上り月

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 妻と温泉に行き、肉を買って帰り、腹いっぱい喰った。

 一昨日、旧八月九日(9月28日(木))は上弦月で、今日は十一夜の上り月だ。

 くっきりと綺麗なので、写真に撮った。

 先々週録画しておいたNHKのドラマを見る。北斎の娘、応為の一生を描いたものだ。秋らしく陰影に富んだドラマで、面白かった。

 「吉原格子先之図」や「春夜美人図」など、本当の作品をまじえつつ、デジタル映像を駆使し、真に迫る夜の吉原と、応為の作品とを()()ぜに描写しており、いいドラマだと思った。

(のぼ)(づき)」補足

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 (ついたち)から望までの間の満ちてゆく月を「(のぼ)(づき)」という。「月」一般が秋の季語なので、もちろんこの「上り月」も三秋の季語だ。

 念のため言い添えれば、今日は旧六月廿八日で、もうすぐ朔の「下り」なので、今夜は上り月ではない。上り月は来週、8月22日(火)(旧七月(ついたち))から9月6日(水)(旧七月十六日)までである。
 
 上り月は()()りも早く、一日の仕事を終えて帰宅する頃にはもう中天にある。上弦の月は西空の残照がまだある頃に高く上っているのだ。

 月のよい頃の秋はまだまだ残暑が厳しい。そのためか、住宅密集地の家々の窓は開け放たれていることも多い。仕事帰り、夕暮れのベッドタウンの只中を通りぬけていくと、夕餉らしいさまざまな匂いが家々から流れ出てくる。主婦が子供を呼んでいるらしい声や、テレビのバラエティ番組の音などが低く静かに聞こえる。

 黄色く明りの灯った小さい窓は風呂場らしい。親子の声や、ザァ、と湯の音が聞こえてくることもある。
 
 「ただいま」と自宅の玄関を入ると、我が家も似たり寄ったりで、子供がテレビを見て笑っていたり、汁やお菜(おかず)の匂いが漂ってくる。

 上り月の宵は、まだ人々は眠りには遠く、仕事にせよ生活にせよ、活き活きとしていると思う。

上り月

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