全音最新バイエル、原書と違って同じ曲を違う調で弾く所が2箇所ある。そのうちの一つがこの89番で、去年の暮れに原調のハ長調で弾いたところだ。
今度はニ長調・イ長調である。ボチボチと譜読みをはじめた。
一度は弾いた曲の移調版である。そう苦労することはあるまいと思う。
オッサンは生きている。
全音最新バイエル、原書と違って同じ曲を違う調で弾く所が2箇所ある。そのうちの一つがこの89番で、去年の暮れに原調のハ長調で弾いたところだ。
今度はニ長調・イ長調である。ボチボチと譜読みをはじめた。
一度は弾いた曲の移調版である。そう苦労することはあるまいと思う。
先週たしか土曜日から取り掛かっているバイエル81番、ようやく弾けた。
先週火曜日頃には不完全ながら6割ぐらいのデキで弾けていたのだが、それをこのブログに書こうとしたらサーバメンテナンスで書けず、そのままほうっておいたのだった。
ところが、その後がかかること、かかること。結局この曲に10日ほどもかかってしまった。
島崎藤村の「若菜集」に、「高楼(たかどの)」という詩がある。嫁ぐ姉とその妹との、夕まぐれのひとときの詩だ。
唐突だが、私こと佐藤、オッサン流に現代調へ翻案してみた。
「展望台」 原詩 島崎藤村 現代調への翻案 佐藤
お姉ちゃんが結婚することになりました。
ずっと一緒に過ごしてきたお姉ちゃん。結婚式までの間、寝ても醒めても、お姉ちゃんのことで頭が一杯です。
いよいよ明日はお姉ちゃんの結婚式です。
「ねえ、お姉ちゃん。ちょっと、展望台に行ってみない?」
と誘いました。お姉ちゃんは「うん、いいよ」と言ってくれました。
小さい頃にお姉ちゃんと、この山の展望台に何度も登って、息を切らせながら下を眺め、それからいろんな遊びをしたものです。
このところ、お姉ちゃんは結婚の準備もあり、忙しくて話もできませんでした。
だから一緒によく登った展望台に、お姉ちゃんを誘ったのです。
久しぶりに登る展望台の上からは、子供の頃から慣れ親しんだ、私たちの育った街の眺めが既にもう懐かしく、いっぱいに望めました。
「お姉ちゃん、明日着る服って、もう全部出来てるんだよね?」
「あたりまえじゃない、結婚式の前にウエディングドレスがないなんて、そんなことありえないわよ」
「ねえ、お姉ちゃん、ちょっと寂しくない?」
私の問いに、ちょっと間を置いて、お姉ちゃんが答えました。
「お別れっていうのは、何度もあるわよ、あんたも、私も、これからずっと。・・・なによ、あんたがそんなこと言うから、ちょっとしんみりしちゃったじゃない、・・・あんたと私と、お父さんとお母さんと、昔からずっと一緒だったよね。」
「お姉ちゃんは幸せだよね、好きな人とずっと一緒になるんだよね。明日からもうお姉ちゃんに簡単に会えないって思うと、寂しいよ。」
「あんたは、私と年も離れてるし、これから楽しいことがいっぱい、それこそいっぱいあるわよ。恋だってするし、友達と仲良くなったり喧嘩したり、やり甲斐のあることだって見つかるかもよ?・・・そのたびに、私を思い出すかもね。私、お嫁にいったら、あんたと離れちゃうし、ひょっとしたら、もう一生のお別れかもよ?」
「お姉ちゃんって、小さい頃から私のお姉ちゃんだったよ。眼も唇も、髪も綺麗で、私、いっつもお姉ちゃんみたいになりたいって思ったよ。もう、今日でおしまいなんだよね」
「いつも、あんたが楽しく明るくしてくれたわ。お姉ちゃんが綺麗だなんて、よく言うわよ。あんたの方が優しくて楽しかったよ。歌もうまかったし、ピアノを弾いたりして、小さいころから、あんたは面白かったなあ・・・もうあんたの歌とかピアノとか、聞けないんだ」
「お姉ちゃん、結婚したら、けっこう、大変なんじゃない?家のこととか、全部お姉ちゃんがするんでしょ?お姉ちゃんホントに心配だよ、病気になっちゃうんじゃない?・・・私、今日、お姉ちゃんにあげる花でも買ってくればよかったなあ」
「もう、何泣いてんのよ、しょうがない子ね・・・もう、泣かないで、かわいい私の妹が台無しじゃない、・・・拭いてあげるから、よしよし・・・お姉ちゃん、幸せになるから。あんたのこと、絶対忘れないから。」
バイエル81番、土・日かけてノソノソと弾き始めたが、どうも捗らぬ。公表すべきMIDIデータなど、とてもとても。
「同音連打の指練習」の次は81番である。
ボツボツと楽譜を読み始める。
全音「最新バイエル」、ページをめくると、「同音連打の指練習」とある。「ラ」ばかりをオクターブ飛びながら「132132」と弾いたり「32121、32121」と弾いたりするのだ。
無論、漏らさずマジメに練習する。
同音連打そのものは、今までにも90番や73番などで何度も出てきているので、それほど困難は感じないのだが・・・。
だがしかし、改めて取り組んでみると、こういうのがよくわからない。指を「タテに引っかくように」弾いてしまっていいものか、それとも横にスライドする動きなのか?
