宇都宮の餃子を喰うなど

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 暑いことは暑いのだが、気持ちの上でとはいえ「立秋」の声を聞くと、なにやら蝉の声も弱り加減に感じ、また折から雨は降らぬまでも曇り空の続く気配、そうすると蒸し暑くはあるけれどもギラギラと刺すような日差しに()かれることはなく、ほんとうに(かす)かではあるが、そこに秋の気配を見出す心地がする。

 そんな今日この頃、何日か前のこと、食欲の秋を先取りしたいわけでもないが、急に「宇都宮名物の餃子を食べたい」と思ったのである。宇都宮と我が家は遠いようで実はそんなに遠くない。東武鉄道でスッと行ける。それで、妻と一緒に宇都宮へ行き、他のことは何もせずに帰ってくることにした。日にちは今日と決まった。

 しかし、本当に餃子だけ食べて帰ってくるというのも物足りないから、有名な「二荒山(ふたあらやま)神社」に参詣などもすることにした。

 日光にも「二荒山(ふたらさん)神社」というのがあるが、宇都宮のほうは同じ漢字で「ふたあらやま」と()むのだそうである。

 さて餃子のほうだが、どんな店があるのかさえなんだかよくわからないから、有名な「宇都宮みんみん」という店に行ってみることにした。ネット情報によると、二荒山神社にほど近い「玄舗」、宇都宮みんみん本店は常に行列であり、なかなかスンナリと味わわせてはくれないそうで、その代わり、JR宇都宮駅の駅ビルの中にある分店「宇都宮みんみん・ステーションバル」はそこそこ空いていて穴場だという。

 新越谷の住まいを9時すぎに出ると、11時半にはJR宇都宮駅頭に降り立つことができる。東武スカイツリーラインで久喜まで行き、そこからJRに乗り換えて宇都宮まで行くのだ。

 JR宇都宮駅はステーションホテルの「ホテル アール・メッツ宇都宮」と一体になっており、目的の「宇都宮みんみん ステーションバル」はその3階にある。この「ステーションバル」の真向かいに「築地喜代村 すしざんまい」と並んでノーマルの「宇都宮みんみん ホテルアール・メッツ店」がある。事前情報がないとどちらに入ろうか迷ってしまうだろう。私の得た情報によれば、

  •  宇都宮の餃子はどの店も行列である。
  •  そんな中、当然名店「みんみん」も、どの支店へ行っても混んでいる。
  •  しかし、「ステーションバル」は穴場で、比較的空いている。
  •  向かいのノーマル「みんみん」との違いは、
    •  「バル」と言うだけあって酒の種類が豊富
    •  シックな店内
    •  揚げ餃子がない。

……ということらしい。

 そんなふうに予定を立て、9時過ぎに家を出、11時半には店についた。ところが、もう既に10人以上の行列である。待ち時間30分というところだったろうか。

 さっそく妻と焼き餃子2人前、水餃子2人前、ビールを2人前。

 いやもう、安い。一皿200円かそこらなのである。多分当地の中学生なんかは親に隠れて学校帰りのおやつに餃子を買い喰いしているのではあるまいか。大阪生まれの私は、中学生の頃それが「タコ焼き」であったものである。近所で一番安いところが100円で10個入りであった。

 さておき、そして、この餃子、旨い。あと5皿くらい喰っても飽きないだろう。ごくごくシンプルな白菜と挽肉、控えめな大蒜(にんにく)の薬味香。

 ああ、旨かった。

 それから、有名な二荒山神社に詣でる。


 二荒山神社の東脇のすぐそばに「みんみん」の本店があり、その本店のある通りは餃子屋がひしめいていて、通称「餃子通り」というのだそうである。

 帰りは東武鉄道で帰ることにし、市街を東から西へ通り抜ける。思いのほか大きく立派な市街である。

 娘どもにお土産を買い、帰宅した。ちょうど17時くらい。

 夜、娘どもとスタジオジブリ・高畑勲のアニメ「かぐや姫の物語」を見る。

日光

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 ゴールデンウィークのはじまりだ。家族で日光へ行った。一泊二日である。

 初日、ゴールデンウィークの渋滞を避けるため、5時に起きて6時に出発。前日の交通情報では東北道は30キロは渋滞するであろうとのことであったが、朝早く家を出たので、まったく渋滞はなく、余裕を持って日光へ到着できた。

 その日は「日光江戸村」でまる一日遊んだ。以前に一度行こうとして行かなかったことがあり、惜しく思っていた。ようやく行くことが出来た。本当に面白いところである。出し物が非常によく演出されていて、特に、忍者ショーの殺陣などは見ごたえ十分である。

 泊まりは奥日光の「湯守釜屋」というところである。温泉が非常に濃く、かなり効く感じがした。料理もうまい。各種焼酎飲み放題1000円は安い。

 二日目は昭和の日であった。戦場ヶ原をのんびり見て、中禅寺湖へ行って家族でスワンボートを漕いだ。すご~くいいお天気で、行った甲斐があった。二荒山神社でおみくじを引いて、華厳の滝へ行き、エレベーターに乗って絶景に息を呑んだ。昼食はその近くで名物「ゆば」のついた蕎麦などを食べた。「いろは坂」を一気に下り、東照宮へ。のんびり見物して、お土産買って、門前のおせんべい屋さんで大きな焼きたてせんべいを買い、かじりながら帰途についた。

 ちょうどよい二日間の観光コースであった。ゴールデンウィーク中だったが、各行動をすべて早い目早い目に運んだため、混雑して困るということはまったくなかった。混雑のピークと我が家との差は、たった1時間か2時間ほどでしかなかったのだが、私たちの後ろの人たちは、混雑して難渋していた。

 旅行をしたために、昭和の日に国旗を掲げられなかったのはわが千慮の一失であった。