供養

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職場にて

 私 「定年後も働かなければなりませんな」

同僚 「まったくで。お互い年金なんか貰えないでしょうからね、このぶんだと。」

 私 「何かいい商売か仕事でもないもんですかねぇ。老境でもラクに儲かるような。」

(しばらく沈黙)

同僚 「ないですね、ハッキリ言って。アナタも私も、大して学があるわけでもないですしねぇ」

 私 「やっぱり、私ら、間違いでしたよねえ、もっと人の上前をハネて生きている連中のマネをしとけばよかったですねぇ、金貸しとか株屋とか。ま、今更ナンですけど。」

同僚 「う~ん、しかし、今からでも脳漿を絞れば、なにかなくはないでしょう、元手の少ない、ピンハネ系の儲け話なんかが。」

 私 「果たしてあるでしょうかねぇ、そんなウマい話が。トレーダーなんて言ったって、言い換えれば『プー』ってことですからねぇ。」

同僚 「『百姓百層倍、薬九層倍、坊主マル儲け』ってねぇ。ボロい商売って言うと。」

 私 「なるほど、結局、付加価値をいっぱい付けて売るか、あるいは、値打ちがないかもしくは不明なものに値段を付ける、ってことでしょうかねぇ、『薬九層倍、坊主丸儲け』ってところは。」

同僚 「元手が少ない極北っていうと、やはり、『坊主丸儲け』、つまり宗教でしょうかねえ、定年後は。」

 私 「ああ、なるほど、教祖になるわけですね。儲かるでしょうね。」

同僚 「まあ、でも難しいでしょうなあ。みんなから祭り上げられないと、儲けにはなりませんからな。」

 私 「既存の宗教で、もっともらしい人の道だのなんだのは、経典やらなんやらでもう大概論述済みですからねえ」

同僚 「既存の宗教の経典のいいとこ取りで、ツギハギのもっともらしい経典を作るのが手っ取り早いでしょう。インターネットでテキストはいくらでもコピペ可能ですし」

 私 「そうするとあとは、何か目立つ新機軸を中心に据えるだけですな。思うに、人々の不安を煽って、カネを集めたり支配したりするのが宗教ですから、なにか不安要素をネタにすることでしょうねぇ。」

同僚 「古典的なところだと、『この木切れだか石ころだか掛け軸だか、なんだかわからないけどそれを拝まないと地獄へ落ちて死ぬより苦しい目にあうぞ』とかね。頭の悪い奴に根拠のないことを吹き込んで不安を煽って、そんでカネにしてますよね」

 私 「そうやって改めて考えると、前生とか後生とか、まったく何の根拠もない不安を捏造したり、『地獄』などとバカみたいな妄想を煽り立ててて人々を制御しようってんだから、宗教ってあざといですよね。なんかハラ立ってきた。」

同僚 「お腹立ちはもっともですけれど、そこをうまいぐあいに取り入れて、定年後ラクに儲けることを考えましょうや。」

 私 「う~ん、う~ん・・・あっ、一つありますよ。」

同僚 「ほう、ありますか、宗教のアイデアが」

 私 「ありますあります。いや、元ネタは以前にどっかで見たことがあるモンなんですけどね。だから完全オリジナルじゃないですけど。」

同僚 「ほうほう、で、どんなアイデアです?」

 私 「まあ、慌てず聞いてくださいよ。今や、インターネットやパソコン、携帯電話、すなわちITだの情報通信だのは、社会に広く浸透していて、必要欠くべからざる、ま、いわば社会インフラになっているワケです。ま、アンタも私も、だから食っていけている。ITは私らのメシのタネでもありますからな。」

同僚 「ふむふむ」

 私 「で、ところがですよ、ITとかインターネットがこれだけ社会を支えていながら、バカな奴にはその細部はウッソリとした雲みたいなもので隠されて見える。なにか、根拠のない、漠然とした不安なんかをそこから覚えるわけですよ」

