「ベトナムのネットアイドル」でアクセス殺到、て……w

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 なんだかよくわからないが、このブログのアクセスログを見ていたら、アクセスが急にウン%ほど伸びている。なんだなんだ、なんかやらかしたっけ俺……と慌てて詳細を見てみた。

 先日、クアラルンプールで金正恩(きんしょうおん)の異母兄金正男(きんしょうなん)氏が暗殺された。犯人として逮捕された女が「ベトナムのインターネットのアイドルです」と供述したと報道されたのが可笑(おか)しくてたまらず、思わず「ベトナムのネットアイドルて、ちょww」(2017年2月16日(木)19時34分56秒 JST)と書いた。

 ニュースサイトの記事の引用とそこへのリンクを張っただけの粗悪なエントリなのだが、アクセスの伸びはこのエントリへのものであることが分かった。

 思うに、「ベトナムのネットアイドル」というキーワードの組み合わせが珍しく、このブログが偶々(たまたま)Googleなどの検索結果で上の方に来てしまったのだろう。

 もし北朝鮮当局からのアクセスだったらコワいが(笑)。……だって、外国で、しかも第三国の素人を使嗾(しそう)して要人を抹殺することぐらい屁でもなくやってしまう北朝鮮政権だ、日本人の書くこんなしょうもないブログ如き、改(ざん)や踏み台にすることなど、造作もないことだろう。

 このブログにアップロードしている写真のExifには、GPS情報までバッチリ入っていて、私がどこに住む誰かなんて、2、3分も検索すればすぐにわかってしまう。ま、だからと言って、私如き凡夫を北朝鮮の工作員が殺しに来るなんてことはあり得ないし、ま、来るなら来てみろ馬鹿野郎、ぐらいのモンですけどねw。

犯人の動画らしきもの

 ところで、後日ネットを見ていると、この犯人の以前のYoutube投稿らしきものなども見つかっているようで、なかなか話題は尽きない。

今週雑想

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おまいう(笑)

 沖縄県知事は「法治国家ではない」と吐き捨てたそうだが、いや、それなら辺野古の判決を踏みにじるアンタでしょうが。いやほんと、まさに今はやりのネットスラング、「おまいう(お前が言うか)」である。

平和と安全

 だいぶ前からだが、この「平和」「安全」という言葉は、すっかり「危険な言葉」になってしまった。とても良い言葉なのに……。

 これは、政府やマスコミが、この良い言葉を「軍事」「戦争」などの言葉の置き換えに使うようになったからだ。

 最初のうちはよかったが、最近では直接意味が通るようになってしまったため、例えば、元々は「平和・安全」という言葉を聞くと、左のようなほのぼの画像がイメージできていた。

 ところが、最近はもう、「平和ッ!」「安全ッ!」ってメディアに出てくると、こういう画像が脳裏に浮かんでしまうのである。

 これのどこが平和で安全なのだ。

 こういう風になってしまうと、今度は本当の意味で「平和」「安全」ということを言いたいときに、これらの言葉を使ったとたん、相手が「戦争ですかッ!」「軍事ですかっ!」と、違うイメージを持ってしまうから、実に具合が悪い。

 もう、こういう、猥褻な言い換えをやめたほうがよいと思う。「国際協力法制」とかはまだいいけど、たとえ露悪的だろうと、ちゃんと「軍事法制」とか、正直に言った方がいいと思うね。

言葉
鼎立(ていりつ)

 「鼎談(ていだん)」と同じように、三者並び立つような状況を言うそうな。

(ゆるがせ)

 これで「(ゆるがせ)」と()むそうな。「粗忽者(そこつもの)」という漢語から、おのずとその意味は通る。

 この読み方、産経のコラムで見た。

 この中に、夏目漱石の文になる「明治天皇奉悼之辞(ほうとうのじ)」が引用されており、

(以下囲み内は夏目漱石「明治天皇奉悼之辞」、上の記事から引用)

