ち入り三枚重ね 1000円
合計 2100円

 本当に東京の蕎麦屋らしい蕎麦屋で、のんびりと飲みかつ手繰(たぐ)ることができ、満足した。

不忍池(しのばずのいけ)をうろつく

 この前まで不忍池の周りは工事中で、東京オリンピックや外国人観光客の誘致を狙ったものか、舗装などを相当直したようだ。

 今日は工事が完成していて、沢山の人で賑わっていた。

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 桜は七分咲きというところだが、折()しく雨がぱらついて寒い。ところが、気も(そぞ)ろというところなのだろうか、もう敷物を拡げて、賑やかに花見宴を繰り広げている人たちも多くおり、本当に花見が好きだなあ、と感心してしまった。

弁天参詣

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 折角だから弁天に詣でる。

 布施をして、「融通守銭」というのを頂き、お香も寄進する。

 花見の時季を当て込んでか、相当数の露店が出ていて、美味しそうな匂いをふりまきつつ、焼いたり煮たり、声を枯らして客を呼び込んでいる。昔の風景と違うんだろうな、と思うのは「ケバブ」の店が何店かあることだ。それに、縁日などを見物に出かけていつも思うことだが、寺の境内で肉類の露店、豚焼きや焼き鳥などがあるのも面白い。これは関東の特色だろうか。

 弁天堂の参詣列にヒジャブを被ったイスラム教徒が並び、手を合わせている。……いや、コッチはいいんですがね。正月に皇居の一般参賀に行った時にも思ったことだが、あなたがた、イスラムのバチが当たるんじゃないですかと、他人事ながら心配してしまう。

下町風俗資料館

 弁天島からボート乗り場に隣り合う堤を歩いて行って、池之端の方に戻り、ふと思いついて「下町風俗資料館」へ入ってみる。

 昔の長屋の暮らしが再現されており、座敷へ入ってみることもでき、大変面白かった。

 微醺(びくん)を帯びて帰宅する。

 小雨の桜もいいものだな、と思った。

おとなしく過ごす

投稿日:

 図書館でおとなしく過ごす。

東京タラレバ娘(2)・(3)・(4)・(5)

 国会図書館は、漫画も読める。しかも普通に出版されているものであれば、法律上1部必ず国会図書館に納めなければならないことになっているから、古今の漫画が全部読めるわけである。

 館内では飲み食いこそ自由にはできないが、閲覧室には机もあり、のんびりと座を占めて読める。ちょっと前までは情報機器の持ち込みは禁止だったが、今はパソコンの持ち込みもOKで、無料でWiFi(5GHzもあり)も使い放題、快適そのものだ。

 そこで今日は話題作のマンガを読む。この前1巻はKindleで無料だったので、続きの2・3・4・5巻。

 第1巻はわりと普通な面白さだったが、2・3・4・5巻は次第に大人のドロドロ感が出てくる。

室町砂場 赤坂店

  図書館ではほかに、以前他所(よそ)で見かけて気になっていた「蕎麦通・天婦羅通」という本を読みかけたが、時間切れになり、読めなかった。また今度の読書である。

 既に春一番も吹いたという。風も暖かく、春の匂いがそこはかとなく混じる気がする。さなきだに、植栽の梅が満開である。

 いつもどおり、室町砂場・赤坂店へ行く。

 焼海苔でぬる燗を一杯。

 盃一杯分ほど酒の残っている頃おいに、「もり」を一枚。

本日の室町砂場・赤坂店

投稿日:

img_4952 今日も永田町の国会図書館へ調べものに行った。

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 もう最近のパターンになってしまっている「室町砂場・赤坂店」、やっぱり今日も行く。

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浅草・並木藪蕎麦

投稿日:

 忙中有閑。

 最近、蕎麦と言うと赤坂の室町砂場へばかり行っていたが、今日は久しぶりに浅草・並木籔蕎麦へ行った。平成26年の3月以来だったか。ほぼ3年ぶりだ。

 昼時は混んでいるから、行くなら14時半ごろが適当だ。これは東京の蕎麦名店全部に言えることである。この店は中休みをとらないので、なおのこと午後の遅い時間に行くのが良い。

img_4886 とりあえず酒を一合。通しものは固く練った蕎麦味噌で、これが案外に甘く、香ばしい。

 以前は浅い青磁の盃を出してくれていたように思うが、今日は切子硝子(きりこガラス)の盃で出してくれた。酒はいつも通りの菊正宗、落ち着く旨さだ。

 以前に来たときは、客の世話をしていたのはすべて女の人ばかりだったが、今日は若いお兄さんが一人いたのも興味を惹いた。

img_4887 肴に焼海苔をたのむ。この店も下に熾火の入った炭櫃で出してくれる。乾いていてうまい。ごく濃い口の醤油と山葵を添えてくれる。

img_4888 盃に一杯ほど残っている頃おいに、「ざる」を一枚たのむ。

 この(みせ)の最大の特徴は、東京随一とも言える、この辛汁(からつゆ)だろう。だが、単に醤油がキツいとか、塩辛いというのとは違う。複雑な味が様々に溶け込んでいて、旨い。

 蕎麦湯は土瓶で出してくれる。(つゆ)の塩気がきいているので、蕎麦湯に少しずつ差せば全部飲み切ってしまえる旨さだ。

菊正宗 1合 750円
焼海苔 750円
ざる 750円
合計 2250円

 この店の値段は、更科と砂場のちょうど中間ぐらいである。50円ほど値上げしたのかな、と思ったが、記憶違いかもしれない。

 のんびり飲み、藪蕎麦ここにあり、というほどの蕎麦を名代(なだい)辛汁(からつゆ)で手繰って、まあ、安いという程ではないにもせよ、「そんなに高くない」のであるから、まことに幸せである。

 自作「東京蕎麦名店マップ」に写真を足しておく。

室町砂場 赤坂店

投稿日:

 国会図書館へ「太平記」「梅松論」その他千早赤阪城の闘いに関するものを読みに行った

img_4807 その後、今日も蕎麦を手繰ろうということで、国会図書館から歩いて行ける最も近い名店、標記「室町砂場 赤坂店」へ行った。

 「室町砂場 赤坂店」は、国会図書館からは15分ほどで歩いて行ける距離にある。国会議事堂の前を通って、首相官邸の裏へまわり、溜池山王から山王日枝(さんのうひえ)神社まで来たら大きく目立つTBSのビルのほうを目指すと良い。TBSの反対側の裏通りに、渋いたたずまいのこの店が見つかる。

 店は小さく、数寄屋造りの渋い2階建てで、赤坂とはいえ裏通りの静かなところにある。

img_4806 空いていると踏んだ土曜の午後の遅い時間、臆せず暖簾をくぐる。

 先客は二組ほどで、妙齢の白人女性と日本人女性が卵焼きなんかをつつきながら低声の英語で話し込んでいたりした。

img_4809 私はまず酒を冷やで一合、それから焼海苔を頼む。なんだかこれが蕎麦屋での習慣のようになってしまった。

 酒は菊正宗だ。海苔は蕎麦屋でよくある炭櫃入りではなく、「神田・まつや」と同じように小さい海苔箱に入れてくるが、言うまでもなくよく乾いており、厚手の上等の海苔で、がっしりと旨い。それに、他所より多く入っている。

 通しものは浅蜊と針生姜を時雨(しぐれ)風に薄味で煮付けたものだ。旨い。

img_4810 いつものとおり、一杯ほど酒が残っている頃おいに「もり」を一枚頼む。

 他の砂場と同じく黒からず白からず、それでいて歯応えのある、しっかりした蕎麦が出てきた。(つゆ)は濃い目だが辛くはない。多すぎない程度に盛られており、また上手に盛ってあるから絡まることもなく、手繰り易い。

img_4811 蕎麦湯は濃い目に蕎麦粉が溶け込み、飲み応えがあってうまかった。

菊正宗 1合 750円
焼海苔 350円
もり 600円
合計 1,700円

 全部で1700円ちょうどだ。それほど高くなく、あっさりと楽しい飲み食いであった。

 このところ毎週蕎麦ばかり手繰っているが、面白いし旨いので、やめられない。

 「東京蕎麦名店マップ」を更新し、この店の写真も載せておく。

img_4814 酒臭い息では信心の上でどうかとも思ったが、山王日枝(さんのうひえ)社に詣でて帰った。

平日に「巴町 砂場」

投稿日:

 私は若い頃から長年、ゴチャゴチャしたDQN(ドキュソ)職場で働いている。色々と前近代的で不便な職場だが、そういう職場なので不満や愚痴を言っても仕方がない。

 だが、そんな私の職場も、鈍重ながらも世間の潮流には乗っていってはいる。最近は「男女共同参画」とか「ワークライフバランス」というようなことにも相当注力するようになってきた。色々な施策のお陰で、子育て世代などは一昔前と比べると大変恵まれている。

 今日も上の方からの施策で「とっとと帰宅しろ」というような日にあたった。こういう日は朝7時には出勤して、給料分の時間は働くという仕組みだ。ありがたいことだが、しかし、帰れもヘッタクレも、昨日の日曜日には有無を言わせず呼び出されて終夜働かされており、その分の時間はなんだかウヤムヤにどこかへ行ってしまっているのだから、なにやらいい加減ではある。

 さておき、こういう日にしかできぬことだってある。例えば「土日祝が休みの蕎麦屋に行く」、これであろうか。

 そうと決まれば、遠く江戸時代の砂場蕎麦に続く東京屈指の名店、「巴町 砂場」に行くしかなかろう。

 改めて簡単に記せば、大坂城築城のための土木置場――これが()うところの『砂場』――にあった「和泉屋」という蕎麦屋の流れを汲んで、江戸に店開きしたのが(こうじ)町(麹町)七丁目「砂場藤吉」(今の三ノ輪の『砂場総本家』)、久保町「砂場長吉」などである。「砂場藤吉」から暖簾分けしていったのが今の「虎ノ門 大坂屋砂場」と「室町 砂場」で、「砂場長吉」が今の「巴町 砂場」である。その辺りの事は先日このブログにも記しておいた。いずれも東京屈指の砂場の名店だ。

 三ノ輪の「砂場総本家」には既に行ったし、また、「虎ノ門」と「室町」は土曜日もやっているので、先日念願を達成して2店ともに行った。しかし、「巴町」だけが「土日祝は休み」であり、平日はあまり時間のない私には行けないのである。

 何にせよ、「早く帰れ命令」の今日と言う今日は、これは「巴町に行け」という神のお告げにも聴こえるものがある。

 「巴町 砂場」の営業時間は昼11時~14時、夜17時~20時だ。このことだけをとってみても行ける人を選ぶ蕎麦屋さんだ。

 だがともかくも、職場から地下鉄を乗り継いで急いで行く。最寄り駅は「神谷町」で、これは東京タワーの最寄り駅としてもよく知られている。「巴町 砂場」には神谷町駅の3番出口から出るのが一番近い。

 地上に出るとそこが「桜田通り」だから、これを北の方へ2、3分も歩けば、通りの右側(東側)に店がある。

img_4790 店はビルの1階にあるが、美しく、店内の趣味も非常に良い。入って右側の床の間ふうのしつらえに生け花と日本人形が飾られ、店の奥には切り火鉢風の囲み卓の席もある。

img_4792 いつも通り酒と、焼海苔を頼んでみる。酒は菊正宗、通しものは枝豆だ。海苔は蕎麦屋のお決まりで、下に熾火の入った炭櫃で供される。

 海苔は厚手のいい香りのもので、日本酒にまことに合う。山葵もおろし立てで旨い。

 ゆっくり飲んで、一杯ほど酒が残っている頃おい、「せいろ」を一枚頼む。この店の名物は「趣味のとろろそば」と「特せいろ」だと調べてきてはいるが、初めて入ったのだから、スタンダードなものを、と思ったのだ。

img_4795 想像通り、純正・中立な、「蕎麦の中の蕎麦」だ。太からず細からず、黒からず白からず、しなやかで味も香りも良い。蕎麦(つゆ)は辛くなく、穏やかな、出汁(だし)のきいた(つゆ)である。その辺りは「辛汁(からつゆ)」が自慢の「藪」とは一線を画する。薬味の葱はしゃきっと切ってあって、香りが良く、旨い。