同僚 「不安って例えばどんな?」

 私 「すぐわかるところでは、ウィルスとかハッカーとか。あるいは、ネットを通じて官憲によって私生活が監視され、特高警察に逮捕されて軍国主義になっちまう、とか、アホな官公庁が情報を流出させて、善良な市民のすべての私生活が白日の下に晒されて恥ずかしくて生きていけなくなるとか、そんなことばっかり言い立ててる連中がいるでしょ。」

同僚 「ああ、なるほど。ウィルスなんて、トレンドマイクロがマッチポンプで作ってんじゃないかとか、よく冗談で言いますもんねえ。ま、ある種、不安を煽ってカネにしてますよね」

 私 「で、ウィルスにやられたり、ハッカーにやられたり、情報が流出したり、ま、私らが言うセキュリティリスクですけど、でも、ぶっちゃけ、こんなもん、『運』ってものもあるじゃないですか」

同僚 「ああ、運は大きいですよ」

 私 「それでね、インターネット上のそういう、困ったインシデント、しかも運が左右するような、こういうのにですね、もっともらしい、祟りとか怨念とかいう理由をつけるわけですよ」

同僚 「う~ん、でも、どんな理由をですか?」

 私 「ソコですよ。つまりね、インターネットってのは、所詮パケット通信じゃないですか」

同僚 「ふむふむ」

 私 「で、インターネットでは、常時、何千兆という数のTCP/IPのパケットがですよ、グルグルグルグル、ルータやらスイッチやら、地中を潜り海を越え空を超え、宇宙を経由すらして、飛び交いつづけているワケです。」

同僚 「ははぁ、トラフィック交換所なんかになると、もう、東京とかニューヨークどころじゃないですねえ、パケットの海みたいなモンになって。」

 私 「この、無数の、名もなく従順なパケットたちの努力によって、インターネットは支えられておるワケですよ。」

同僚 「ふーむ・・・」

 私 「ま、決まった任務を果たすか、寿命が来れば、パケットには『TTL』があって、ルータなんぞに捨てられてしまいますわな」

同僚 「なるほど」

 私 「で、ね、こうやって日々、生まれてはまた黙々と死んでいく何千兆というパケットもね、数が数だけに、中には果たせぬ渇望とか、恨み、怨念なんかを残して、通信障害なんかによって、あたら若い命を散らす奴もいないとは限らないと思うんですよね」

同僚 「おっ、なにやらスイッチが入ってきましたな、得意なヘンなところに」

 私 「そういう無念な死を遂げるパケットは多くはないとは思うんですけど、でもほら、数が数だけに、積もり積もるとかなり大きな怨念が蓄積する。」

同僚 「それはちょっと怖いかもしれませんな」

 私 「そういうパケットの怨念が積もり積もって、あるスレッショルドレベルみたいなものを超えると、大規模なシステム障害に見舞われたり、コンピューターウィルスの流行などが起こったりするワケです」

同僚 「はは~ん、古い話ですけど、みずほ銀行のシステム障害とか、パケットの怨念のせいにすればカンタンですな。」

 私 「で、だ。こういうパケットの怨念を捨てておくと、今や社会インフラとすらなっているインターネットに霊障が出てしまう、なんとかしなければなりませんよ、そこで、当寺が仏縁なくして亡くなった寄るべなきパケットの魂を手厚く回向し、責任をもって永年供養いたします、と、こうやるワケです」

同僚 「おっ、これはカネが取れそうですな!」

 私 「でしょ?で、月々供養料というか香華料みたいなものを集めるわけです。あと、さっき言ってた、コピペで適当に作った経典にもっともらしいどっかで聞いたような人の道みたいな警句のクッサいヤツをめいっぱい盛り込んで、これも値段を付けて売りましょう。当然、ダウンロードPDF販売。紙代がもったいないですからな。読経とか法事はストリーミング映像配信で手っ取り早くイっちゃいましょうや。」

同僚 「宗教ですから、税金もいりませんな」

 私 「あと、どっかの宗派がタイコ叩いたりしますけど、こっちはウェブ上の本尊の画像かなんかを100万遍クリックすると修行になるとか、テキトーに行法を作るわけですよ」

