誰がやっても汚い所作

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 他人(ひと)の宝物をかじるようなマネを、よくできたものだと思う。調子に乗ってやってしまったのだろうが、とても是認はできない。

 しかし、こんな馬鹿げた事件が起こることについては、その前置き、前提というようなことがあるのだ。

 いつの頃からか、金メダルに輝いた選手が感極まってメダルを口にくわえるというようなことをするようになった。昔は、オリンピックの選手はこんなことはしなかった。最近、誰だったかがやるようになって流行り出したのだ。

 いや、勿論(もちろん)、選手本人は、自分が掴んだ栄冠でありメダルなのであるから、噛もうがしゃぶろうが飲み込もうが捨てようが辞退しようが、それは随意勝手というものであり、他人がどう思おうが好きにすればよいとは思う。

 だがしかし、私には、メダルを口に(くわ)えるというのは、川村何某市長がやるのであろうと、選手本人がやるのであろうと、どちらも綺麗な所作であるとは思えないのだ。

 日本では、(あそびめ)が小判や一朱二朱と言った小銭を貰うと、こうしたことをしたのだ。つまり、鐚錢(びたせん)贋金(にせがね)でないことを確かめるのに、糸切り歯でカリッと齧り、金箔押しの贋金だったり歯型の着かぬ鐚錢だったりしないかということを確かめたのである。つまり、これは上品なこととは言えず、どちらかと言えば卑しい行為である。

 そうしたことを思い浮かべてみても、選手がメダルを齧るのは美しいことではない。誇り高い日本人選手は、下品な白人選手がこんなことをいけしゃあしゃあとやっているのをわざわざ真似する必要はないと思う。日本人は自らの価値観に従い、堂々と金メダルを首にかけ、胸を張るといいと思う。

 そういう下敷き、前提があって、他人が勝ち取ったメダルなのに、阿呆なオッサンがまるで自分が勝ち取ったものでもあるかのように思い込み、それを齧るような真似に及んだのだ。だから、これからは、選手もメダルを齧るような下品な真似はやめた方が良いと思う。

投稿者: 佐藤俊夫

 50代後半の爺。技術者。元陸上自衛官。2等陸佐で定年退官。ITストラテジストテクニカルエンジニア(システム管理)基本情報技術者

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