アナタは評価されなくても、組織は正しい方向へ行く。

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 熟慮した決定案を上司に持っていくと、上司はそれを「変えるのが仕事」と感じてしまい、あっちこっちいじくり出して収拾がつかなくなる。

 しかし、幾つか案を並べ、決めずに持っていくと、上司はそれを「選ぶのが仕事」と感じ、その中からどれか正しい案を選ぶ。

 ……という話を、どこかで見るか聞くかした。

 (けだ)し、至見といえよう。

 付け加えるなら、今、壮年である者は、大抵は「改革病」というものに(かか)っている。土光臨調、行政改革、などというあたりから始まって、子供の頃から改革改革と洗脳され続け、もう、なんでもかんでも変えさえすれば褒められる、という成長の仕方をした人が多いのである。

 時間の制約などで、多案を作る暇がなく、決定案を持っていくしかない場合がある。こういう時にこの「改革病」の人に「正しい案」を持って行ってはいけない。改革病に罹った今の壮年は、それをへんちくりんに変更しておかしくしてしまうことこそが正義だというふうに洗脳されてしまっているから、最初から正しい案を持って行ってしまうと、それが通らなくなってしまうのだ。

 そこで、こういう上司が相手の場合は、「間違った案」を作って持っていくとよい。そうすると、上司は「何だこの案は!まったく最近の若い奴はなっちょらん!!バカ者が!」と怒り出す。コッチの評価は下がり、給料は増えないが、しかし、上司は正しい方向へ案をカスタマイズしはじめるので、組織としては正しい方向へ進む。

 まあ、こういうワザは、私のように出世を捨てた世捨て人でないとキメられませんので、おすすめはできませんね。

投稿者: 佐藤俊夫

 50代後半の爺。技術者。元陸上自衛官。2等陸佐で定年退官。ITストラテジストテクニカルエンジニア(システム管理)基本情報技術者

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