ドブネズミ

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 青雲の志に燃える若い人の純真に水を差したいわけではないが、だが言わずにはおれない。

 戦争や軍事や軍隊や軍服や銃や戦闘機や軍艦が、美しくかっこいいものだなんて思うのは、馬鹿のすることだ。

 どれもこれも、しんどく、悲しく、重く、深刻で、複雑で、汚れ、厳しく、ややこしく、嫌になるようなものばかりである。

 最近、防衛問題に関心を持つ若い人が増えているのは結構なことだが、どうも、単純に考えすぎているのではないだろうか。

 テレビに映る美しさ、新聞に書かれるかっこよさなんてものは、大げさに言えば全部嘘である。人間とは悲しいもので、嘘は美しくかっこいいから、金を払って買ってしまうのだ。だがそれを間違っているとは言うまい。逆に考えると、真実の残酷さ、リアルな汚さ、そんなものに金を払うのは酔狂には違いない。スカトロ狂が普通人の目にどのように映るかを考えれば、人々が嘘に金を払うのはやむを得ないことだと解る。

 そんなわけで、メディアには真実は載らない。

 そういったことをわきまえたうえで、「ドブネズミのように美しくなりたい」のなら、止めはしない、己の信ずるところに従うがいい。しかし、実相を知ってから「騙された」だの「やりかたが間違っている」だのとゴタクをほざくのは、馬鹿より更に愚者のすることであると知るべきである。

投稿者: 佐藤俊夫

 50代後半の爺。技術者。元陸上自衛官。2等陸佐で定年退官。ITストラテジストテクニカルエンジニア(システム管理)基本情報技術者

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