一字詠「注」

投稿日:
聞き流す上司の注意秋の風
(わり)(ちゅう)のある古書閉じて露寒し
銀漢(ぎんかん)(そそ)()(おん)とわが身かな
むさし野に(そそ)ぎて慈悲の龍田姫
(いっ)(しゃく)()(へや)(くら)(かね)(たたき)

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

投稿日:
松茸を売り切る店や(たな)(ざら)()
草の実や自転車押して雨のあと
()せてサドルに痛き(ふゆ)(どなり)

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

(ふゆ)(どなり)

投稿日:
(ふゆ)(どなり)居眠りの子の頬丸し
男らのハンドポケット冬隣
干し物のそよとも揺れず冬(とな)

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

文化の日

投稿日:

天皇陛下万歳

 祝日「文化の日」である。自宅の軒先に国旗を掲げ、拝礼する。

 もとは「明治節」であり、更に遡って明治大帝ご在世の間は「天長節」すなわち今日(こんにち)で言う天皇誕生日の祝日であった。戦後「文化の日」と改められたが、日本に文化を(もたら)(たも)うた明治天皇の御稜威(みいつ)を思えば、(けだ)し当然のことと言えようか。

読書

投稿日:

 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。第18巻の二つ目、「史記の世界 ――司馬遷」(武田泰淳著)を帰りの通勤電車の中、草加と新越谷の間の辺りで読み終わった。

 この書は司馬遷とその著書「史記」について徹底的に語るものである。が、しかし、その著述態度たるや、何が著者をしてかく著さしめたのかと推し量るに、それは司馬遷と「史記」への徹底的な愛、それも偏愛ともいうべき熱の如きものであると見てよいのではないか。私など、 “読書” の続きを読む

テーマ詠「タクシー」

投稿日:
運転手(はぎ)()ふ道を()しにけり
タクシーの止まる土手(どて)(ぎわ)曼殊沙(まんじゅしゃ)()
タクシーを()むる人ゐて(ふゆ)(どなり)
(ひな)みちを()くタクシーや(やま)()(どう)
柿の下ゆくタクシーの黄色かな

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

靴の踵に金物を打ち付ける

投稿日:

 今通勤などに毎日履いている靴は、ホーキンスの「AL IT5 PLAIN5 HB80150」というスクエア・プレーン・トゥのシンプルなモデルだ。安いが天然皮革で磨くとよく光り、気に入っている。靴底は特殊な素材でできており、雨の日でも滑りにくい。

 しかし、滑りにくいのはいいのだが、それと引き換えに柔らかく、踵がよく減る。

 靴本体は頑丈でなんともないので、踵の摩耗のためだけに靴を替えるのはもったいないなあ、と思っていた。

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(さか)()

投稿日:
人の子よ怒る(なか)れと木通(あけび)()
刀豆(なたまめ)(ひょう)(きん)独り箸をとる
(まん)(じゅ)(しゃ)()枯るやいましも晴れあがる
(さか)()けの手で茸飯(たけめし)をすゝめけり
自転車や(ぞう)()紅葉(もみじ)を散らすベル
枸杞(くこ)の実や粥吹く(くち)もくれなゐに
はる〴〵と茶室(たず)ぬや竹の春

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha