居住編 その1


Index


  •  住んでみる
  •  こうして私は、輸入注文住宅の持ち主となり、ローンを抱えてそこに住むことになった。

     それにしても、未だ全て銀行の担保であるとは言え、

    持家がこれほど快適とは知らなんだ!

     子供の頃から借り物の狭い家に暮らし、大人になってからはムサクルシイ大部屋住まい、 結婚してからは高い家賃を払って腫れ物に触るようにアパートや借家に住んできた。 そして、釘一つ、画鋲一個、打つのにあれやこれやと気まずい思いをしてきた。

     だが、持家のなんと気楽なこと! 今までクヨクヨと気遣いして暮らしてきたことがなんとバカらしい無駄なことであったことか! これほど快適なら、二十歳代からとっとと持家にしとけば良かった。

     さて、住んで見なければわからぬことと言うのはあるものだ。 「引渡し」などの時にサササッと手際よく見せられたり、 大して心の準備をせずにボンヤリと点検していたら意外に大きな瑕疵がわからなかったりする。

     たとえば、便所などは、普通は引渡しの時には水がまだ通ってない場合も多かろうと思われる。 したがって多くの方は便所の中などは立ったりしゃがんだりしてグルリと眺めるだけであろう。

     しかし、便所は、ぜひ

    試しにウンコをしてみること

    をお奨めしたい。

     私の場合もそうであった。イヨイヨ入居して、新品の便器に第1号のウンコをすべく、 座りこんでウーンと沈思黙考の態勢に入り、そうして1分ばかり経った時にようやく、 手洗い器の脇の便器に面したほうのコーキングが済んでなくて、 下地の石膏ボードが見えている事に気づいたのである。 大した事ではないが、こういう細かい事は1分ばかり無心に便器に座りこまなければ見えない。

     また、住み始めてしばらく経ってから、洗面所付近が異様に臭いということがあった。 これは洗面所の排水機構に一部開放口があったためであったが、 これなどもしばらく住んで生活排水がある程度流し捨てられなければ臭い始めないからなかなか気づかぬ事である。

     私は品確法に基づく第三者の保証や検査を導入してもらっていたが、それはもっと大きな、 遮熱であるとか防音とか耐震性とかバリアフリーなどと言った住居の基本性能の部分を見るのであり、 さすがにこうした小さな、しかし生活する上で快適さをカナリ左右する部分は彼らは見ないのである。

     だからと言って素人がこうした細部に亘る点をすべて引き渡し前に点検確認すると言うことは、 かなりの予備知識も必要であり、住宅・建設業界で仕事をしている人でもなければムリであろう。

     したがって、こういう点を後でアフターケアしてもらえるような契約・約束をしておく事がきわめて重要な事であると思われる。

     我が家の場合は、建築士N氏方の会社が良心的なところであり、かつ、 小回りの利く小さな会社ということもあってか、 どの不具合も極めて迅速に対応してくれた。便所のコーキングなんか、 社長であるN氏自らコーキングガンを携えてやってきて、腕まくりして作業してくれた。

     外構などの工事はまだ終わっておらず、住んでから徐々に進めていく方針である。



  •  外構・庭など
  •  私は基本的にカネがナイ事には異なるところはナイ(笑)。 よって、外構や庭などは、基本的に出来るだけ自分でやらなくてはならない。

     しかし、駐車場にコンクリートを張るなどは、これはシロートにはとうていムリというものである。 また、隣地との境界にブロックを積んだりする事は、 いささか法律的な問題を生ずる事でもあろうから、たとえやる気があっても やらないほうが良いだろう。

     そりゃ、ヒマだったらやるけど、私も職業人であって、 普段は仕事に全力投球しているんであるから、 生コンの業務的練りかたとかブロック積みの技法なんかをそうそう練磨出来るワケでもない。

     あと、玄関の上り口なんかも、強度や美しさということもあるから、これも出来るならプロにやってもらいたい。

     そういうわけで、玄関・隣地との境界のブロック積み・ 駐車場のコンクリート打ちは建築士N氏が紹介してくれた石材屋さんにお願いする。

     住み始めてから一週間ほどでこれらの部分は完成した。 駐車場は生コン打って平らに、 玄関は大きいクラシック調レンガでコバを積み、コンクリートでシンプルな踏みづらが作ってあって、 とても気に入っている。

