日曜日の宵

投稿日:

 世間では日曜日の宵を「サザエさん症候群」とか「大河ドラマシンドローム」などと言って惜しむようだが、私はどちらも見る習慣がないから、あまり共感は覚えない。日曜日は早い目に風呂に入り、子供たちには「オイ、さっさとテレビを消せ。寝ろ」などと訓戒の一つも与え、明日の仕事の事でも考えながらさっさと寝るに限る。

 そんな折には慣れた寝酒の一杯もあれば、これほど幸せなこともない。

 無造作にハイボールを作ったら、どういう加減か、いつもより大変旨く、思わず妻に「かーちゃん、一口、ひとくち」と声をかける。飲ませてみたらやっぱり「うんうん、おいしいおいしい」と言う。

 いつものウィスキー、いつものソーダ、なんにも変わらないのに、何が違うのか、さっぱり謎だが、やっぱり旨いものは旨い。

立待

投稿日:

 今日は旧暦五月の立待月(十七夜)である。立待月は狭義には旧暦八月の十七夜のことで、仲秋の名月の二夜後だが、広義には普通の十七夜のことをこう呼んでもよい。

 気象庁から「梅雨入りらしい」という発表があったのは先週のことだが、暦の上の「入梅」は今日で、名実ともに梅雨入りしたと言えるだろう。

 それにしても雨が降らない。今のところ空梅雨らしい。一昨夜も昨夜も晴れて、夕方には月が綺麗だった。昨夕など気圧が下がったか、水の匂いがして風向きが変わり、遠雷が聞こえ、頭上に積乱雲が成長する気配すらあったが、結局私の周囲には雨は降らなかった。その後晴れて、暑い夜になった。

 こんな夕方には明るいうちに風呂をつかうにかぎる。

 さっさと汗を流したら、冷蔵庫から氷の塊を出してカチワリをたくさん作り、ウィスキーを飲むのが良い。飲み慣れたバランタイン、ひと瓶千円しない。風呂上がりに飲むなら、(つまみ)も水もいらないや。

 あちこちの植栽の、花皐月(さつき)のよっぽど遅咲きのものもそろそろ(しお)れた。少しすれば盛夏、ある意味また別れと出会いの季節である。

一杯

投稿日:

IMG_3950 早々と入浴してしまう。真っ青な空を背景に、白く輝く入道雲の峰がむくむくと大きくなっていくのが、開け放った風呂の窓から良く見える。写真は風呂の窓からではなく、南向きのリビングの窓から撮ったものだが、なんだか映画「ゴースト・バスターズ」のマシュマロマンみたいな形で、文字通りの入道雲、面白い。顔まで憤怒相の金剛力士像みたいに、怒ったように見える。「ガーゴイル家族」のガーゴイルの顔にも見える。

 クーラーをかけて、いつもどおり氷の塊を冷蔵庫から取り出し、カチワリを沢山作る。IMG_3949

 いつもの酒、指五本分、ケチケチせずにたっぷり注いでやり出す。至福至福。

28.07ブログ記事100件 なんだか今月は、ブログにどうでもいい文字列を書き殴ることが多く、気が付くと細かいエントリを100個も書いてしまったようだ。

 事情により、休日なども家でじっとしていなければならない日が多く、いきおい、読書をするかウェブサーフィンをするか(文字列インプット)、ブログを書くか(文字列アウトプット)、どっちかしか無聊を紛らす楽しみごとがないからである。

 不肖私こと佐藤の特技は、意味のない文字列であれば無限に出力し続けることができることだ。

 しかし、面白いことを書けとかテーマに沿った論説を書けとか他人の文体を模写しろとか、そういうプロっぽい縛りがあると途端にダメになってしまう。だから、この特技を生かしてライターになるとか小説を書くとか、そういう商売はできそうもない。

 恥ずかしながら若い頃、小説の新人賞に応募したことがあったが、箸にも棒にも引っ掛かるものではない。そりゃあ、私は芯から面白い人物というわけでもないので、当たり前である。

 さておき、忙しかったとはいえ、今月は映画を二つ(「帰ってきたヒトラー」と「シリア・モナムール」)見に行けたのは僥倖(ぎょうこう)だった。

 最近は子供たちも大きくなってしまい、子供たちは子供たちで自分の見たい映画を勝手に見に行くようになった。それで、以前のように、私は()いて子供向きのディズニー映画などを見に行かなくてもよくなった。楽だが、こうして子供も離れていくんだなあ、と思う。まだ寂しいとは思わないが、しかしなにやら()()みとはする。