同僚 「なかなかキビシイ教えですな」

 私 「でしょでしょ?そんで、供養料を納めなかったり、経典PDFをダウンロードしないような不信心なネットワーカーには、『祟りが来るぞ、情報流出してしまうぞ、捨てたパソコンが地獄に落ちて、お前の恥ずかしいデータやネットバンキングのパスワードなどが晒されてしまうぞ、2ちゃんねらーがブログに大挙してやってきて炎上してしまうぞ、いいのかオイ』みたいな不安をどんどん煽るワケです。」

同僚 「なるほど、『パケット供養寺』ですなっ?」

 私 「いかがなもんでしょう。定年後、一緒にやりませんか?」

同僚 「いや、お断りします。」

 私 「なんでですか?このアイデア、ダメですかね。」

同僚 「ええ、ぜんぜんダメです。っていうか、クダラネェです。」

 私 「・・・。」orz

年末にあたり

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 年末にあたり、今年1年を総括する。

 年頭には・・・

https://satotoshio.net/oldblog/my_housing/2007/01/post_ce72.html

  1.  バイエルを100番弾くこと、できることならショパンのノクターン2番も。
  2.  テクニカルエンジニア(システム管理)の試験に、今年こそ合格すること。

 こういう二つを目標に掲げていたのであった。

 このうち、「2.」の、「テクニカルエンジニア」については、天も照覧あれ、見事なしとげることができた。ただ、その後、目標になかった「システムアナリスト」を受けて落ちたため、なんだか今年前半のテクニカルエンジニア合格までが汚れてしまったような気がして残念だ。

 で、「1.」の、「バイエルを100番弾くこと、できることならショパンのノクターン2番も。」というのは・・・今となってみては無謀といわざるを得ぬ。いや、マジでムリですって、コレ(笑)。

 そんなワケで、ま、総評50点ですな、私の平成19年は。 

秋の情報処理技術者試験

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 今日は秋の情報処理技術者試験の試験日であった。前回合格したテクニカルエンジニアの試験から、半年空けて立て続けの受験である。

 今回は最難関、「システムアナリスト」にチャレンジした。実のところ、8月を過ぎる頃までは、かなり懸命に勉強した。が、9月に入ってから難しさに音をあげ、すっかり勉強を投げ出してしまっていた。

 だから、周りの者にも、予て「俺、落ちますから」と言いふらしていたし、試験場におもむくにも、「ま、どうせ今日は落ちるんだからさ、問題が手におえなければ、さっさと帰ればいいんだよな」というくらいの気持ちである。

 試験は、東京・芝の「共立薬科大学」というところで行われた。東京タワーの眺めがよいところである。It_exam_tokyotower 今日も秋晴れ、雲が少なく、紺色の空が広がっていた。私はそこの4階の大きな講堂で試験を受けた。

 結果は、マァ、落ちたと思う。落ちたと思うのだが、それはそれとして、試験を受け始めてみると、「あれ、これは解ける。あ、これもわかる」と、ひと月近くも勉強を投げ出してしまっていたわりには、けっこう、どんどん解けて、調子が良いのだ。

 試験は午前試験、午後I試験、午後II試験と日中まる一日あるのだが、結局、そんなわけで、途中でやめずに全部受けてしまった。そうなると、投げてしまっていたわりには、その投げ出したラスト一ヶ月間が急に惜しくなってしまう情けなさである。

 この試験の午前中の問題は、だいたい75%正答すれば、合格する。「だいたい」というのは、「IRT理論」とて、受験者の回答具合によって配点の比率が動的に変わるからで、70%の正答では、正答数が同じでも、落ちる者と合格する者が出てくるのである。つまり、70%は悲喜のボーダーラインなのである。

 試験にまったく歯が立たなければ、家に帰ってもそのまま問題などうっちゃらかしてしまっているところだった。だが、こうしたわけで未練の出てしまった私は、さっそく自己採点をした。今は、試験終了次第、ウェブサイトで解答が出るのである。そうすると、その「70%」という、実にビミョーな、期待して待てばよいのか、あきらめてさっさと寝ればよいのか、どうすればよいのかわからない「ピッタリ」ボーダーラインの正答数ではないか!!

