一杯

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 一杯。

 さて今日もキコシメそうかな、何か肴は……と思ったが、適当なものがない。

 そういえばこの秋は柚子味噌(ゆずみそ)を作らなかったな、などと思い出す。柚子味噌は晩秋の青柚子でも旨いし、冬のさなかの、黄色く大きく熟れた柚子で作っても旨い。

 しかし、冷蔵庫に柚子はない。

 台所をあさるとレモンがあった。饂飩(うどん)にレモンを絞りかけたり、輪切りを浮かべたりするととても旨いことを思い出した。特に肉饂飩(にくうどん)などには非常に合い、肉が柔らかくなるばかりか、肉の臭み消しにもなる。

 そこでまったくの思い付き、「レモンの焼味噌」を作ってみた。

 レモンを半個輪切りにし、絞って果汁をとる。このとき、種を丁寧に取り除く。絞りかすの内側の果肉を袋ごとスプーンでこそぎ取り、まな板の上で細かく刻み、包丁でよく叩く。これを果汁に混ぜ合わせる。

 レモンの皮も細かく刻み、包丁でよく叩き、これも果汁に混ぜ合わせる。

 八丁味噌を大(さじ)(ふた)匙ほど、上記果汁に混ぜ合わせる。

 電子レンジで3分ほど火を通す。

 熱く煮え、水分が少し飛んだ味噌を木杓文字(しゃもじ)か木(べら)に塗り付け、火で(あぶ)って()がせば出来上がりだ。

 ほろ苦く、香りがよく、塩気が利いて旨い。好みで葱のみじん切りなどを混ぜても旨いだろう。

 写真に木箆ふたつ分が写っているが、これで4合くらいは飲んでしまえそうである。

九相(くそう)、死生、メメント・モリ……

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 珍しく、かつ殊勝にも死生観なんぞということを考えていて、ふと、若い頃気になった「メメント・モリ」という言葉を思い出した。いつ頃だったか定かに思い出せないが、その「メメント・モリ」という題の本が書店に置かれているのを見つけたことがあったのだ。

 それは画集のような本で、(めく)ってみると、「メメント・モリ」というラテン語の題名とは裏腹に、中身は日本の中世の頃の、ある主題の掛図などを集めたものだった。美しい女が死に、野にその(むくろ)が放置される。醜く腐乱死体となりはて、禽獣に喰われ、ついには白骨が散乱するという様子を描き、彩色を施したものが集められていた。

 その図画は宗教的なもので、生死にとらわれぬ解脱(げだつ)の境地を得るため、僧侶などが修行で見るものであったかとおぼろげに記憶する。しかし、ああいう図画の事をなんと言うのだったか、今はもう忘れてしまっている。

 改めてGoogleで少し検索するとわかった。あの種類の図画は「九相(くそう)図」と言うそうで、中世頃によく取り上げられた画題だそうである。この図を使って宗教的な思惟(しゆい)を行うことを「九相(くそう)(かん)」と言うそうな。

 中世では、死体が脹相(ちょうそう)壊相(かいそう)血塗相(けちずそう)膿爛相(のうらんそう)青瘀相(しょうおそう)噉相(たんそう)散相(さんそう)骨相(こっそう)焼相(しょうそう)という9段階を経てついに無に帰するとされていた。これが九相図の「九相」である。

  1.  脹相   死体が腐敗ガスで膨張する。
  2.  壊相   腐敗が始まり、死体が崩れはじめる。
  3.  血塗相  死体の崩れ目から血があふれ、これに(まみ)れる。
  4.  膿爛相  膿のような汁液で爛れ、腐乱する。
  5.  青瘀相  青黒く変色し、ミイラ化する。
  6.  噉相   禽獣が寄ってきて、食い散らかされる。
  7.  散相   バラバラになる。
  8.  骨相   白骨化する。
  9.  焼相   骨片が焼かれるなどして、ついに消えてしまう。

 最初の「脹相」などというのを見ると、古人も死体をよく観察していたものだな、と思う。死後しばらく経った死体を見たことがある人ならわかることだが、腐乱し始める直前の死体は膨れ上がるのだ。顔も同様で、眼庇(まびさし)のあたりが膨れ、巨人症の人のような顔つきになる。監察医など、法医学に携わる人々はこれを「巨人(よう)顔貌(がんぼう)」などと言うようだ。このようになる理由は、濃い塩酸である胃液により胃腸が溶解し、そこからガスが発生して腹部をはじめとした死体の各部を膨満させるからである。