 また、蕎麦の盛り方が良く、とかくよくありがちな、「絡まって手繰りにくい」ということがない。

 蕎麦湯はわざと蕎麦粉を溶くようなことをしていない、澄んで、香りのよい本当の茹で汁であった。おいしいので全部飲んだ。

 品が良く、店も綺麗であった。酒と肴、蕎麦で2千円と少し。安いな、と言う程ではないが、「そんなに高いわけではない」値段で、堪能できる飲み食いであった。

 外に出てみると、日比谷線が止まっていた。霞が関で発煙騒ぎがあったと言う。「霞が関・発煙・地下鉄」などと聞いて、昔の「地下鉄サリン」のことを思い出してゾッとするのは私だけではなかったろう。

 虎ノ門まで歩き、そこから新橋、浅草、北千住、と迂回乗り継ぎをして帰宅。

 平日にしては面白い飲み食いだった。

永田町・国会図書館 → 麻布永坂 更科本店

投稿日:

 「暑さ寒さも彼岸まで」と言うが、本当だ。まるでスイッチで切り替えたかのように涼しくなった。虫の声も大きい。

 ただ、今年の秋雨の強さには閉口する。二百十日(にひゃくとおか)前後にはラッシュのように台風が暴れまわり、被害が出た。水害に遭った人にとっては「天高く馬肥ゆる」どころではあるまい。

 そんな土曜の朝だ。曇り空が重い。だが、垂れ込めていても仕方がない。どうにかして元気を出そうとする。

さえずり季題当番

 先週土曜日にTwitterの「さえずり派」俳句つながりの@donsigeさんから今週のお題当番が回ってきていたので、朝はそれを出題した。

 選んだのは「真夜中の月」で、なんとこれでも立派な見出し季語である。小さい歳時記には載っていないが、5巻本の「角川大歳時記 秋」には載っている

 先週のうちにブログの予約投稿でお題を作っておき、自吟も詠んでおいた。プラグイン「Jetpack」のパブリサイズ共有でツイートされる仕掛けだ。ところが、なぜか自吟だけ日にちのセットを間違えてしまったらしく、昨日ポストされてしまった

 なんともしまらぬことだったが、まあ、しょうがない。

国会図書館

 それから外へ出た。

 「太平記」を読もうと思い、最近刊行だからひょっとしてあるかな、と、近所にある越谷市立図書館の南部分室へ行ってみたのだが、検索用のキオスク端末で調べると、所蔵は市立本館で、南部分室には不在架だった。

 バスに乗って市立本館に行くと、バス代が400円や500円はかかってしまう。それならいっそ、と、結局永田町の国会図書館まで出てきた。市ヶ谷までは通勤定期で出られるので、永田町まで行っても残り2駅ほどしか払わなくてよく、往復でも300円ちょいで済んでしまうからだ。

 時間が11時前で少し遅くなっていたので、岩波の「太平記」第1巻の解説と、原書の最初の一巻をだいたい読んだくらい。

 その際に知ったことがある。Amazon・Kindle本で昔の写本の太平記が読めるが、これは1巻108円する。全40巻だと4,320円で、Kindle本としては馬鹿にならない。

 ところが、このKindle本の案内文を読むと、

「本電子書籍は、国立国会図書館が所蔵し、インターネット上に公開している資料で、著作権保護期間が満了したタイトルの画像データを、Kindle本として最適化し制作したものです。」

 とあって、国会図書館所蔵の古文書であることがわかるのだ。

 しかも、国会図書館で閲覧できるだけでなく、ネットで無料で読めることも判明したのであった。

 そのURLはこれだ。

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 とはいうものの、岩波文庫をテキストがわりにして、ゆっくり字面(じづら)を追うと、同じ文章であることがはっきりとわかるのであった。

 それから韓非子の調べ残しを少し読む。「説林(ぜいりん)」の「上」。この前、自分で書いた()み下し文が正しいかどうか確かめるためだ。結果、どうも怪しく、ところどころ違っていることが分かった。だが、まあ、大体合ってるから、もういいやあ、と、特に厳密に手直しはしなかった。