過去四十五年間に発展せる最も光輝ある我が帝国の歴史と終始して忘るべからざる

 大行天皇去月三十日を以て崩ぜらる

 天皇御在位の頃学問を重んじ給ひ明治三十二年以降我が帝国大学の卒業式毎に行幸の事あり日露戦役の折は特に時の文部大臣を召して軍国多事の際と(いえど)も教育の事は(ゆるがせ)にすべからず其局に当る者()く励精せよとの勅諚(ちょくじょう)を賜はる

 御重患後臣民の祈願其効なく遂に崩御の告示に会ふ我等臣民の一部分として籍を学界に置くもの顧みて

 天皇の徳を(おも)

 天皇の恩を(おも)ひ謹んで哀衷を巻首に()

 ……とあり、そこではじめて知った。「せ」と送って「(ゆるが)せ」としてもよいようだ。

 (ちな)みに、この「忽」という字、これで「ち」と送れば「(たちま)ち」、「か」と送れば「(おろそ)か」、となる。

 また、「たちまち」の意味からは非常に小さい数の事も表すのだという。即ち、「1(こつ)」というと「10のマイナス5乗(10^{-5})」を表すのだそうな。

 この漢字の少数単位で私たちが知っているのは、普通は

  •  1()(0.1、10分の1、10^{-1})
  •  1(りん)(0.01、100分の1、10^{-2})

……ぐらいまでだが、その下には更に

  •  1(もう)(0.001、1000分の1、10^{-3})
  •  1()(0.0001、1万分の1、10^{-4})

……というのがある。「(もう)」くらいまではちょっとした大人なら知っているが、「糸」になるとだいぶ物知りの人でないと知らないだろう。

 いよいよその次にこの「(こつ)」があり、これはかなり物知りの人でないと知らない。「1(こつ)」は「10万分の1」「0.00001」「10^{-5}」のことを言う。これは「忽然(こつぜん)として……」という言葉に「非常に速く・急に」という意味があることから(けだ)()に落ちるものがある。

情報システム利用者に個人認証情報を正しく行使させるための着想

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 ネタの中に一掬(いっきく)の真実を混入して書いてみよう。

 「会社や事業所の公用パソコンを私用に使うことを認めれば、情報セキュリティが弱くなるように見えて、実は強くなる部分もあるのではなかろうか?」という、公私混同を奨励しかねない馬鹿々々しい着想を得たのだ。

 以下、陳者(のぶれば)

 「情報セキュリティは『C・I・A』だ」と巷間(こうかん)よく言われる。「Confidentiality(機密性)」「Integrity(完全性)」「Availability(可用性)」の略である。

 この「C・I・A」なる見事な頭文字語(イニシャリズム)の出典を権威性のある文書に求めるなら、例えば「JIS Q 27000」というものがある。

 「JIS Q 27000」の標題を全部記すと、

jis_q_27000_1
JIS Q 27000『情報技術―セキュリティ技術―情報セキュリティマネジメントシステム―用語 Information technology – Security techniques – Information security management systems – Overview and vocabulary

……と、随分長ったらしい。

 ともあれ、この標題にある通り、「JIS Q 27000」は情報セキュリティに関する国定規格だ。日本工業標準調査会(JISC)のサイトで検索すると閲覧できる。

(直リンクを張りたいところだが、ダウンロードや印刷を制限するためのスクリプティングが施してあり、リンクを張っても無効になるので、検索ページに「JIS Q 27000」を入力して検索するのが手っ取り早い。)

 参考までに、この「JIS Q 27000」は「ISO/IEC 27000」を翻訳し、(わず)かな部分を削除したものだ。「ISO/IEC 27000」と言ってピンと来ない向きも、「ほら、『ISMS』のことだよ」と言うとパッと合点(がてん)がいくだろう。

jis_q_27000_2 この文書を繰ると、その中の「2.33 情報セキュリティ」という項目に、情報セキュリティとは何か、という用語の定義としてこの「C・I・A」が記されている。

