巾着田(きんちゃくだ)」にて

投稿日:
その人に陽差す里なり曼珠沙華(まんじゅしゃげ)
曼珠沙華むさし野によき微醺(びくん)()
身一つに彼岸花()む如く燃ゆ
天高し行幸啓碑峨然(がぜん)たり
出世とは何ぞ残暑の高麗(こま)神社
法師蝉やまぬ日暮れや巾着田(きんちゃくだ)

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

涼しい

投稿日:

 涼しい。もはや残暑とも言えぬ。

 うだるような日もまた来るだろう。だが、それもあと二、三度か。

 自宅近所の木の植え込みが減ったせいでもあろうか、蝉の声も遠い。

立秋

投稿日:
神田川映る人みな秋に入る
ぎと〴〵とネオンの残暑秋葉原
茶を啜る機械に()(づき)来たりけり
朝まだき震へ止むらん新豆腐
秋水を(たず)ぬ裏切りなどあらず
白桃を出す子の頬も産毛かな
名にし()(さと)なむ百舌鳥の贄あらむ
特攻も(かく)累々と秋の蝉

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

山の日

投稿日:

天皇陛下万歳

 祝日「山の日」である。自宅の軒先に国旗を掲げて拝礼する。

 海洋国であるところに「海の日」、また同時に山岳・森林の奥深い国柄に「山の日」と、わが国には誠に相応しい祝日が揃っていると言えよう。

 季節は既に立秋を過ぎた。残暑厳しい、とは文字通り、また時疫も心配であるが、元気を出して乗り切っていきたい。

 夕暮れ、見事な夕焼けとなった。暑くはあるが、黄昏時(たそがれどき)ともなると空気に秋の香りも多少感じられる。

怪談めく

投稿日:

 ふと思いつき、最近話題の「大島てる」で、自分の家やその周囲、親類縁者の住まいなどに怖い点や変な点がないことを確かめ、なんだかホッとするなど。

 残暑払いに怪談めくのも、最近はこういうふうにリアルでゲスな。

暑くても秋

投稿日:

 暑い。

 玄関先に半野良の老猫・ハートが寝そべっていて、出入りの邪魔だが、畜生をむげに扱うとバチがあたると思ってそのままにしている。

 長女が何か辛い料理を拵えている。夏だからという。出かけていた家内が疲れて帰ってくる。

 冷蔵庫から氷を取り出し、いつものとおりアイスピックを突き立てる。手許(てもと)が狂って、左の薬指をかすめ、少々血など出てしまう。それを舐めながらウィスキーを一杯。

 「秋隣(あきどなり)」はゆかしい季語だが、あんまりにも暑いものだから、とてものことに()めなかった。

 夏既に去る、一昨日立秋。だからこそ「残暑」とも言う。

 子供の頃は大人が交わす見舞状に「残暑御見舞」などという文字を見出しては、「夏真っ盛りなのに、なんで『残暑』??」などとも思ったものだ。

 これからどんどん暮れやすくなる。この(ゆうべ)も、窓の外にはなかなかになまめかしい色合いの空が拡がる。

 台風はゆきすぎて雨もなし。好日。