時事訥々(とつとつ)

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ウイルスはウイルスでも

 新型コロナウイルスの蔓延による在宅ワークの急増で、管理されざる私物PC、つまり限りなくシャドウITに近いBYODと、そこからの通信トラフィックが増加していると思われる。

 悪人は何でも使う。これを見込んで、コンピュータ・ウイルス、マルウェア、ハッキングが横行するだろう。

 テレワークをやれと言われるのは必ずしもIT強者だけとは限らぬ。よくわからないまま、変なURLにアクセスしてしまったり、よく確かめないまま慌ててビデオチャットシステムと思い込んで変なソフトをインストールしてしまったり、また外出自粛の一方でAmazonなど通信販売を多用した結果、ついAmazonを(かた)るフィッシング・メールを踏んでしまったりするかもしれない。また、企業や官庁で枢要な地位にある者は、会社や庁舎でよりも、自宅での方がいわゆる「APT攻撃」(Advanced Persistent Threat)に()うリスクは増大すると思われる。

 私も気を緩めず、自宅のコンピュータ・セキュリティを一新する所存である。それもあって、先日のようなドタバタもあったのだ。

やっぱりアホなんだよ、この人たち

 そりゃまあ、5万人もの人が亡くなり、これは朝鮮戦争の戦死者の数をゆうに超えるというのだから、(わら)をも(すが)る気持ちになるのはわかる。しかし、消毒薬なんか飲んだり()ったりしていいわきゃネェだろ。

 米国人ってのは冗談好きで人のいい(ほが)らかな国民性だと思っていたが、もはや冗談もわからんのか、冗談も。

Torbjörn(トービヨルン) Åhman(オーマン)

 この人、本当にいい感じなんだよねえ……。ところどころ挿入される、北欧スウェーデンの長閑(のどか)で美しい自然や行事の様子も素晴らしい。

 スウェーデンは相当新型コロナウイルスの被害が著しいと聞く。どうか無事であってほしいものである。

Black Beard Projects

 この人もまた、なんだかマニアックなものを作っている。面白い。

時事放言

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必ずしも(ジジ)(ババ)キラーというわけでもないようだ

 高齢で治癒したということはめでたいことである。この方の今後の幸福を祈りたい。

思ったよりもマシ

 今日は東京都200人超えの報を聞くかな、と思っていたから、まだしもだった。

なぜ米国人はこのような目にあわなければならないのか

 亡くなった無辜(むこ)の米国人の冥福を祈り、盟邦(めいほう)の国民の一人として、悲しみをともにするより他はない。

 しかし、()えて言えば、世界最強最先端を誇示する米国人が、なぜ電子顕微鏡をもって拡大しなければ見ることも(あた)わぬようなちっぽけなウイルスに襲い掛かられ、かくもバタバタと死ななければならないのだろうか。

 これを当の米国人たちは、その因果に思いを巡らして反省すべきなのではないか。

 つけつけと言い(つの)ろう。所謂(いわゆる)「9.11」に報復するに、一部の過激思想家とは何の関係もなかったアフガンの多くの一般人、保有していない核兵器への言いがかりでどれほどのイラクの一般人、そしてシリアで、いや、もっと言うならベトナムで、長崎で、広島で、大阪で、東京で、どれほど多くの「なんの罪もない人」を「自分たちの手で」殺したか、米国人はよくよく反省するがいい。それらは天然現象などではなく、米国人の意思と手によってなされたことだ。

 新型コロナウイルスは違う。厳しく言って、米国人の白人エリート、すなわち筋金入りの清教徒由来の人々らが信じている「神」が、いまやウイルスの姿となって顕現(けんげん)垂迹(すいじゃく)したのだと知るがいい。

 こんなことを言い捨てたところで、それこそゴミのような一言に過ぎず、世界が変わることはない。米国も何も変わるまい。このウイルス禍が過ぎ去った後、経済を復興させるため、米国は()りもせずまた戦争をするだろう。あるいは中東では(あきた)らず、再びアジアに魔手を伸ばすかもしれない。恐ろしいことだ。野望、(いな)、非望である。