     問題はその他の庭や家の左右側である。

     普通、ホームセンターなんかに行くと、玉砂利が10kgとか15kgの袋詰めで売られている。 これらは4袋〜5袋、即ち50kgほどで1平方メートルに4cmの厚みに敷くのにちょうどいい量である。 で、袋詰めの玉砂利は、だいたい800円ぐらいである。

     一方我が家の庭は約16平方メートルある。したがって、

    16平方メートル × 5袋 × \800 = \64,000

    ・・・なかなかキビしい。

     躊躇逡巡していたある日、家の前にトラックが止まって、 地下足袋履いてハチマキ締めた初老のオジサンが降りてくる。

     「庭師なんですが、どうっすか、ジャリとか!?」

     庭師さんに頼むと、庭一杯にジャリ入れてくれて手間賃ジャリ代込みで3万でやりましょう、 ということらしい。 うーん・・・どうしようかなぁ。

     思案しつつもなんだか荒野みたいになってるアワレな我が家の玄関先を毎日眺めるのがイヤな感じである。 そこで意を決して玉砂利などを買い込み、玄関先に庭造りをした。

     庭造りの方針としては、

    私も妻も植物栽培がニガ手

     ・・・ということがあるから、石庭ふうな感じでやってみよう。 あんまり和風にワビサビ過ぎてもアレだし、なにか陶器かレジンなんかでできた人形でも置けば、 そう落ち着きすぎない感じの、子供が喜ぶ庭になるだろう。

     基礎工事の時、我が土地の土中から、大きな玉石が二つ三つ出土している。これをまずタワシできれいに洗い、ワイヤブラシでまんべんなくこすっておく。

     それからレンガなんかを買い込んでくる。石の周りは花壇みたいにレンガで囲んでみよう。 レンガがぐらつかないようにするには、レンガを縦向きに埋め込まなければならない。 石をグルリと囲むと3メートルぐらいの長さである。いっぽうレンガのこぐちの長さは8.8センチほど。
    300センチ÷8.8センチ≒34個、レンガは1個88円なので
    34個×88円=2,992円。 うーん、けっこう高いなあ。

     普通、敷きレンガなんかやるときは、 「近所で大きな溶鉱炉の取り壊しがあって、 ガレキの耐火レンガが大量に余っている」とか 「明治時代の兵舎が取り壊されて赤レンガが大量に余っている」 とかいうようなハナシに乗っかるものだと思われるが、ザンネンながら私の周囲にはそんな話はない。 中古のレンガが余っているような知り合いもないし、しょうがない。

     それはまぁそれとして、レンガで囲んだ丸型の真中に按配良く石を置く。 石の周りには玉砂利を敷き詰めるとしよう。 周囲3メートルの円形、これの直径はざっと1メートル。その中にジャリを敷き詰めるわけだから、
    0.5メートル×0.5メートル×3.14≒0.8u、切り上げてざっと1平米。 玉砂利が4袋いるけれど800円の玉砂利を使うと3200円にもなっちゃう。 そこで、下に2袋ぶんの安い砕石を敷き、上半分に玉砂利を敷くことにした。 これだと
    玉砂利580円×2袋+砕石298円×2袋=1,756円

     更にその周囲は自分の敷地の境界線に添ってレンガを敷き、角っこにはアールをつけて丸くしてみよう。 それから、置き石の周りとは色を変えた玉砂利を敷く。レンガで島みたいなものを作って、その上に陶器や石の人形、 不得手とは言え鉢植えの二つ三つも置くことにする。 この広さは3メートル×1メートル−置き石分の1平方メートル=2平方メートルである。 必要な砂利類は、
    玉砂利580円×4袋+砕石298円×4袋=3,512円。 周りを囲むレンガは4メートルぶん必要で、
    4メートル÷20センチ=20個、 148円のチト気に入ったレンガを使うので、
    148円×20個=2,960円

     レンガは次のようにすれば、真っ直ぐに置くことができる。

    レンガの置き方
    レンガの置き方

     アールのところはレンガを切って、台形にしたものを使う。 レンガを切るには、ディスクグラインダーとレンガ用のタガネを使う。

    レンガの切り方
    レンガの切り方

     レンガの間に詰める砂は、セメントを混ぜたものにする。 こうしておくと、出来あがってからジョウロで水をまけば、 セメントが固まって目地のコンクリートになるんである。 こうする場合のセメントと砂の割合は、セメント1に対して砂2である。