 曰く、情報セキュリティとは、「情報の機密性,完全性及び可用性を維持すること」である、と。

 この「C・I・A」についてはよく言われるし、情報セキュリティの勉強などしている者なら誰でも(そら)んじているものだ。

 ところで、この「C・I・A」には、実は忘れられがちな「付け足し」がある。前に揚げた用語の定義の後半に、次のように書かれているのだ。

jis_q_27000_3「注記  さらに,『真正性』,『責任追跡性,否認防止』,『信頼性』などの特性を維持することを含めることもある。」

 JISによる翻訳が成るよりも古い頃に、ISMSを直接翻訳する等して使用してきた企業や事業所などでは、この「真正性 Authenticity」「責任追跡性,否認防止 Non-repudiation」をそれぞれ「識別認証」「否認防止」という風に翻訳し、ルール化等している場合がある。

 この「付け足し」、すなわち「注記」部分が実に味わい深い。この記事の着想の肝がこれである。

 「C 機密性」「I 完全性」「A 可用性」という情報セキュリティの三つの主要素は、すべて目的指向である。ところが、場合によっては含めることとされている「注記」のいくつか、特に「真正性」「否認防止」は、目的を達成するためこれを支える「手段」を指向している。そうした手段指向の点でも、この付け足しは味わい深い。

 「真正性」「否認防止」とは実際にどのようなことかを具体的かつ端的に言えとならば、例えば、利用者に固有のユーザIDとパスワードを必ず行使させる、ということなどがそれだ。つまり、

否認防止の図
否認防止の図
「X月X日XX時XX分XX.XXX秒に事務所の端末からログインし、許可されざるバイナリを外部メディアからコピーしたる何某(ナニガシ)、これにより今般(こんぱん)端無(はしな)くもウィルスをバラ()き、(あまつさ)えこれを因とする情報漏洩インシデントを惹起せしめ、会社に損害を与えたる段、誠に()って不届至極(ふとどきしごく)。よって切腹申し付くるもの也。仍如件(よってくだんのごとし)、上意ッ!」

……という沙汰がはっきりと決定され、それを何某氏が

「いえ、私はそんなことはしていません、誰か知らない奴が私のIDを勝手に使ったんです、私じゃありません、そうでなければこれはシステムのバグ、そう、バグですよッ!!何卒穏便(なにとぞおんびん)寛恕(かんじょ)下されたくお願い(たてまつ)りまするッ、上様お慈悲を」

などと言い逃れることが全く不可能な状態、つまり、

「ええい、その方のデジタル署名がなされたアクセスがログに残されておるッ!! しかも、その方のIDは、決して他人が行使することができない状態にあったことは、かくかくしかじか、これこれこうこうをもって技術上明らか!申し開きなど致すまいぞ、神妙にせい」

……という状態になっている、ということだ。

 それがまた、情報セキュリティ上の不手際な使用を利用者にさせないための冷厳な抑止力にもなる。この抑止力は「C・I・A」を支える手段となる。

 だが、「ユーザIDとパスワード」という、古くからある識別認証手段は、単純でコストが安いという大きな利点がある反面、それを適正に行使させるには、「ルールで利用者を縛り、ルールを守るという『人力』でシステム運用をするしかない」という欠点がある。社則や規則に「ユーザIDとパスワードは自分で管理し、特にパスワードは他人に漏らさないようにして、机の裏に付箋なんかで貼っておいちゃダメ」と書いておき、社員はそれを守る、という方式になってしまうのだ。この方式では、ルールを破る奴がいると、そこで識別認証の仕組み全体がまったくグダグダにダメ化してしまうということである。

 多く見られることだが、ユーザIDやパスワードが「共用」になっていて、何人もの人が使いまわしていたり、個人IDになってはいても、それを貸し借りすることがある、などという場面もかつてはよくあった。今でも所によってはそんなシステム利用を漫然と続けている企業や事業所もあるだろう。私がかつて見た光景には、利用者は共用IDでログインするのだが、端末の前に記録簿があり、ログインの都度氏名と利用時間を記入捺印する、というのもあった。こんなの、記入をサボッてもバレないから、即、無意味である。まあ、その方式を採用した管理職が、

「いや私は、現状でできるだけの、精一杯の管理の仕組みを整えたんです。だから無罪です。記入をサボッた部下が悪いんですし、記入を徹底させられなかった中間管理職が悪いんです」