 米国の野望は断固としてこれを(くじ)くべきではあるが、日本にはそうするだけの力は、残念ながら、ない。したがって、巧妙・機微に立ち回り、詐術などの手段を用いて、「日本だけが無関係かつ安全に閉じこもっておれる」ようにするのが次善だろう。更にそれが駄目なら、今度は逆に米国が行う殺戮(さつりく)に加担し、戦勝国の側に並ぶことが次々善だ。それだけの覚悟が、日本人にはあるだろうか。

ESRI、なかなかいい仕事してる

 しかし、なんというか、チトゴチャゴチャしてるよな。

いや、私はいいと思う。

 安倍総理のツイートが批判されているという。それが右のツイートである。

 シンガー・ソング・ライター星野源氏の音楽に合わせて、自宅で静かに過ごしてもらいたい、という趣旨のことを訴えているわけである。

 私はこの映像に対する批判は当たらないと思う。内閣総理大臣自らなんとかしようと訴える至情にあふれているのではなかろうか。それに、当意即妙、なかなか品があり、よく出来ているではないか。

 一国の内閣総理大臣ともあろう人が、タレントや俳優の真似事までして、そこまでして何とか無用の外出を控えてもらおうとあの手この手を尽くしている、そういう誠意が伝わってもくる。少なくとも、私には伝わった。

 そのようなわけであるから、私はこの首相のメッセージを批判する立場の人と、残念ながら、永久に分かり合えそうもない。多分、向こうから見れば私は宇宙人とか汚物同然なのであろうし、私から見ると彼らは異物、鉱物とか液体、昆虫などに見える。

 だから、お互い無関係に、分かり合うことなく幸せに別々の道を行きたいものである。


時事漫擲

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宮城まり子氏死去

 新型コロナウイルスのニュースばかり見ていて、もう10日以上も前のこのニュースに気付かなかった。

 宮城氏と言えば、畏し、皇室との縁も誠に深かった。祈冥福(めいふくをいのる)

今日はホンマに終わっとるな……

 うっわ~、明日あたり、200人はいくなァ……。

おっさんw

 「w」なんて末尾に書くのは不謹慎というものだろうが、しかし、なにやら色々と考えてしまう。

 だって、そりゃあ、オッサンは外へよく出るからなあ。……自分の意志であろうとあるまいと。病気にだってなるというもので、それをまるで「オッサンは不潔だ」みたいに言われると腹が立つ。病気のリスクを背負いながら一生懸命働いてンだよ。

経験

 経験上、こういう時に限って別の甚大災害が起こる。弱り目に祟り目と言う奴だ。

 祈ったって無駄だ。宇宙は我々の精神など問題にしていない。

 台風はまだ予測可能だとしても、大地震はまだまだよく予想が出来ているとは言えない。明日、いや、今日、いや、今、大地震が襲ってくるとすれば如何に。

だったら貰うな

 だったらマスクもゼニカネも、一切何も貰うな馬鹿野郎。文句ばっかり言ってやがって。

う~ん、難しいなこりゃ。

 この非常時に髪の毛如きの心配なぞしているような奴は無視でいいと思うが、しかし、街の床屋さん、理髪師さん、美容師さん、また髪の毛を含む容貌が売り物のモデル、俳優、タレントなど、理髪店や美容院が閉店では普通の人が思っているよりも打撃の大きい人もいるだろう。確かに困ると思うが、だからと言って名案もない。

 私ですか?私は幸い、去年から電気バリカンを使って、自分の頭を自分でモヒカン刈りにしているんで、全然困らないっすよ。……最寄りの理容店は売り上げが一人分減りましたけどね。

 ギャーギャー言うなら、(はさみ)でも剃刀(かみそり)でも何でも使って、自分の頭や顔くらい、自分で始末するといい。

米国の方が怖い

 緊急事態と言う事で考えを巡らすと、新型コロナウイルスと、米国による空襲と、どっちが怖いかというと、米国の方が怖い。アイツら、人間じゃねえからなあ。コロナウイルスの方がマシだ。ということはつまり、「アメリカ人の言う事にはおとなしく黙ってハイハイ言っておくのが良い」ということにもなるわけだよ。

