入れ込み

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 池波正太郎の小説を読んでいると、飲食店の描写などで、よく「入れ込みの座敷」というのが出てくる。

 私はこの「入れ込みの座敷」というのを、「小上がり」のことだとばかり思い込んでいたのだが、昨日読み終わった「酒場百選」という本で、全然意味が違うということを知った。

 酒場百選によると、「入れ込み」というのは、「客が来た順にどんどん混ぜて座らせる」ことを言うそうである。繁盛している居酒屋の方式だ。

 だから、池波正太郎の「入れ込みの座敷」というのは、客がどんどん、「(そで)すり合うも他生(たしょう)(えにし)」とばかり座り合う、大衆的な座敷、のことなのであった。

 うーむ、知命(50歳)にしてまだまだ知らん言葉は多い。国語の勉強は果てしない。

読書

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 職場で時折読書の事を話題にする方があり、この方と私は偶々(たまたま)共通の本を読んでいることがある。読書の傾向が似ているか、その方の読書量が多く、私の読書範囲を包含しているかのどちらかで、多分後者だと思う。

 私が以前に書いたこのブログの記事で、吉村昭の作品に関するものがある。私の記事を見たその方が「漂流」という吉村昭作品を薦めて下さった。

 私は吉村昭の作品が好きだが、全部を読んでいるわけではなく、この「漂流」も未読である。

 先週借りた「酒場百選」という本を返しに市立図書館へ来たのだが、そのことを思い出し、さっそく吉村昭の棚へ行ってみた。だが、残念ながら文庫本・単行本ともに在架でなかった。

 代わりに、同じく吉村昭の「(はりつけ)」を借りてみた。文春文庫のものだ。