 まったく、勉強を投げ出してしまったことが、これほど更に未練を引きずることにつながってこようとは・・・。

 発表は12月17日。それまで2ヶ月、あきらめていながらひょっとして・・・?という不安定な気持ちで過ごす。これも私らしいか。

原子爆弾の投下は

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 白人がいかなる修辞をもって詭弁を弄しようと、原爆の投下は戦争犯罪であり、それを命じた合衆国大統領は戦争犯罪人であり、爆撃機の操縦者その他も同じく戦争犯罪人である。

 米国は独裁国家ではなく、民主国家であった。米国内の合法的かつ民主的手段によって原爆の製造と投下を命じた卑しむべき大統領は選ばれた。専制君主が民衆の意図とかかわりなく恣意によって原爆を製造して投下したのとはちがう。それはアメリカ一般民衆の総意であった。と、いうことは、アメリカの市民一人一人は、同時にすべて文明の敵であり、戦争犯罪人である。

 日本の神社が彼らによって卑しまれる限り、キリスト教とアメリカ人はおなじく卑しまれ、蔑まれる。

 「いわゆる『9.11』テロは、歴史に新時代を記す壮挙であって、WTCに突っ込んだイスラム戦士は顕彰されるべき英雄だ、9.11によって数百万のアメリカ人が結局は救われた」などと言われて喜ぶ米国人がいるなら話は別だが。

 Even if white men make any kind of excuse, it is war crimes to have dropped an A-bomb on Japan.
 President of United States of America which ordered by an atomic bombing is a war criminal.
 The pilots of the bomber are war criminals, too.

 The United States of America was not an autocracy. It was more always than World War II a democracy.
 The President of United States of America was chosen in election. The President was chosen by the legal, democratic means of the United States of America. And the President ordered by an atomic bombing.
 An absolute monarch did not ignore the intention of the people. The President did not let you produce atom bombs forcibly. The President did not drop an atom bomb on Japan by force.

 In other words an American citizen did the holocaust with the atom bomb.
 In other words it is an enemy of the civilization, and all the American citizens are war criminals.

 If a Japanese Shinto shrine is looked down upon by them, Christianity and the American are looked down upon in the same way.

 "9.11 terrors are historic splendid attack. The mujahedin who entered into the World Trade Center is a splendid hero. Millions of Americans did not die by 9.11 terrorism. "

 My opinion withdraws it if there is an American pleased to hear such words.

テクニカルエンジニアに合格した

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 IT系国家試験であるところの「情報処理技術者試験」のうち、けっこうな難関とされている「テクニカルエンジニア(システム管理)」というのをゴールデンウィーク前に受験した。(『今日は春の情報処理技術者試験』参照)

 今日発表日で、合格できた。合格率10%以下だったが、なんとかなった。

 去年はこの資格に落ちた(『テクニカルエンジニアの試験に』参照)。悔しかった。

 ほしかった資格なので、嬉しい。

テクニカルエンジニアの試験

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 情報処理技術者の試験のうち、「テクニカルエンジニア(システム管理)」というものの試験を受けにいった。

 長ったらしい名前だが、昔の「特種」の試験と同じようなものと言った方が通りがいいかも知れない。

 試験場所は赤羽の「成立高校」というところで行われたが、高校の机は小さいこと。肩が凝って難儀した。

住宅ローンの足しに

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 ひとつ、住宅ローンの足しにでもしてやろうと、資格を取った。




 情報処理技術の開発者側の試験としては、一番簡単なヤツである。一番簡単とはいうものの、メシのタネにまではならずとも、一応メシの足しにはなる。この資格に手当てをつけてくれる企業も多い。
 この試験の受験者の平均年齢は24歳であるそうな。ワタシは今37歳。なんだか、試験場では気恥ずかしくもあった。が、居並ぶ若造どもの自己実現意欲なんぞ、「払うぞ住宅ローン!!」という、自己実現とは異質なモチベーションで燃え上がっているワタシの気迫の比ではないのであった。で、スンナリ合格。
 今をときめく「年金未納3兄弟」の一人、中川経済産業大臣の認証であるのはご愛嬌。ちょっとイヤだけど(笑)。