 腹立つなあ。

 北鮮?……米国よりゃまだカワイイもんでしょ。

アホかい

 「わが目を疑った……」って……。

 このラサール何とか言う男のことはよく知らないが、多分有名人なのだろう。だが、こ奴は頭がおかしいのではないだろうか。何でこの男はその場にいて、それを自分の目で見てたんだ。この男は何をしにその駅前50メートルの密集地へ出かけて見物してその様子をレポートしているのか。いい加減にせんかいこの馬鹿者。

時事雑挙

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そんな無茶苦茶な

 いやー、……。

 こ、これは、あるかないかで言えば、「ナイッ!!」だと思う。まあ、報道ではわからないいろいろなことがあるのだろうが……。

国会をデジタル化すべし

 杉田水脈女史の野次内容や主張がダメなのではなく、国会の全ての野次がダメだ。不規則に発言し、国会の秩序を乱す者は、直ちに免職されてしかるべきである。もし学校でこのような者がいたら、教師や親はこれにどのように対するかを思い見るがよい。

 だがしかし、国会における野次は、正規の質問や答弁とは違う次元で、国民から選ばれた者が微力ながらも意見の一部を表明するため許された行動乃至(ないし)言論でもある。だから直ちに圧伏し禁止する、というわけにもいかないことは、私もこれを知る。

 考えるに、議員や代議士が百論を百出し、あらゆる言論を尽くすには、衆議院で465人、参議院で248人という多数の人がさながら烏合の衆の如くガヤガヤと集まる国会議事方式そのものに無理があるとは言えないか。

 かくなる上は、議事堂内にデジタル装置を備え付け、全議員が同時にデジタル発言をできるようにすべきだ。これらデジタル発言は、厳密なる個人認証のもとですべて記録・保管される。口汚い罵りも許容し、議事録の中にリンクでその発言を埋め込めばよい。

 あらゆる国民がそれにアクセスでき、誰がどのように考えているのかを後々追跡検証(トラック)できるようにするとよい。

 そこまで考えてきてふと思い当たったが、もはや国会議事堂など不要ではあるまいか。国会はバーチャルのほうがよくないか。厳密なる個人認証のもと、全部ネット上で議論すれば、誰が言った言わないなどと不毛な論議で時間をつぶすことなどなくなる。

愚か者めがッ!!(笑)

 また白だの黒だのと。「ホワイト」などという言葉の響きに喰い付く連中が大騒ぎするのだろう。

 ……いかにも大味でガサツでもののわからぬアメリカ人好みの論よのうッ。見ろ中川ッ!手が汚れてしまったではないか愚か者めがッ(笑)。

所詮キリスト教の道徳如きこんなものである

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 まあ、そんなもん、キリスト教徒とかアメリカとかGLBTとかLGBTとか言うてもね、そんなもんアンタ、こんなもんですわ。カスの集まりですわそんなもん、ええ、ええ。ハハハハ。

銃異聞

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 アメリカでの乱射事件を受けてこういう記事もある。

 しかし日本で朝日がこんな記事書いてもしょうがないことで、次のようなことと併せて見てみないといけない。但しこれは前回のラスベガス事件の時の記事ではあるが……。

 実際のところアメリカ人はビクともしていない。乱射事件も戦争も、田舎のアメリカ人にとっては他人事である。

モデル叩いたって朝鮮叩いたってしょうがねェだろ

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 なんだか、水原希子というモデルとサントリーのプレミアムモルツのプロモーションの組み合わせが気に入らない人がいて、ツイッターで悪口なんか言うものだから、それがちょっと話題になっているようだ。

 頭の悪い好戦右翼である私は、この「リテラ」ってサイトがあんまり好きではないのだが、それにしても、ねえ。そんな私ですら、これはリテラの記事に一理あると思うよ。……まあ、スクリーニングや体系化のプロセスを経た紙媒体から本質ニュースを掴む、というサイトの主義姿勢からは大きく離れ、Twitterで踊っているというところが、この記事のちょっとアレなところなんだけどね。