先生に習っていないと、こういう時に困惑する。だが、しかたがない。
とりあえず「タテに引っかくように」弾いた。今までの同音連打のある曲もそういう風に弾いてきたからだ。
土曜日から取り掛かっていたバイエル79番、弾けた。
これで70番台が全部埋まったことになる。
全音の「最新バイエル教則本」は、原書の番号の順序がだいぶ前後するので、90番台や100番台を弾いていても、案外と60番台や70番台が埋まるのに時間がかかったのだ。
子供に見せるのにちょうど良い、と、上野の国立科学博物館でやっている「大ロボット博」というのを見に行った。200円割引きの券を貰っており、今日が最終日だったからだ。
昼前に上野に着き、上野駅アトーレの寅八軒というところでオムライスやハンバーグを食べた。寅八軒の料理はとてもおいしかった。科学博物館へ行ったのは12時ごろか。最終日だからもう空いているだろう、などという甘い予想とは裏腹に、入り口は数百メートルに及ぶ大行列であり、入場まで50分待ちという恐るべき盛況である。
急遽、今日はまず動物園見物をして、様子を見てロボット博も見られれば見る、ということに切り替えた。これがけっこうな当たりだった。動物園というものは、概ねいつ行っても動物たちがダレ切っていて、やる気もなく寝てばかりいるというのが相場なのだが、今日はなぜかパンダもゴリラもクマもライオンもピンシャンと起きており、まず見られることのない、パンダが竹をむさぼっているところや、インドライオンのオスが続けざまにものすごい声量で咆哮しているところなどを見ることができた。
動物園見物を終え、ロボット展の最終入場が近づいてきたから、もういちど科学博物館へ足を運んでみた。ところが、終了間際だというのに、200メートル以上は行列が続いている。少々たじろいだが、せっかく来たのだから、と、30分近く並んで入った。
日本の古い茶運び人形や、自律式の優れた産業ロボットなどがあり、面白かった。産業ロボットの動きが健気に見えて、涙ぐましくさえあった。ピアノの自動演奏装置などもあった。
ホンダの「ASIMO」が目玉になっていて、大変な行列ができており、「ただいまからご入場のお客様には残念ですがASIMOはご覧になれません」と申し渡される始末である。それもあり、私にはあまりASIMOは面白くなかった。なんだかもてはやされ過ぎのわりには、大したことができないように思えるからだ。ソニーがエンターテインメント用途で開発したパラパラを踊るロボットのほうがよっぽど優れている。なのにソニーがあのロボットから撤退してしまったのは実に残念だ。
だが、それはそれとして楽しい日曜日だった。
全音最新バイエル、また少し番号が戻る。今度は79番である。ゆっくりと楽譜を読み始める。
今度は「イ長調」の練習である。#が三つ、ド・ファ・ソが黒鍵だ。
前回の変ロ長調と違って、指くぐりがいつもと違う指ということはないから、それほど苦労せずに済んだ。あっという間である。