麻布永坂 更科本店

 午後遅く国会図書館から出てみたら、外は土砂降りの雨で、参ってしまう。朝家を出る時になんとか曇りのまま()つかな、と思ったので、傘を持ってこなかったのだ。

 仕方がない。ともかく、濡れながら歩いて駅に行く。

 今日はひとつ、「砂場」の名店、「巴町 砂場」へ行って見ようかと思ったのだが、ウェブで確かめてみると、土・日・祝は休みらしい。残念。

 それなら、永田町から麻布十番までは3駅ほどだから、そっちのほうへ行って見ようと思い直した。

 一昨日(おととい)、畏友F君と麻布十番の「更科堀井」へ行ったところだけれども、何、蕎麦屋に何度も行ったからって文句を言う人のあるわけでもなし。

 麻布十番には他に有名な2店、「麻布永坂 更科本店」と「永坂更科 布屋太兵衛 麻布総本店」がある。今日は一つ、「麻布永坂 更科本店」のほうへ行ってみよう。

img_4775 「麻布永坂 更科本店」は地下鉄「麻布十番」駅の「5a」出口から出ると、道路を挟んで正面すぐ、首都高に近い角の所にある。立派な店構えだから、すぐにそれとわかるだろう。

 高級なそうな店構えだが、蕎麦の値段なんて多寡が知れているから、物怖(ものお)じせずに入る。御一人様(オヒトリサマ)万歳というところだ。

 同源の他の2店と同様、寛延年間(1748~51)頃創業の老舗だが、建物は昔のものではない。だがその分、清潔で新しい。客室のデザインはかっこよく、手馴れた和装の女の人たちがこまめに世話をしてくれる。

 1階はテーブル席が十幾つか。奥と2階に宴席があるようで、今日は何か、どこかの会社の接待の席らしく、賑やかな一本〆(いっぽんじめ)の声がしている。

img_4779 早速一杯頼む。京都の清新、「澤屋まつもと」。甘からず辛からず、真っ直ぐの純米酒である。程好(ほどよ)く冷えて、疲れが取れる気がする。

 通しものには一昨日行った「更科堀井」と同じ、名代の更科蕎麦を軽く揚げて塩味を付けたものが出た。

img_4782 肴に、私のいつもの蕎麦屋でのならい、焼海苔を頼んでみる。

 他店より大きな炭櫃(すみびつ)、大きな切れで出てきた。火もほどよく熾っている。

 ただ、海苔の味は、他所(よそ)のほうが旨いように思った。

 そうは言うものの、炭櫃の蓋を閉めておけば、焼海苔は雨にもかかわらずよく乾き、歯応えも香りもどんどん良くなっていく。旨い山葵(わさび)(つま)んでは直接口に入れて味わいつつ、これまた旨い醤油を焼海苔にたっぷりとまぶし、味わいながらゆっくりと1合をのむ。

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 一杯ほど酒の残った頃おいに、「もり」を一枚頼む。

 「更科堀井」ほど白くはないが、間違いなく「更科」独特の、肌の白い、しなやかな蕎麦である。蕎麦(つゆ)は濃くはなく、あっさり、すっきり、はっきりとした旨いものだ。

img_4786 蕎麦をすっかり手繰り終わって、あとは蕎麦湯をゆっくり飲む。よく蕎麦粉の溶けた、重湯(おもゆ)のように濃い蕎麦湯で、飲みごたえよく、満足した。

img_4789 わかりやすい場所にあり、店は清潔である。肴や酒の種類も多く、堪能できる店だ。

 また、最近の東京の有名店の例に漏れず、白人が「ソバ・ランチ」を試みていたりするのも、まあ、珍しく面白いと思えば、逆に楽しい。

焼き海苔 400円
澤屋まつもと純米(京都)1合 720円
もり 880円
合計 2,000円
他に、通しもの、揚げ蕎麦

 合計2000円、多少高いが、払って惜しい値段ではなく、道楽にちょうど良かった。

 天気の(すぐ)れぬことはこのところ数日と同じで生憎(あいにく)だったものの、名店は(たず)甲斐(がい)があり、良い気分で過ごすことができた。