 右が問題のTwitterのタイムラインとリプライなどだ。リプライはクリックすれば見られる。

 いま現在これを見ると、ボロカスに言ったとされるヘイト・ツイートはそれほど目立たず、むしろ水原希子側に立つツイートに埋もれて見つからないくらいで、一体誰がヘイトなんかやってるんだ、むしろ差別主義者なんて弱小勢力なんじゃねえのか、……などとも思えるが、さておき。

 いやもう、よくこんなことで盛り上がれるな、と思うねえ。ほんと、しょうがねぇなあ。いや、水原希子が政治家だとかなんとか言うんだったら話は別だよ? けど、そうじゃないだろうが。むしろ、逆に炎上気味を狙った製品プロモーションなんじゃねえかとすら勘繰ってしまう。

 モデルや女優なんてものの本領は、美しく目立ってセリフが回って演技が良くって人気がありゃあそれでいい。それが彼ら彼女らの至上命題、任務であって他の事はどうだっていい筈なんだ。多少の社会的な影響を考えて身持ちや慎重さなども要求されはしても、そんなこたァ芸能事務所や媒体が外側から勝手に管理すればいいことだ。タレント風情ごとき、政治家や倫理学者や思想家じゃねえんだからさ。モデルや女優なんか、アメリカ人だろうと朝鮮人だろうと、誰だっていいし、何を言おうが発表しようが勝手だ。その点、水原希子なんて人は、100点か90点かはわからんが、ともかく優秀な才能だろうよ。

 この「天皇陛下バンザイ」な私ですらそう思うんだからさ。

 ただ、この水原希子ってモデルさんも、ミョーに思想的なことなんか言わなければいいのに、ねえ。以前の靖国神社一件騒動に関するコメントとかさ。ほっとけよ、違う考え方の人なんか。どうして芸能事務所の方でそういうことが漏れ出たりしないように管理してやらんのかね。若い女なんだから、失言とか恋愛とか主義主張とか思想的な傾きとか、そりゃいろいろあるだろ。それが彼女の仕事になんの関係があるんかね。プレミアム・モルツの、肉をほおばってビールを飲む映像を見てみなよ、職人と言えるほどの完璧な仕事じゃないか。

共感は誰に

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 先日「野菊の墓」をはじめて読んで、その沁々(しみじみ)とした美しい悲しみと読後感に魂を洗われる思いがした私である。

 せめて中学生の頃にでも読んでいればよかったと思うが、迂闊なことに、50歳にもなって初めて読んだ名作文学だ。

 読んでみて、ふと思ったことがある。

 それは、この小説を翻訳してアメリカ人に読ませた場合、彼らはこれを理解できるだろうか、ということだ。

 アメリカ人なら「そこでなんで好きって言わんのだ」「なんでここで無理やり結婚ってことになるんだ、しかも15歳(満年齢)なんて子供じゃないか」「児童虐待、差別だ」と言うと思う。「あー、違う違う、そこはツッコむところじゃなくって……」などと説明しようとしたところで詮ないことだ。

 アメリカ人どころじゃない、下手すりゃ、現代日本人だってダロ勘でザッと3割くらいの人はそんな感想を持ちそうな気がする。

 彼らに言わせれば、さしずめ、

「ほんの100年前ですらジャパンは未開の蛮地だった。今のアフリカや中東と同じように強制的な児童婚が行われ、女性の学問も制限されるなど、おぞましく、(さげす)むべき後進性だ」

……などと言ったところだろう。

 違うんだ、そうじゃないんだ。進んでいるとか遅れているとかそういうことではないんだ。それぞれ違う次元に住み、歴史を経てきたんだ、……だが、そんな説明など、虚しいものだ。

 そこで更に考えたことだが、これを翻訳して読ませた場合、共感するような精神を持った人々がいる国はどこにあるだろう。そう考えてきてみると、韓国人・朝鮮人にはわかってもらえるのではないか、と思い当たる。文化的なもの、例えばドラマや音楽でも、前時代的なウェット感など、日本人と朝鮮人は似たようなものに感動するところがある。

 しかし、似たり寄ったりの両国民なのに、些細な違いをあげつらっては、2千年にわたって互いに激しく憎み合っている。多分、今後も永久に解り合えはすまい。誠に残念なことである。

