外務省尖閣資料

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 参考にすべし。

 なおここでは、「いわゆる『棚上げ合意』なんてものは、(公式には)存在しない」とされている。

 他に、リファレンス共同の国連アジア極東調査委員会ECAFE1969調査結果。

尖閣騒動史

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 尖閣がうるさい。

 なんでこうなってしまったのか、少し頭の中を整理しようと思い、騒動史を表にまとめてみた。

 その結果、思わぬことが分かった。

年月等 摘要
明治28年(1895年) 日本が領有(下関条約→台湾の領有→尖閣沖縄に編入)
明治29年(1896年) 実業家・古賀辰四郎氏に政府から30年間貸し付け
昭和7年(1932年) 古賀辰四郎氏に尖閣払い下げ。私有地となる。
昭和15年(1940年) 人が住み、鰹節工場などが稼働していたが、この頃から工場が閉鎖され、無人島となる。
昭和43年(1968年) 国連が「尖閣には1000億バレルの原油が埋蔵されている」と発表
中国政府、領有権主張し始める
日本政府、領有権主張し始める
昭和47年(1972年) 尖閣の古くからの土地所有者・古賀善次氏(古賀辰四郎氏の息子)、埼玉県の地主・栗原家に一部を譲渡する。
日中国交正常化
両国とも尖閣問題を主張せぬことを取り決め(いわゆる「棚上げ合意」)

昭和53年(1978年) 中曽根総理、いわゆる「A級戦犯合祀」を実施
108隻の中国漁船、大挙して領海侵犯
平成2年(1990年) 尖閣の土地所有権が栗原家当主・栗原弘行氏に完全に移る。
平成4年(1992年) 中国が自国の領海法に「尖閣は中国領」と明記する。
平成12年(2000年) 日中漁業協定(棚上げ合意明文化)
平成13年(2001年) 小泉総理、靖国参拝
大規模反日デモ、中国内の日本店舗等打ち壊し。但し、尖閣においては棚上げ合意は順守されていた。
平成22年(2010年) 民主党政権・前原国土交通相、棚上げ合意を一方的に破棄、尖閣で問題を起こした中国人船長を逮捕し起訴。
民主党・菅政権、棚上げ合意の存在を否定。中国はこれに「これまで双方の平和意志として厚く尊重されてきた棚上げ合意を一方的に破棄し、力をもって日本の領有権を主張するもの」として激しく抗議。
平成24年(2012年) 民主党政権・野田総理、尖閣諸島の所有者・栗原弘行氏からこれを買い取り、国有化。
中国、国有化処置を一方的な領有権主張とみなし、激しく抗議。
平成26年頃~(2014年頃~) この頃から常時公船・民船多数をもって尖閣周辺接続水域を遊弋させ、その外縁に海軍の有力な駆逐艦を配置して領有を主張、定期的に領海内に公船が侵入するようになった。

 かつては、棚上げ合意で微妙なバランスを保ち、表面だけとはいえ平静だったのだが、平成22年の民主党政権あたりから急に変になってしまったことがひと目でわかる。悪いのは菅、前原、ここらへんの、コイツらじゃないか。

精神力を称揚することの危険

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 去る8月11日にギリシャ船と中国船が尖閣周辺で衝突し、中国船が遭難したのだが、その時の海上保安庁の現場の対応が非常に人道的で、無私・博愛であった。このことを取り上げる向きもあるようだ。

 海保の行動は整斉粛々たるもので、さすがは、と思う。これは賞賛されるべきものだ。

 ただ、気になるのは、このニューズウィークの記事のほうである。この記事が「精神」「精神」と、海保の精神性を強調して称揚していることだ。

 精神力を発揮する側の者、サービス・プロバイダのほうでこれを言うのは許されるし、必要だと思う。しかし、サービス・ユーザのほうでこれを求め、(あまつさ)え称揚するというのは如何なものか。

 「ひょっとして佐藤さん、間違って逆を言ってない?」と思われるかもしれない。いいえ、逆ではありません。

 それは、次の例でもって端的に尽くす。すなわち、先の大戦末期、兵は「精神力」を求められた。物質に劣るとも精神において必勝である、などということを強要され、玉砕・特攻等を()いられ、多くが(たお)れた。このことである。

 海保は単なる海上サービスとは違う。海上の警察権力たる海上保安庁は、「力」を保持し、これを提供する。つまり「フォース・プロバイダ」なのだ。フォース・ユーザがこれに精神力を求めれば、すぐに際限がなくなり、ろくな装備も持たせず、ろくな制度や枠組み、法律も整備せず、「精神力さえあれば任務は遂行できる」「行って美しく死んで来い」などということがまかり通ることにつながる。

 したがって、この遠藤誉氏の記事を読む際には注意が必要だ。

 精神力などという形のないものでは、尖閣問題において政府がしでかした一連の不始末の、尻拭い、後始末はできない。必要なものは具体的な外交、法律などの枠組み、金銭、物質、人員、これである。