 「九相図資料集成―死体の美術と文学」という本があったから、見てみた。これでもかというほど、何度も何度も、美しい女が腐乱死体に、そして白骨となって散乱し、消滅してしまうありさまが描かれる。

 ラテン語の「メメント・モリ」は「死を想え」という意味だそうだ。そうしてみると、九相図をもってする九相観は、まさしくメメント・モリ以外の何物でもあるまい。但し、「メメント・モリ」は、明示されてはいないけれども、死を思うことによってより生を高めようとする現世利益的でポジティブな感じもする。他方、「九相観」は、死にすらとらわれない境地を得るためにひたすら死を直視する。死への傾斜、死ぬことへの耽溺、更に言えば死への鈍磨(どんま)や病性のようなものが感じられ、少し不健康な気がする。

キャリア回線、家族で一人になってしまった

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 妻の携帯電話を買い替え、同時に「MVNO」、つまり安いSIMに替えることにした。これで、家族のうち妻と子供たちは皆MVNOになり、キャリア純正回線はついに私だけになってしまった。

 妻と私の携帯電話はNTTドコモのもので、6年前の「SONY Xperia A SO-04E」である。当時二人で揃えて買ったのだ。同じものにしておけば、私が利用方法などを調べ、ITに(くら)い妻に手っ取り早く教えることができたからである。

 私のほうの電話は一昨年の夏に一度、「ほとんど丸ごと交換」というくらいの大修理が無料で施されているからまだまだ使えるが、妻のほうはUSBの端子などがダメになってしまい、修理の見積に持って行くと「ウン万円」で、しかも新機種への交換を勧められ、これがまた「ウン万円」だという。

 これはもう、安い端末買って、回線もMVMOのSIMに乗り換えだな、ということに決した。多少の途中解約金を払うことになるが、そんなの、3カ月ほどで相殺されてしまう。

 妻は携帯電話の多彩な機能を大いに活用するというほうではない。そこで、無駄な機能がなく、しかも普及している「iPhone SE」を妻にすすめた。長女の携帯電話がiPhone SEなので、使い方などをお互いに聞けるだろうと思ったのだ。だが、妻は画面の小さいのが嫌だという。さりとて、iPhone Xなどには使わぬ機能が多すぎる上、高価すぎる。それで安いAndroidを選ぶことにした。結局ASUSの「Zenfone 4 Max」にした。

 SIMは娘たち二人に与えているOCNの「モバイルONE」、月3GBの回線で、月々1500円かそこらで済む。それに、OCNはNTTの系列企業なので、物理回線は結局のところNTTドコモのものを使っており、回線の網羅度合いや品質の点で安心である。

 「MNP」で同じ電話番号を引き続き使えるようにした。

 すべては自宅からのネット手続きだから、居ながらにして手軽に契約できるが、免許証の画像を送信するなど、細々(こまごま)としたことが多少あり、小一時間ほどかかる。

 さて、妻の回線が安くなったが、うーん、もういっそ、自分のもMVNOにしてしまおうかなあ……。

ストーブ

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読書

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 国会図書館へ来たので、「東京タラレバ娘」の続きを読んだ。第9巻。

 読み終わってから知ったのだが、この漫画はこれが最終巻だった。去年の夏、7月に出ている。

 面白かった。

 国会図書館のシステムがリニューアルされて使いやすくなっている。「カート」に申し込みを一時溜めておき、まとめて申し込むことができるようになった。前はこれができなかったのだ。

読書

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 司馬遼太郎「菜の花の沖」、全6巻を読み終わる。

 最終巻の第6巻では、第5巻で詳しく語られたロシアの背景をばねに、物語が急展開して「結」に向かう。主人公高田屋嘉兵衛の、人生最大の、高田屋嘉兵衛を高田屋嘉兵衛たらしめた有名な事件が起こるのである。

 ロシア海軍人・リコルド少佐との濃密な人間関係の構築が余すところなく描かれる。嘉兵衛の人間力は破天荒なまでに発揮され、かつ、また、彼が商人として篤実に培ってきた実務能力が日露両国の関係を完全に調停する。