一杯

投稿日:

 今日、映画を見る前に映画館の近くのサイゼリアでペペロンチーノをすすり込んだ。まったく、貧乏人の味方、サイゼリアはありがたい。「そういう程度」と思って食うと、意外、値段よりも旨いんですよ、あそこ。399円なんですけどね。

 同様に、あそこには意外に安くてうまいワインがあるので、一杯いったろうかいと思ったのだが、上映中に絶対寝てしまうと思ったので、飲まなかった。なんせ、徹夜明けで日光が黄色いぜ、というような体たらくだったから。

 帰ってきて参議院の投票をすませる。まず、今日の夜更けの酒の肴は開票速報に決まっている。私ですか?私は右翼で、自衛隊が人を殺して何が悪いと(うそぶ)くような糞野郎ですからね、自民党に決まってまさァ旦那、けっけっけ。もうね、何か、申し込んでおいたら、10年くらい続けて、全部自民党に自動的に入れておいてくれるような業者かなんか、ないもんですかね。もう、ソレ一本に決まってんですから私なんか。

 あっさりと行水をつかい、冷凍庫からいつも通り、氷の塊をとりだしてカチワリを沢山作り、今日見た映画のパンフレットと、ラックに置いてあったほかの映画のパンフレットで一杯。

IMG_3915

 今日見た「シリア・モナムール」のパンフと、興味を覚えて持ってきたのは「人間爆弾 桜花 特攻を命じた兵士の遺言」。これは8月の上映だという。

 指1本2本とケチケチせずに、指5本分ドップリ注ごうぜアミーゴスww。もうすぐ開票だぜ、キッシッシ。

梅雨のフロート

投稿日:

 雨の匂いはするけれど、簡単には降り出さない。暑い曇りの一日になった。私の住む越谷市は、日本でも有数の暑熱の街で、何年かに1回は南国・那覇をもしのぎ、暑さ日本一となる。さすがに暑熱王国の群馬前橋や、埼玉熊谷には一歩譲るのだが……。

 そんな日曜日の午後である。

 以前、友達が「フロート」というウィスキーの飲み方が好きだと言っていたのを思い出した。

 フロートの作り方は簡単だ。ミネラルウォーターをタンブラーかロックグラスにほどほどに入れ、少しステアし、10秒がところ冷えるのを待つ。そこへ後からウィスキーを注ぐ。この時、ミネラルウォーターと混ざってしまわないよう、そっと注ぐのだ。そうすると冷水との比重の違いにより、美しいグラデーションのシンプル・カクテルができる。

IMG_3884 使うウィスキーはバーボンでもスコッチでもよいが、グラデーションの美しい色合いを楽しみたければ色が濃い方が面白いので、樽色の濃いバーボンのほうがいいかもしれない。

 これはガブガブ飲むものでもなく、いい匂いを楽しみつつ、文庫本の一冊も手元にもってきて少しづつ飲むのだ。しばらくして喉元に(ほの)明るい蠟燭の灯火(ともしび)のようなものが(とも)る頃、不意に澄んだ水の味がして、あっさりさっぱりとする。カクテルの一分類である割にはカロリーも少なく、洒落ている飲み方だと思う。なにより、旨い。

 暑い中、かちわり氷を砕いて、いつもの酒でフロートを作ってみる。

 ()し方、反省と言うのでもなく、だがいろいろと考えるところ多し、である。

「さえずり季題」の当番がまわってきたので

投稿日:

 今日は「さえずり季題」の出題当番がまわってきたので、時季もよし、と思い「入梅」にした

 ところが、関東地方は今日、梅雨の晴れ間で、好日ではあるものの、ガチンガチンの日照りである。室温は31度を超え、黄昏どきまでにはもう少し上がりそうだ。

 どれひとつ今日の飲み料でも、と、外へ出ると陽が中天にカッと熱く、眼の奥が光にじんと痛む。道すがら、家々の玄関先に紫陽花(あじさい)が咲いている。いつもならぼんやりと雨に煙る風情のはずが、烈日で色も鮮やか、クッキリと空の青だったり百日紅のような赤だったり。紫陽花ってこんなコントラストのある花だったかしらん、と面白く思う。

 結局、今日もウィスキーにしようかね、馬鹿のひとつ覚え、バランタイン924円でいいや、と。かちわりをロックグラスの直径一杯の大きい目に欠くのがよい。たっぷり注いで、あんまり薄まらないうちの、よーく冷えたところがいいよな。