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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。第18巻の最後、「長安の春」(石田幹之助著)を朝の通勤電車の中で読み終わった。

 著者石田幹之助は歴史学者・東洋学者であるが、特に中国の唐代について詳しかったらしい。本書は唐代の文化について徹底的に語りつくすもので、美しく端正な文章で書かれている。作品集なのであるが、 “読書” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。第18巻の三つ目、「敦煌物語」(松岡譲著)を朝の通勤往路、JR秋葉原駅の中央線ホームへ上るエスカレーターの上で読み終わった。

 はじめ、題名などから往古の史跡敦煌に関する論説かなにかなのかな、と思ったのだがさにあらず。読んでみると、敦煌遺物の、いわゆる「敦煌経」(『敦煌文献』とも)の流出をめぐる珍妙な物語である。Wikipediaなどで「敦煌文献」を探すと、当時の関係者がほとんどタダ同然の対価で貴重な敦煌文献を売買し、欧州や日本に拡散してしまったことが簡単に書かれているが、 “読書” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。第18巻の二つ目、「史記の世界 ――司馬遷」(武田泰淳著)を帰りの通勤電車の中、草加と新越谷の間の辺りで読み終わった。

 この書は司馬遷とその著書「史記」について徹底的に語るものである。が、しかし、その著述態度たるや、何が著者をしてかく著さしめたのかと推し量るに、それは司馬遷と「史記」への徹底的な愛、それも偏愛ともいうべき熱の如きものであると見てよいのではないか。私など、 “読書” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。第18巻、「黄河の水 中国小史」(鳥山喜一著)「史記の世界」(武田泰淳著)「敦煌物語」(松岡譲著)「長安の春」(石田幹之助著)を読みはじめた。

 一つ目の「黄河の水 中国小史」(鳥山喜一著)を()きの通勤電車の中、ちょうど通勤先の駅に着いたところで本編を読み終わり、職場についてから始業までのひと時で解説を読み終わった。

 前巻の「おらんだ正月――日本の科学者たち――」も少年向けに書かれたものであったが、 “読書” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。

 第17巻の四つめ、「おらんだ正月――日本の科学者たち――」(森銑三著)を休みの土曜の夜、自宅の居間で読み終わった。

 読みはじめるとすぐにわかることなのであるが、この書は “読書” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。

 第17巻の三つめ、「蘭学事始」(杉田玄白著・緒方富雄訳)を帰りの通勤電車の中、東武スカイツリーラインの西新井と草加の間の辺りで読み終わった。

 菊池寛の小説「蘭学事始」は読んだことがある。また、本書は同じものをデジタル書店の「グーテンベルク21」がKindleで割合に安く出している。そのサンプルは見たことがあるのだが、購入まではしなかった。それをこの全集で読んでみたわけである。

 著者の “読書” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。

 第17巻の二つめ、「黒船前後」(服部()(そう)著)を往きの通勤電車の中、中央線秋葉原とお茶の水の間の辺りで読み終わった。

 著者の服部之総はだいぶ年季の入った共産主義者(アカ)学者だが、そんじょそこらのチャラチャラした主義者ではない。記録を見ると2回逮捕されて物相飯(モッソウめし)を喰らい、学界での地位を失っているが、それでもへこたれずに研究し、著作をものして学界に復帰している。しかしまあ、共産主義者のくせに大資本中の大資本、「花王」の “読書” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。

 第17巻を読みはじめ、最初の「日本文化史研究」(内藤虎次郎著)を往きの通勤電車の中で読み終わった。秋葉原での乗り換え前、仲御徒町の駅辺りであったか。

 著者の内藤虎次郎は戦前に活躍した中国学者である。本文中で何か所も「日本史については私は専門外である」という意味のことを言っているが、その実、東洋文化に関する幅広い視点から日本史を俯瞰し、しかもその通低ぶりたるや、日本史専門の学識をはるかに凌駕するものがある。

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 引き続き60年前の古書、平凡社の世界教養全集を読んでいる。

 第16巻の三つ目、「歴史とは何か」(G.チャイルド Vere Gordon Childe著・ねず まさし訳)、本文を往きの通勤電車の中で、解説を帰りの通勤電車の中で読み終わった。

 著者のチャイルドはオーストラリアの学者で、「マルクス主義考古学」なる変わった学問の提唱者である。

 本書は、 “読書” の続きを読む