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 皐月(さつき)がたくさん花をつけた。だが、去年植え付けた時期の関係で剪定をしなかったせいか、内側に内側に花が咲き、あまり華やかな感じになっていない。今年はしっかり根付いているようだから、花が終わったら剪定の仕方を調べて、枝ぶりを整えよう。

 下に防草シートを施した砂利の隙間から、(やぶ)(がらし)逞しく顔を出し始めた。

 旺盛な生命力には感服する。聞くところ、藪枯のこれくらいの若芽は喰えるのだそうな。試したことはないが、お(ひた)しにするとピリッとした辛みがあり、山菜のような歯応えと舌触りが楽しめるのだという。一説に、藪枯という名称は、旺盛(おうせい)蔓延(はびこ)って他の植物からなる(やぶ)をも枯らすからというのが由来らしいが、他説に、「食味がピリッと辛いから」というようなものもあるようだ。つまり、「藪(から)()」というわけだ。

 だが、庭に蔓延(はびこ)ると建物にまで()い上り、植木に巻き付いて枯らしてしまい、大変なことになるのは、昨年までの十何年というもの、庭を放りっぱなしにしていた幾歳月で散々体験、かつ実証済みである。

 藪枯は抜いてしまってはダメで、葉をつけさせたまま効き目の強い除草剤をかけるのが最も効果的であることを去年知った。去年そうしたところ、夏以降全然藪枯に悩まされることがなかった。

 今年こうして芽が出るのは、冬の間地下茎がゆっくりと力を蓄えたからなのだろう。なにやら健気(けなげ)というか不憫と言うか、惻隠(そくいん)の情を覚えぬものでもないが、そこはオッサンの厚かましさと冷酷さ、無情に「ラウンドアップ」をふりかけて回る。

 抜かずに薬剤をかけると、葉から毒成分が吸収され、広く地下茎も枯らすのだ。ただ、掘り出して撲滅しない限りは、どうしても年々芽は出るようだ。

投稿者: 佐藤俊夫

 50代後半の爺。技術者。元陸上自衛官。2等陸佐で定年退官。ITストラテジストテクニカルエンジニア(システム管理)基本情報技術者

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