今週時事色々

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 新聞・テレビ嫌いの私が、やたらと新聞サイトのリンクを貼りまくるのもどうかと言う感じだが、まあ、時代の記録、ってところで……。10年後あたりに読み返すための覚え書き。

eは鋭アクセント付き

 「Pokémon GO」で閉じた週だったなあ、などと思いつつ。帝國大朝日新聞サイトでは文字コードの関係か、

「Pokemon GO」(ポケモンゴー、eは鋭アクセント付き)

……と、強迫神経症気味にこればかり書いているのもいとをかし、である。

 口に出す時など、この読んだ文字列がクセになってしまい、

「ぽけもんごお、いぃはえいあくせんとつき」

などと言ってしまいそうである。

 帝國大朝日サイトでは、多分、欧文を必ず全角で書け、というルールにでもなっているのだろう。

 カッコ内の「ポケモンゴー」というのも、音節が「ポケ」と「モンゴー」の間に入りかねない感じで、これでは「ぽけ紋甲」とかいうよっちゃんいかの新製品か何かのように聞こえ、なかなかキュンッとなる金曜日であった。

癌治療法

 驚いた。ウィルスをさながら家畜の如く馴致(じゅんち)し、がん細胞のみを感染症に(かか)らせて死滅させるという。この療法が進歩するように祈る。

危険地域とトルコの件

 まことに不謹慎で申し訳ないが、思わず吹き出してしまった。上野の西洋美術館が世界文化遺産に決定された、その会議地がイスタンブールで、発表がクーデター騒ぎの最中だった時も正直「へ?」と思ったが、こういうことなのね。

 しっかりやっとくなはれや、外務省はん。

大学

 こんな記事読んで、バカじゃねえかコイツ、だったら大学行くなよ、対価の分を得たんだろ、そこをポンッと徴兵制にすり替えて妙に政治っぽいこと言うんじゃねえよクソガキぁ、……などと思っていたら、今度は……

……なんてことを言ってる爺がいる。あのなあ、給料安いって?かたやは借金地獄だって言ってんだぞ。

 奨学金だ徴兵制だと言い立ててる連中に抜けてるのは、「大学の学費が高い。教員の給料下げろ」なんだよな。大学なんてお公家さんの集まりみたいな贅沢な所はアホみたいに寄付金取るしな。そんで、大学の先生連中は軍事研究絶対反対とかホザいてたくせに、変節もいいところ、カネカネ言って、防衛省あたりの研究費なんかツマみはじめて、何してんだよ、と。

 思うんだけど、「青年の高等教育」と「研究開発」を一緒くたにするから、こういうふうになるんじゃねえの?子供を大学に行かせている親だって、奨学金借りてる大学生だって、「教授の給料を払うことにより、日本の研究開発の経費を負担している」なんて意識、ないよ。よくても「大学の軒庇(のきびさし)のもとで勉強する」ために払うのであって、もっと下司味(ゲスミ)の言い方すれば、ほとんどの連中は「自分の子供を『大卒』にする」「自分が『大卒』になる」という、タイトルが欲しいだけだ。

 お前ら大学屋の商売の面倒見てやってンじゃねえんだよボケ。身の程(わきま)えとけ馬鹿野郎。

ドナルド・トランプ

 安全保障がらみは影響大よの~……。閉じこもるアメリカ、複雑な同盟敵対、イスラム……て、第1次大戦の開戦原因の要素と似てんだもの。

 第1次大戦の開戦原因って、セルビア皇太子云々、てのは引き金に過ぎなくて、第1次大戦当時は、戦ってる各国とも、「なんでオレんとこ、戦争してんだっけ?」ってわかんなくなっちゃってたのよ。単に同盟関係で次々に参戦しただけなんだよ。そして、その結末は結局第2次大戦につながって、ドイツ敗戦の成り行きで余った原爆、日本に叩き込まれたんだからさ。

訃報

 どんどん昭和の跡が消えていくなァ。

 参議院に比例代表で当選したのにすぐやめちまったり、政治的な発言などは大嫌いだったが、亡くなったとなれば話は別で、祈冥福(めいふくをいのる)

大丈夫か?っていうか、大丈夫じゃない気もする。

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 逮捕6千人、ってのは、尋常の沙汰じゃない。

マホメットからトルコまでをいい加減にたどる

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 少しでもイスラム教徒に心を寄せようと言う気持ちもあって「千一夜物語」など読んでおり、昨日読み終わったところだった。

 その感想文を書いて、ふとニュースを見ると、トルコでクーデターだと言う。驚いてしまった。

 トルコというと、首都アンカラよりも、この「なつメロ動画」のイスタンブール、つまり古都コンスタンチノープルのほうにどうしても心が動かされてしまう。というのも、千一夜物語の読後感を深くしようと思って、ちょうど、昔習ったサラセン帝国、今でいうイスラム帝国の歴史を年表などでたどっていたところだったからだ。