     セメントとレンガを使う時は、レンガを水につけて、 泡が出なくなるまで水を含ませなければならない。これには半日ぐらいはかかってしまう。 どうしてこうするかと言うと、乾いたレンガにいきなりコンクリートを塗りつけると、 コンクリートの水分をレンガがどんどん吸ってしまい、 コンクリートがうまく固まらないばかりか、縮んで隙間だらけになってしまうのである。

     玉砂利は、置き石の周りは白、そのまわりは淡いピンクにした。 本当はクラッシュブリックというレンガを砕いたタイプの砂利を敷きたかったが、 これは880円と高く、白とピンクのリバーストーンは580円と安かったのである。

     最後に、近所の廉売インテリアセンターへ行き、子供が喜びそうな手頃な レジンの人形を買う。「庭造りをする野ウサギ君」の人形二つと、 ひなびた感じの木のウェルカムボードをひとつ。
    700円ぐらい×2体+500円ぐらい≒2,000円ぐらい

     こうして土日+土日月(10月の3連休)の5日もダラダラとかけて、 出来あがったのが次の庭である。

    玄関先のミニ庭
    玄関先のミニ庭

    主な材料だけでもシメて13,220円!

     それに加えて、砂・セメント、コテとかタガネ、いろんな道具も買わなくちゃいけないから、 高くついたのか安くついたのかなんだかサッパリわからなくなってしまったが、

    まぁええやないか(笑)。

     庭師のオジサンの持ってくるジャリだと、家の脇に全部入れて、 裏庭に半分敷いて、それで手間賃コミで3万だっていうんだから、 そこから類推するとこの庭はけっこう高くついてる計算になるかもしれん。



  •   瓦礫(がれき)沓脱石(くつぬぎいし)
  •  さて、ようやく我が家にも住みなれてきた。 子供が家の周囲で遊んだりするようになってきた。 遊ぶ子供を見ていてつくづくと感じ入る事がある。

    危ない。
    これである。

     なぜかというと、我が土地は瓦礫が多い!ということなんである。

     そりゃもうスゴい。古釘・木材・かわらけはおろか、 せとがけやガラス片まで散乱している。ごく上のほうのみであるから、 基礎工事の時に家の基礎の下に関しては取り除かれているわけであるが、 しかしそのぶん庭や玄関先などは目を覆うばかりである。 つたい歩きの赤ん坊がウカツに手など地面に突こうものならガラス片で即ケガ してしまう恐れもぬぐい難い。

     とりあえず庭や家の脇のガレキぐらいは取り除いておかないと具合が悪い。 「レーキ(熊手みたいな土工具)」を一本買ってきて、 エッチラオッチラと荒くれ土と格闘を始める。まー、出るわ出るわ。 コンクリート片がガバガバ出てくるし、ビニールひもとか電気のコード まで埋まっている。 作業していてなんだかハラが立ってきた。 が、ハラなんか立ててもしょうがないことはわかってもいる。

     ブツブツ悪態をつきつつ、土曜日半日ほどを費やして、庭と家の片側の脇の瓦礫混じりの表土をドッサリと庭に積み上げた。 瓦礫の山は富士山型の形もヨロしく、標高は私の腰の高さほどにも達した。 よく見てみると瓦礫の間には普通の土も混じっていて、 これを全てうっちゃってしまうのはなにやら勿体無い気がする。

     そこで瓦礫と土をより分ける事にした。はじめ手でやりだしたのだが、 10分もしないうちにいくらやっても減らないその莫大な量に天を仰ぎ、 アッサリと挫折した。なにか、ふるいみたいなものはないかと家の中を捜すと、 小物や雑貨などを整理するプラスチックのかごがある。これの「目」はだいたい3センチか 4センチぐらい。すこしやってみたが、これでは目が大きすぎるらしく、 古釘や砕けたガラス片などは取り除く事が出来ない。

     そこで、翌日(日曜日)の朝イチからDIYショップへ出かけていき、 園芸用のふるい(\500-.)を買ってきた。これはなかなか作業がはかどり、 午前中から働き始めて、昼過ぎごろにはすっかり土と瓦礫をより分けてしまう事ができた。 瓦礫の山の高さは腿のあたりの高さにまで減った。

