天皇陛下万歳
祝日「勤労感謝の日」である。
このところ畏きあたりにおかせられては、大嘗祭をお執り行いあそばされたところであるが、一方、本日は古く飛鳥時代、皇極天皇が創始された「新嘗祭」の日である。皇極天皇と言えば、齊明天皇として重祚なされた女性天皇であることなどを学校の歴史で習った記憶のある向きも多いかと思われる。
さておき、この「新嘗祭」は毎年行われる皇室の祭祀であるが、即位あそばされた後初めて行う一世一代の新嘗祭のことを「大嘗祭」というのである。
農業国家として作物を通じて百姓とその労働を称え、天神地祇に拝礼することが新嘗祭の姿であってみれば、蓋し肯なるかな、翻ってこの日が「勤労感謝の日」となったのは当然のことと言えよう。
余談ながら、日本書紀では「百姓」と記して「おほみたから」と訓ませる。「大御宝」の意であって、まことに有り難く、忝い称名であると思われる。天皇と国民の関係は、この「おほみたから」という呼び方ひとつをとっても、諸外国の法王~皇帝~国王と国民の関係とは異なるのだ、という感じが新たになるように思う。