「味覚日乗」。先々週、市立図書館南部分室でなんとなく借りた。それほど大著でもないのだが、ダラダラ読んで、2週間以上もかかった。
デパートの商品の値段に難癖をつけたり若者を非難するあたりは老人の繰り言めいていて愉快ではないが、料理の数々が丁寧な文体で、質素かつおいしそうに述べられており、まあ、面白かった。
次に、開高健の「最後の晩餐」。これも市立図書館南部分室で借りた。
オッサンは生きている。
「味覚日乗」。先々週、市立図書館南部分室でなんとなく借りた。それほど大著でもないのだが、ダラダラ読んで、2週間以上もかかった。
デパートの商品の値段に難癖をつけたり若者を非難するあたりは老人の繰り言めいていて愉快ではないが、料理の数々が丁寧な文体で、質素かつおいしそうに述べられており、まあ、面白かった。
次に、開高健の「最後の晩餐」。これも市立図書館南部分室で借りた。
林望の「イギリスはおいしい」。先週、市立図書館南部分室で借りたものだ。昨日読み終わった。
かれこれ30年近く前の作品で、もはや古書の
軽妙かつ端正、しかもおかしみのある文章で、ところが読者の期待をユーモアたっぷりにはぐらかし、大部分はイギリス料理のことを散々に
続けて、一緒に借りておいた辰巳芳子の「味覚日乗」を読み始める。「イギリスはおいしい」と同じ棚の、すぐ近くのところにあったので、ヒョイと手に取ったものだ。
惜しいところ一件。
季節柄、四時と言えばもうすっかり日没で、昏れなずむ町には、あちこち灯がともり、その明りにクリスマスの飾り付けが浮かび上がっている。
これは「いざ行け、パブへ!」という一章の中に出てくる描写である。クリスマス近いイギリスの田舎町の素朴な様子を美しく書いてあり、読者をしてイギリスへの憧憬を否応なく抱かしめる名文だ。
だが、季節はクリスマス前、つまり冬だ。イギリスは北半球であり、冬の日没は早い。「四時と言えばもうすっかり日没で」と書くからには、「日が落ちるのが冬であるため非常に早い」ということを言っていなければならない。そこに持ってくる言葉として「
言うまでもないことだが、「くれなずむ」というのは「暮れにくい、日が永くて落ちにくい」という意味である。漢字で書けば「暮れ
武田鉄矢がかつて「♪くれなずむ街の/光と影の中……」と歌い、歌詞のほかの部分の誠実な詩文とあいまって、「くれなずむ」という語彙が身近になり、定着した。ところが、この言葉の意味を理解して味わっている人は少なく、ただなんとなく「暮れなずむ」を「味わい深く日が暮れていく様子」のことだと思っている人が多い。
名文家・林望氏ですら、ここのところを完全に間違ってしまったわけだ。惜しい。ここは「昏れなずむ町には」ではなく、「日暮れて昏さに包まれてゆく町には」とでも書いておくべきであった。
但し、「暮れ(る)」と書かず、「昏れ(る)」と書いたところに、作者が何らかの意味を込めたというのなら話は多少、別である。「昏」は「昏睡」という言葉からもわかる通り、「
でも、多分、そうじゃないと思う。
十数年以上前に
妻もゆっくりと読んでいる。妻はメディアミックスでないと面白くないらしく、ドラマのDVDをツタヤで借りてくるので、それも一緒に見ている。
昨夜DVDの3巻・4巻を一緒に借りに行った。その時、この前Amazon Prime Videoで見ようと思ったのに見ることができなくなっていた杉浦日向子原作のアニメ「百日紅」を見てみようと思い、それも借りた。
今日は日本ITストラテジスト協会関東支部の月例会があるのだが、今日のイベントは「商談会」である。立場上私は商談には参加できないので、参加してもどうにもならぬ。傍観していたところで人の役にも立たず、面白くもないから、欠席した。
今日の昼めしは虎ノ門の大坂屋砂場でとった。通しもの三点盛で蕎麦前をゆっくりと飲み、
西新橋から環2通りへ出て、汐留へ行き、シオサイトの空中回廊を
海が近い。薫風が袖口から入る。もう今週を最後に散るかな、という頃合いの花皐月があちこちの植栽で鮮やかに紅い。
シオサイトの回廊を歩き終わると、突き当りに芝離宮がある。150円払って入ってみた。大きな池に微風がわたっている。広々と気持ちがよく、庭園の造形が渋い。ちょうど
庭園を出て海に向かう通りを東へ歩いていくと、なんだかよくわからないが人だかりがしている。近づいて行ってみると、伊豆諸島の観光イベントをやっているようだった。
くさやの干物などもあるようで、お土産に買いたかったが、妻と子供は嫌がるだろうなあ、とも思い、買わなかった。
日の出埠頭までのろのろと歩き、水上バスで帰ることにしたが、気が向いたので反対向きのお台場向きへ乗った。
今日は何か花火が上がるらしく、お台場の船着き場はあちこちに立ち入り制限がしてあって面白くなかった。すぐに浅草行きへ乗って引き返した。
船の屋上で風にあたりながらヘッドフォンで音楽を聴いていると、吾妻橋のあたりだったか、船員が駆け上がってきて、大きな声で乗客に何かを指示した。私はヘッドフォンをかけていたので、何を言っているのかわからなかったのだが、立っていた乗客たちが皆てんでにしゃがみこんだ。私も驚いてしゃがんだ。今日は満潮が近くて川の水位が上がり、船の屋上がぎりぎり橋の下を通れるくらいだかららしい。実際、橋の底がしゃがんだ乗客たちの頭上をきわどくかすめ過ぎていき、「ゲゲッ、危ないじゃねえか!」と思うくらいであった。
それが2回くらいあった。動画は多分、永代橋の下を通るところじゃないかと思う。
だが、面白かった。
浅草で降りて、浅草寺の二天門から仲見世通りへ入り、新仲見世をちょっと見た。神谷バーで電気ブランでも、と思って覗いてみたが、ものすごい混みっぷりで、いつも陣取る壁際のスタンドカウンターまでいっぱいだったので、やめてしまった。
東武線で家に帰る。帰りに市立図書館の南部分室へ立ち寄り、本を2冊借りる。なんとなく手に取った文庫の古本、林望の「イギリスはおいしい」と辰巳芳子の「味覚日乗」。
家でもう少し飲んでから晩御飯を食べた。それから、妻と一緒に昨日借りた「のだめカンタービレ」を見た。続けて「百日紅」を見たが、10分くらい見たところで眠くなり、そのまま朝まで眠ってしまった。