     ふるいでふるった土はサラサラして 目も細かく、なかなかキモチいい。それを庭じゅうにまきならして、レーキで掃き目をつける。 これで子供が裸足で庭に出てもまぁそれほど心配ではなくなった。

     問題は、この、残った瓦礫の山である。

    瓦礫の山
    瓦礫の山

     まったく見ていてムカつくほどの量だが、 ムカついていてもどうにもならん。

     はじめは不燃ゴミに小分けにして混入し、すこしづつ捨ててしまおうと考えたが、 その方法でこの量を始末すれば1年ぐらいはかかってしまう。したがってこの案は却下。

     どうしようかとしばし呆然自失していた私であったが、ぼんやりと目線をわきに移すと、そこに子供部屋と寝室の掃き出し窓がある。この掃き出し窓は、我が家が洋風である為に、地面から7〜80センチほどもあろうかという高さの場所にある。 これは大人でもヒョイと一足で昇り降りできる高さではない。妻は布団を干すために、いったん床に布団を置き、縁側に腰掛けるようにして体をそらして地面に降り、足探りで履物をはくと、入り口に向かいなおって布団を抱える、というじつにやりにくい要領で毎日布団を干している。

     前々からこの掃き出し窓の下には「沓脱石」が必要であると思っていたが、コンクリートなどで出来たものを石材店やDIYショップなどで買うと、4千円〜6千円はする上に、高さが我が家には全く合わないわけである。我が家は前述したような寸法であるから、沓脱石には50センチぐらいの高さが必要であり、できるなら階段状になっている事が望ましい。

     そんなものは売っていないから、外構屋さんに頼むか自分で作るしかない。自分で作るとすると、ブロック積みかれんが積みになるが、仮にれんがを50センチ×50センチ×50センチの高さにミッチリ積むと、計算上125個のれんがが必要で、78円の一番安い奴を使っても9750円と、だいたい1万円以上はかかってしまう。もちろん外構屋さんを頼む資金はもはや私にはない、いや、資金がナイっていうか、いくらでも無駄遣いするのはなんだか勿体無い、良くないことであるような気がするのである。

    そ・こ・で、だ!!

     この瓦礫を見ていてひらめいたわけである。

    ガワだけレンガ積みして、内側には瓦礫を詰めこんでしまえ!

     われながらナイスアイデア!今回は階段状は難しいように思うからやめておき、れんがと瓦礫で50センチ×50センチ×50センチの立方体を作ることにしよう。で、片側は家の基礎に密着して作ればれんがは要らない。そのやりかたで計算すればれんがが32個必要であることがわかった。78円のれんがなら2496円。それから乾燥モルタルを買うとすると、20キロぐらい入ったのが698円。シメて3354円(税込)。これなら沓脱石の出来合いのを買うより安い。

     さっそくそのままDIYショップに行き、レンガとモルタルを調達してきた。れんがを切らなくてはならない。ディスクグラインダーを使えばきれいに切れるが、今回は時間もなく勿体無いと思ったので、たがねだけで切ることにした。実はれんがは、時間さえあればタガネだけでも切れる。両側から丁寧にコツコツ叩いていくとポロリときれいに切れるんである。

     モルタルはソフトクリームぐらいの固さに作り、れんがの下になる場所に「捨てコン」を打ってキレイにならし、れんがにコテでモルタルを塗りつけてはきれいに並べていく。

     1段並べたらモルタルをれんがの上に乗せて、コテでまっすぐキレイにならす。次の段は、1段目とは「ちどり」にずらす。そうしないと強さが出ず、れんがの擁壁が倒れてしまう。この「ちどり」にずらす時に、半分や4分の3に切ったれんがが必要になる。

     れんがとれんがの間は1センチぐらいにする。この1センチの隙間は、「目地ゴテ」という細いこてでとる。目地ゴテには9ミリとか6ミリとかいろんな細さのものがあるのだが、9ミリのコテがラクに入る隙間が1センチである。