 後日談として、高田屋嘉兵衛が亡くなるまでのことが淡々と語られる。

 さて、もともとこの読書は、去年の立春頃、つまり、今の季節より2~3週間後頃、同郷の先輩Hさんと「矢切の渡し」を見物に行った際Hさんから聞いていたのを、最近になってやっと読めた、というものであった。Hさんお(すす)めのものであるだけに、読み応えがあり、楽しい読書であった。

読書

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 引き続き読み進む。司馬遼太郎「菜の花の沖」第5巻。

 この巻では相当長々と主人公高田屋嘉兵衛とは直接関係のない、しかし物語上重要な当時の状況、ロシアとの国際関係、国内の政治状況などが作家・司馬遼太郎自身により語られる。そのページ数たるや、53ページから387ページまでの335ページに及ぶ。全部で414ページ中の335ページだから、この第5巻の8割はそういうページで占められている。

読書メモ
言葉
()

 この作品中に、度々、主人公高田屋嘉兵衛と前後する時代の船頭、「大黒屋光太夫」が登場する。沖船頭で、東廻り(太平洋)で難破・漂流し、アリューシャン列島に漂着、紆余を経て貴顕の教授ラクスマンの助力によりロシア皇帝エカテリーナ2世への謁見まで許された。やがて皇帝の力により送還され、10年後に帰国した人物だ。

 帰国後、光太夫の体験談を幕府の奥医師で蘭学者の四代・桂川甫周が聞き取って書きまとめたものが「北槎聞略(ほくさぶんりゃく)」であり、今に伝わる。

 この書名の「北槎(ほくさ)」というのは何かということだが、「()」は「いかだ」とも()み、してみると「北槎」とは「北の筏」、ひいては「北方の漂流」というほどの意味である。

 下の「聞略」のほうは「聞略」でひとつではなく、どちらかというと「北槎聞」の「略」ではあるまいかと思う。つまり、「北方の漂流記」の「概要」とでもいった意味が妥当であろう。

土鍋

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 鍋物が旨い季節になった。昨日も我が家は鶏肉(かしわ)の寄せ鍋であった。

 しかし、カセットコンロのガスボンベの入れ替えがだんだん面倒になってきた。いや、こんなことさえ面倒がるようではいけないということはわかってはいるが、いろいろと安全上の心配もある。

 我が家には、ふとした機会に購入した卓上用のIHヒーターがある。これを使えば良いようなものだが、我が家の土鍋はIH対応ではない。

 そこで、一つ新調することにした。萬古(ばんこ)焼の9号。

 まったく、なんと良い時代であろうか。昨日ポチッて今日届いた。

今週雑聞

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コンサル男

 笑った。いい記事だと思う。最近の記事ではなく、3年ほど前の記事だ。

 ……これはもう、男女関係のことでなくても、感じるところがあるね。私が30歳前くらいの頃、職場にいた直上の上長がこんな人種だった。

「日本側は忠実に履行」……?

 日韓合意に関して韓国大統領文在寅(ぶんざいゆう)の腰の決まらなさっぷりが報道されている。

 その都度、報道では「日本側は義務を忠実に履行している」とされ、多くの人々がそうだそうだと言っていそうに思うのだが、しかし、日本側が実施したことは具体的に何か、……と問われると私たちはどうも怪しいようだ。

 端的に言えば、「10億払った」ことが「忠実に履行した」内容である。

暴言西宮市長

 ……あー、でも、これさー、多くの人がみんな、薄々、

「実は悪質なのは読売の記者なんじゃねえの?どうせ腹の立つようなやりかたで挑発したんでしょ」

……って、気づいてると思うよ。

 いや、私は別にこんな無精髭のアンちゃんなんか支持しないし、だいたい、自分の住んでる市(埼玉県越谷市)の市長さんでもないから関係ないんで、味方でもなんでもないけどね。

おいおいおい、どうしたどうした大先生
以下記事引用

 妻の腕にかみつくなどしてけがを負わせたとして、警視庁高輪署が、作家で経済評論家の三橋貴明(本名・中村貴司)容疑者(48)(東京都港区港南)を傷害容疑で逮捕していたことが同署幹部への取材でわかった。

以上記事引用

 いやまあ、三橋貴明大先生の嫁ハンが10代、ってところもいろいろと問い詰めたいわけですが。あー、なんか、ウラがあるんでしょうね、こういうのって。