 中東の一大帝国、文化も軍事も並ぶもののなかったイスラム帝国は、マホメット入寂以降、ウマイヤ朝、アッバース朝と帝権は変遷しつつも、800年近くの長きにわたって存続した。だが、千夜一夜物語が編まれた頃を最後にアッバース朝は衰退していき、似たような版図のオスマン帝国が起こり、これが大帝国となってついには欧州に2千年続いたローマ帝国の残滓、東ローマ帝国の帝都コンスタンチノープルに攻め入って陥落させ、ローマ帝国にとどめを刺したことは学校でも習うところだ。

 オスマン帝国は多民族多宗教の「ユルい」大帝国だった。その表れとして、コンスタンチノープルに突撃していったのは何と元キリスト教徒からなる戦士軍団であった。

 このキリスト教徒由来の軍団をイェニチェリと言う。オスマン帝国はキリスト教の牙城に向かうに、実にキリスト教徒からの徴兵をぶつけたのだ。彼らはこれも有名な文化遺産、軍楽「メフテル」で景気を付け、ローマ帝国を滅亡させてしまった。

 メフテルというと、向田邦子脚本のドラマ、「阿修羅のごとく」のテーマ曲に使われた「ジェッディン・デデン」が日本人にも親しみが深い。

 当時のオスマン帝国では、キリスト教徒の青少年のうち、素質豊かな者を戦奴として徴兵し、改宗などイスラム化の過程を経て軍事訓練を施した。結婚を禁じ、そしてこれをイェニチェリ軍団に組み入れ、皇帝に仕える最強戦士として闘わせたのだ。一見無残で過酷なようだが、無税、高給、強固な組織化、鉄砲など当時の最新ハイテク装備とその運用を与えられ、数々の特権も認められた誇り高い戦士たちであった。今もトルコ国防省では歴史的な記念としてメフテルやイェニチェリの扮装・風俗を保存しており、陸軍記念日などに軍人がこれに扮して演奏や閲兵行進を披露する。上のジェッディン・デデンの動画には、そうした展示の一齣(ひとこま)が含まれている。

 地中海一帯のほとんどを版図に収め、700年も存続したオスマン帝国だが、体質が古くなり、近代には適合できなかった。すなわち、ドイツとともに参戦した第1次世界大戦で、イギリスの裏工作によってアラブ地方のほぼ全部に離反されてしまい、また、コーカサス山脈での苦戦などもあって、ついにはドイツともども敗戦してしまったのだ。

 この時、「オスマン帝国はキリスト教徒の不倶戴天の敵、回教徒の巣窟である」として、これを破るだけのためにイギリスが行ったアラブへの杜撰(ずさん)な工作「サイクス・ピコ協定」等が、後世どのような禍根を残し、今も多くの人を死なせているかを知ると、しばらく考え込んでしまわざるを得ない。

 戦勝国に蚕食され荒廃しようとする寸前の国土だったが、そこで救国の英雄、ムスタファ・ケマル・アタテュルク元帥が立ち上がった。元帥は帝室保全のために勝手な講和条件を飲もうとしたオスマン皇帝メフメト6世を廃位し、追放してしまった。そして、逆に戦勝国に戦争を挑み、これに勝利して追い出してしまったのだ。このように書くといかにも簡単そうだが、これは簡単なことではない。日本で例えると、フィリピンから「マレーの虎」こと山下大将が無理やり帰ってきて、終戦の詔勅を出した昭和帝を廃位して追放し、進駐してきたアメリカとソ連に改めて宣戦を布告して逆転勝利、これを駆逐し、日本共和国を作るようなもの、というとその大変さが分かると思う。

 こうして、現在のトルコ共和国が出来た。

 現在のトルコはアラブではなく、蒙古人を祖先に持つトルコ人の国になっているが、もとのオスマン帝国がユルい多民族多宗教国家であったため、なにかとユルい危なっかしさを内包している。

 第1次大戦後、トルコは平和路線をとり、第2次大戦にもなかなか参戦しなかった。昭和20年(1945)のヤルタ会談後にもなって、しぶしぶ連合国側で参戦したので、両大戦を通じて日本とは敵国であったことになるが、寛容なトルコ人たちはどうもそういうことには無頓着で、むしろ日露戦争でロシアをブチのめした日本に好意を持っているという。また、最近ではエルトゥールル号遭難事件のことが、どういうわけか日本でのほうがよく取り上げられている。

 ともあれ、今度のクーデター騒ぎも、最近のISISやシリア、積年の敵国ロシアとの難しい関係はもちろんだが、こうした建国経緯の下地もあってのことと思う。日本人が考える単純な流れとは少し違うのだろう。