     こうして日曜日の午後から暗くなるまで働き、次のような沓脱石が出来た。

    れんがの沓脱石
    れんがの沓脱石

     シロートだからちょっと歪んでいるのはご愛嬌。

     目論見どおり、瓦礫の山は3分の1ほど減った。我が家の掃き出し窓は3つ。この沓脱石をあと2つ作れば、瓦礫の山はなくなる計算だ。れんがとモルタルで3千円チョイだから、1万円ほどで沓脱石3つを作ることが出来る。

    うむ。マァマァだな

     ・・・などと、我ながら思う。



  •  庭造り
  •  沓脱石三つをようやく作り終えたのは、一つ目を作ってからようやく3週間目、秋も半ばを過ぎた平成14年11月16日のことであった。土日だけの、しかも素人の作業ではこれもまたむべなるかなである。

     さて今度は、庭をそれなりのものに仕上げなければならぬ。

     我が家は草花を育てることにいつも失敗している。草花とて生き物の一つだ。うまく行かぬと分かっていて手を出すのは、生き物を粗末にしていることになる。そこで、主として静物をあしらった庭にしようと思う。

     ひとつ、煉瓦を砕いた「クラッシュブリック」という飾り砂利か、玉砂利でも庭中に敷き詰めてみよう、などと考えて見積もってみたが、すぐにやめた。前述したように、我が家の庭に砂利を敷き詰めれば6万〜8万もかかってしまうからだ。

     私は砂利を部分的に敷くのが吉と見た。猫のヒタイとはいえ、我が庭は庭。ここはひとつ、玉砂利の小径(こみち)でも作ってみよう。

    玉砂利の設計
    玉砂利の設計

     50cm巾で小径を造る。また、直線的にすると、素人の施工で歪みが気になったりするから、ウネウネと曲げる。そうすればやや下手でもあまり目立たないハズだ。こういう風にウネウネと曲げても、延長は12メートル、50cm巾だから6平方メートルである。玉砂利は1平方メートルに普通なら4cmの厚みに敷く。砂利580円×4袋×6平方m=13920円。チョイと高いめだから、雨にぬれない建物の近くは庭から取った砂を敷く。で、20袋以内に納めれば580円×20袋=11600円。これならOKでしょう。

     で、小径とその他の部分の見切りは、煉瓦で造るとしよう。煉瓦は1メートルの見切りを造るのに5個は必要だ。それが左右両側に必要なので、24メートル分必要である。安いキュリアス調煉瓦は近所のホームセンターで78円。5個×24m×78円=9360円。まぁいいだろう。

     今回は砂やセメントを買ってくる余裕はなさそうだ。そこで、煉瓦の施工に必要な砂などは、すべて庭の土をふるいでふるって、そこから取ることにする。

     庭に小径の巾の曲線のスミを引くために、長さ70センチ巾2センチほどの角材をとり、それに30センチほどの鉄筋の切れ端二つを50センチ感覚で縛り付ける。

    50センチ巾を引く道具
    50センチ巾を引く道具

     これを使って庭に線を引き、その線に沿って小さい熊手や移植ごてなどで溝を掘る。溝の底には、煉瓦を安定させるための砂を敷き、板で何度も撫でてきれいにする。

    溝を切る
    溝を切る

    砂を敷いてキレイにならす
    砂を敷いてキレイにならす

     敷いた砂は、「水盛り」をして、各部とも水平にする。水盛りをするために、ビニールホースを買ってきて(1メートル50円ほどであった)、これをビールの空き缶にとりつけ、応急水盛り器を作成し、まっすぐにする。

    水盛り器
    水盛り器

     ここまでやるだけでも2週間。サラリーマンが土日だけの作業でやるにはこれくらいが限度である。

     水盛りをした溝に、煉瓦を敷いていく。アールのところはディスクグラインダーで煉瓦の角を切り、うまい具合に馴染ませてゆく。この作業には更に一週間後の土日を全て使う。この時に煉瓦のかけらがたくさん出る。捨てようかとも思ったが、何かに使えるだろうと思いとっておく。クラッシュブリックだって買えばひと袋800円ぐらいはする。

     最後の週、平成14年12月7日の土曜日。煉瓦の見切りの内側を、2センチ鋤き取る。12月8日の日曜日に砂利を買ってくる。一種類だけでは面白くないから、ピンク色と白の2色にする。それともともとの庭土とを交互に敷く。その時に思いつきで、各色の砂利の仕切りに煉瓦を切った時に出たかけらを使うことにした。

     余った煉瓦で、子供の腰掛けを造ってやる。

     そういうふうにして1ヶ月以上もかけてやっと庭を砂利敷きに出来た。

    砂利の小径
    砂利の小径


  •  椅子
  •  我が家は天井もヒジョーに高いが、輸入建具を使用したので、サッシの鴨居なども高い。 各部分が高いので、のびのびして気分がいい。カウンターなども高く、気分がいい。

     せっかくの気分がいいカウンターであるから、散らかさないように妻にもよくよく言い含める。カウンターが物置きのようになってしまっては台無しだからだ。やはり、朝食なども毎日カウンターで食えば、本来の機能が生かされて良いし、物置化して散らかるということもある程度防止できよう。そうだそうしよう。

     ・・・って、椅子がない。「カウンタースツール」を持っていない。だから座れない。座れないから、カウンターでメシなんか食えない。

     これはいかん。早速買いにいかなくっちゃ!!

     と、いうわけで、改めて巻尺でカウンターの高さを測ってみる。110センチ。立ってよりかかるにはまことにちょうどよろしい。

     普通のテーブルは70センチ弱ぐらいで、普通の椅子は座面の高さが45センチぐらいである。つまり、人の足が入り、なおかつ肘などの置き具合がちょうど良い椅子と机の高さの差は、概ね30センチ強ぐらいであると言える訳だ。よって、

    高さ80センチのスツールを買おう!ゴー!!

     しかし一抹の不安が。ホンマにそんな高さのスツール、売ってんのかいな??

     見事に不安は適中し、 そんなバカげた高さのカウンタースツールはどこにも売っていない ことが判明。 あっちこっち探したのだが、近所のホームセンターにもインテリアショップにも家具屋にも、 はたまた某ニッ○ンなどのカタログでも、 せいぜい高さ60センチのカウンタースツールしかないのであった。 インテリアセンターで見つけた最も高いスツールでも70センチであり、 しかもこれは1脚\18,500-.ナリという、 高さは低いくせに値段は高い という小づらムカツク状況である。

     なんにせよ、こんな低いスツールでは、

    スツールが低い!!
    スツールが低い!!

    ・・・というふうになってしまう。実に格好が悪い。これは本来、下のように

    スツールがちょうど良い♪
    スツールがちょうど良い♪

    ・・・となっているべきものである。

     はてどうしたものか、と悩みつつ、別の用事であるホームセンターに行った。

     すると、そこで輸入の組み立て家具を沢山扱っている。 それは「whittier wood product」というシリーズで、米国製だ。 さまざまな椅子や机、収納キャビネットなどがラインナップされており、 どれもなかなかカッコイイカントリー調である。 材質なども集成材ながらレッドアルダーのムクで、そこそこ良い。 一つの製品は、白木のままの部品がセットになっている。 ユーザはこれを組み立てて、好きに塗装をするわけだ。

     もちろん、カウンタースツールもこの中にある。 シンプルなつくりで、まるで踏み台みたいに見えるのだが、 それもむしろ好感が持てるくらいのものだ。

     で、さすが米国製。ガタイが大きいかの国の人々に合わせて高さがほぼ80センチある。 これだ!!

     と、いうわけで、さっそく二つ購入。 240番のペーパーと600番のペーパー、それから水性のクリアニス、木工用ボンドも一緒に買う。 電動ドライバーがあればなお良いが、今回は素手で勝負だ! スツールキット\4,500×2、その他\1,000、シメて1万円だ。

     説明書通り組み立てる。 製造元のパンフレットでは組み立ててから塗れと書いてあるが、 販売店のパンフレットでは組み立てる前に塗れと書いてある。 どうしようかなぁと思ったが、 乾燥させたりする場所があまりないこともあって、 販売店のパンフ通り組み立ててから塗ることにした。

     組み立て終わったら、240番のペーパーで綺麗に磨き、一度ニス塗り。これは目止めで、乾いたら600番のペーパーでしっかりこする。もう一回塗って、乾いたら更に600番で磨く。最後にもう一回、丁寧にニスを塗って乾いたら出来あがりだ。塗装は都合3回塗り。

     二日がかりで組み立て・塗装し、やっとこさ出来たのがコレ。

    Whittierのスツール
    Whittierのスツール