土用(どよう)(うなぎ)

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 旧六月廿六日、二十四節気は大暑二候、七十二候は「土潤溽暑(つちうるおいてじょくしょす)」である。

 昨日は雑節「夏土用」、就中(なかんづく)(うし)の日とあって、巷間(こうかん)鰻を食べることはよく行われる。

 このところ毎夜食事を(こしら)えていた長女。昨日は(いわし)を煮る、と言っていたのが午後になって面倒くさくなったらしく、「暑い~」なぞと言って手を付けぬ。IMG_3944

 得たりと妻は買い物に出かけ、このところ随分と高くなったはずの国産鰻を奮発してきた。それで、世間と同じく、例年通り昨夜の我が家は鰻の夕餉(ゆうげ)となった。

土用の丑

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 今日は土曜日で、かつ、「土用の丑」だ。しかし、今夜は長女が(いわし)の梅煮を作るというので、ま、今日は鰻は遠慮かなあ。絶滅危惧とかなんとか言って品薄・高値でもあるし。

 とても料理をするというようなガラではなかった長女が、突如なぜか厨房に立ちたがるようになり、4日ほど続けて晩飯は長女が支度した。いったいどういう風の吹き回しかと驚く。

 たしか火曜日はだしまき卵、水曜日に生姜焼き、木曜日に鶏肉炒めとジャーマンポテト、金曜日に塩麹の豚肉焼きに玉葱の晒したのを食わせてくれた。

 長女が飯を作ると、さすがは美大に通うだけあって、色彩とか配置などが洒落ていて、面白い。

節季に、土用に、鰻に、泥鰌

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 夏至も過ぎた。だいぶ暑い。夏至を過ぎれば次の節季は半夏生が7月1日、7月7日が小暑で七夕、その次が土用、ということになろうか。

 今年の夏の土用は7月19日、正確にはこの日の15時3分だという。これは太陽高度で決まるので、このように時間まで出ている。細部は国立天文台の暦要項に詳しい。今年(平成28年(2016))のものはこれだ。

 こう書いて来ると、「じゃ、(ウナギ)食えるのはこの日ですかね」と一直線に短絡(ショート)されてしまうのだが、残念、鰻を食うのはこの日ではない。

 暦を繰ると、7月19日は旧暦六月十六日で、この日は「寅」の日である。この日から寅卯辰巳午未申酉戌亥(とらうたつみうまひつじさるとりいぬい)子丑(ねうし)……とカレンダーを数えていくと、7月30日、旧暦で六月廿七日が「土用の(うし)」だとわかるわけだ。

 鰻を喰うのはこの日、「土用の丑」の日である。

 こう書いて来ると、土用の丑に鰻を喰うのは、まるで古来の由緒正しく(ゆか)しい習俗、みたいに感じられるが、実際全然そうではなく、割合に最近──と言っても江戸時代──、派手屋の才人、平賀源内の広告活動によって広まったことはこのごろよく知られる。

 土用の丑まで待たずとも、今の時季、淡水魚で旨いものというと、やはり泥鰌(どじょう)だろうか。

 浅草の「駒形どぜう」が呼んでいる気がする。アレはうまい。また行きたいなあ。

 泥鰌に舌なめずりしなくても、私の住む大落古利根川(おおおとしふるとねがわ)元荒川(もとあらかわ)流域の平地では、昔から(なまず)が名物である。白身で、天婦羅などに向く。

 夏は暑さで食欲も減退し、相対的に旨いものが減るが、なに、気の持ちようだ。氷もビールもウィスキーも日本酒もワインも肴も、どうしても旨い。