正義の国、てw

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 以前、こんなことを書いたことがある。

 どう考えたって正義からほど遠いような殺戮の嵐に正義の看板をあげたがる、そういうのが嫌なのだ。正義正義言って他人に無理強いを持って来る、そういう人も嫌いなのだ。

 ところが、今日FB見てたら、いやもう、「アメリカは正義の国」という言葉が見えて、吹き出してしまった。

(誤解のないよう書き添えすれば、このサイトさんは「アメリカは正義の国です」などと主張しているわけでは決してない。そういう言葉が文の流れの上で出てくるというだけだ。この記事自体は「いろんな意見があるが、それでも、人類は誠実に平和を希求していくのだ」ということを言っておられるものと理解できる。そのことに私は何ら異存はない。)

 私流の「正義」というコトバ理解だと、「アメリカは正義の国」なんて言うのは「アメリカはガキの国」って言っているのと同じってことになるんだから。

 かえすがえすも、アメリカに正義正義言われると、なんっか、ハラ立つんだよな。

 ゴミ捨てよろしくそういうようなゴタクをダラダラネットに放流というか投棄していたら、ふと気づくと、この前作った核実験場訪問動画の広告収益が無効化されている。

 いや、まあ、アメリカ人はバカとか言っているそばからアメリカン・システムで小遣い稼ごうという私も(ずる)いっちゃあ狡いが(笑)、なに、あれ。突然収益化無効はなかろうぜ。

 ひょっとして、動画の中で「アメリカ人はバカ」って言ってるのが向うのシャクに障ったのかしらん。

 そういや、以前、ツイッターでキリスト教批判をしたら、ツイート消されたことがあった。で、抗議したら、しばらくしてから「いや?消えてないですけど?」という返事が来て、確かめたらいつの間にか見れるようになっていた。知らん間に消して、知らん間に戻しやがったコイツ、と思った。

 そういうシステム管理って、多分、何か名前があるんだと思う。苦情が来てから「いや、何も処置はしてないですけど?」ってすっとぼけるような。……実は、私にも身に覚えがあるのだ。……細部は書きませんが(笑)。

リンドバーグ第二次大戦日記(上)・(下)概見メモ

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リンドバーグ第二次大戦日記(上)・(下)
THE WARTIME JOURNALS OF CHARLES A.LINDBERGH:
Charles A. Lindbergh
Original copyright:Charles A.Lindbergh
This book is published in Japan by arrangement
with Harcourt Brace Jovanovich through
Charles E.Tuttle Co.,Inc.

チャールズ・A・リンドバーグ 新庄哲夫訳
発行昭和49年(1974)1月30日 新潮社

 先日、この本の内容に少しばかり触れたところ、なぜか興味を持つ人が多かったようであったので、特にリンドバーグが赤裸々に書いた下巻の該当箇所を抜書してみようと思う。

p.522

(1944年)6月21日水曜日

 日本兵士殺害に関する将軍の話──数週間前のことだが、最前線のさる技術科軍曹が、もう2年以上も太平洋地域で戦闘部隊と行をともにしながら、ついぞ実戦に参加した経験がなく──帰国する前にせめて一人だけでも日本兵を殺したいと不平を漏らした。軍曹は敵の地域内に進入する偵察任務に誘われた。

 軍曹は撃つべき日本兵を見つけられなかったが、偵察隊は一人の日本兵を捕虜にした。今こそ日本兵を殺すチャンスだと、その捕虜は軍曹の前に引き立てられた。

「しかし、俺はこいつを殺せないよ!やつは捕虜なんだ。無抵抗だ」

「ちぇっ、戦争だぜ。野郎の殺し方を教えてやらあ」

 偵察隊の一人が日本兵に煙草と火を与えた。煙草を吸い始めた途端に、日本兵の頭部に腕が巻き付き、喉元が「一方の耳元から片方の耳元まで切り裂かれた」のだった。

 このやり方全体は、話をしてくれた将軍の全面的な是認を受けていた。私がそのやり方に反対し、どうしても捕虜を殺さねばならないのなら疚しくない、蛮行に非ざる方法に訴えるべきだと主張すると、私は悠然たる侮蔑と哀れみの態度に接した。「野郎どもがわれわれにやったことだ。奴らを扱うたった一つの方法さ」

p.523

(1944年)6月26日月曜日

 談たまたま捕虜のこと、日本軍将兵の捕虜が少ないという点に及ぶ。「捕虜にしたければいくらでも捕虜にすることが出来る」と、将校の一人が答えた「ところが、我が方の連中は捕虜をとりたがらないのだ」

「 * * * * *では2千人くらい捕虜にした。しかし、本部に引き立てられたのはたった百か二百だった。残りの連中にはちょっとした出来事があった。もし戦友が飛行場に連れて行かれ、機関銃の乱射を受けたと聞いたら、投降を奨励することにはならんだろう」

「あるいは両手を挙げて出て来たのに撃ち殺されたのではね」と別の将校が調子を合わせる。

「例えば * * *隊だが、かなり残酷なやり方で切り刻まれている隊員の遺体を発見した。それ以来、連中は日本兵をさほど多く捕虜にしなくなったと考えて間違いない」

 話は次いで空中戦や落下傘脱出に移る。一座の操縦士は一人残らず、落下傘で降下中の敵のパイロットを撃ち殺して差し支えないと主張した。もっとも、自分ならそんな真似はしたくないと断わる者が数名いた。「これも、最初はジャップの方からやり出した。奴らがその手を使いたければ、われわれ
にだって同じ手が使えるということだ」。落下傘にぶら下がったまま、日本軍に撃ち殺されたアメリカ軍パイロットの話が幾つか披露された。

p.524

( 1944年)6月28日水曜日

第475飛行連隊の将校連と夕食、夜を共に過す。話題は今夜もまた、戦争や捕虜、記念品のことに及ぶ。我が将兵の態度に深い衝撃を覚えた。敵兵の死や勇気に対しても、また一般的な人間生活の品位に対しても、敬意を払うという心を持ち合わせておらぬ。日本兵の死体から略奪したり、略奪の最中に死者を”野郎(サノヴァビッチ)”呼ばわりしたりすることも意に介さぬ。
(中略)
「ま、中には奴らの歯をもぎとる兵もいますよ。しかし、大抵はまず奴らを殺してからそれをやっていますね」と将校の一人が言い訳がましく言った。

p.532

(1944年)7月13日木曜日

 ……話が日本軍と我が軍が犯す残虐行為に及んだ。我が軍の一部兵士が日本捕虜を拷問し、日本軍に劣らぬ残忍な蛮行をやってのけていることも容認された。我が軍の将兵は日本軍の捕虜や投降者を射殺することしか念頭にない。日本人を動物以下に取り扱い、それらの行為が大方から大目に見られているのである。われわれは文明のために戦っているのだと主張されている。ところが、太平洋における戦争をこの目で見れば見るほど、われわれには文明人を主張せねばならぬ理由がいよいよ無くなるように思う。事実、この点に関する我々の成績が日本人のそれより遥かに高いという確信は持てないのだ。

p.558

(1944年)9月9日土曜日

……アメリカ軍の戦死者は個別的に埋葬されたが、日本軍の戦死体はトラックに積み込み、ブルドーザーが掘り返した大きな穴に放り込んだ。
(中略)
 将校の話によれば、穴の中の遺体を「ブルドーザーにかける」前に、何人かの海兵隊員が遺体の間に分け入り、ポケットを探ったり、金歯探しに棒で口をこじ開けたりした。金歯を仕舞い込む小袋を持っている海兵隊員さえいた。その将校はさらに、耳や鼻を切り落とされている日本軍の戦死体を幾つか見たとも言った。「兵が耳や鼻を切り取るのは、面白半分に仲間に見せびらかすためか、乾燥させて帰還するときに持ち帰るためですよ。日本兵の首を持っている海兵隊員まで見つけましてね。頭蓋骨にこびりつく肉片を蟻に食わせようとしていたのですが、悪臭が強くなり過ぎたので、首を取り上げねばなりませんでした」。行く先先で聞かされる似たり寄ったりの話だ。