と、後で言い訳をすることができるという意味なら、あることはあるのだが。

 もちろん、単純な「ユーザID・パスワード」でなしに、認証トークンとかカードとか、生体認証などを導入すれば、こういう「ダメ化」への相当な解決にはなる。しかし、こうした色々なデバイスは運用できる寿命が短かったり、値段が高かったり、適合するOSやハードウェアに制限があったり、導入は簡単ではない。

 これら諸々(モロモロ)を沈思黙考するうち、ふと考え付いた。

 合理的で安くつくのは「ユーザIDとパスワードの適正な行使を、利用者がどうしても自ら守らざるを得ない」という状況を作り出すことなのではなかろうか。「自分のパスワードなど、死んだって他人になんか教えるもんかい!」と、利用者自身が必死になる状況だ。

 そのような状況とは、どういう状況か。

 もし私が情報システム利用者で、自分のパスワードを上司にも同僚にも部下にも知られたくない、百歩譲って家族にも友人にも絶対知られたくない、自分以外の人間にユーザIDを行使されるなんて絶対嫌だ、……という理由があるとすれば、それは例えば

  • 「他人に自分のお金を使われてしまう」
  • 家族などのプライバシーに関する情報が見られてしまう」
  • 「ディレクトリの深いところにエロ写真を隠している」
  • 「ネットの変な閲覧履歴を見られたくない」
  • 「FacebookやTwitterなど、SNSのパスワードがバレると嫌だ。ライバル社員に俺の友達限定タイムラインを盗み見られてしまう」
  • 2ちゃんに書いたあの誹謗中傷、実は俺!!」

……などの、しょうもない理由だ。人によっては「浮気や性的嗜好などの、私行上の非行がバレるのが嫌だ」などという、オイオイオイおっさん大丈夫か系の秘密もあるだろう。女の人だったら、家族や恋人、あるいはスッピンとか変顔(ヘンがお)で写っている自分の写真データなどを見られるのが死ぬほど嫌だったり、もっと言えば乳だの胴だのの寸法とか体重、歳が明らかになるのなんて言語道断もってのほか、なんてのもあるかも知れない。

 どれもこれも実にクダラネェが、しかし個人にとっては喫緊(きっきん)の重大事である。クダラネェことばかりではない。病歴犯歴など、シャレにならないプライバシーだってあるだろう。

 しかし、上例は多分に冗談を含むものの、ある意味、人の世の真実ではないかと思う。スノーデンだのウィキリークスだののキーワードを散りばめるまでもなく、国や大企業の秘密が暴かれてざまぁ見ろと人々は溜飲を下げ、反面、プライバシーがネット流出すると青筋立てて損害賠償騒ぎになる、というのが現代の偽らざる世相であることを、誰でもが認めざるを得まい。昔とは違う。

 これを単純に表現すると、今日(きょう)び、

「天下国家の秘密なんかより俺の秘密」

……なんである。

 今はそんな世の中だ。いやまあ、これは人によるとは思うが。政治家や行政の首長(クビチョウ)さん、あるいは会社の経営者だったら逆に、「馬鹿野郎、俺の秘密なんかより天下国家の秘密にきまってンだろがボケッ!」と思うだろう。

 さておき、しかし、BYODで、「半分私物」のPCを仕事で使っていたら、そりゃもう、利用者はユーザIDやパスワードを全力で隠すと思う。恥ずかしいから。

 そこで逆に、天下国家の秘密を隠すためには、「天下国家の秘密と俺の秘密」を()()ぜにして、「天下国家の秘密をバラすような奴は、『俺の秘密』も同時にバレる」というふうな状況、つまり、

「俺の秘密が情報セキュリティの『人質』にとられている」

……という、そういう状況を作為してやればよいではないか。

 簡単だ。会社や事業所のPCを私用に使わせましょう。私用メール、私用ネット閲覧、私用データ保存、バリバリ一緒くたに公私混同させちゃいましょう。

 そうすると、もう、みんな必死で自分の情報と一緒くたになった会社の情報を守ってくれますよ。パスワードなんか、絶対に机の裏に付箋で貼り付けて置いたりしないでしょうよ、恥ずかしいですからね、浮気とかエロ写真とかスッピン顔とか2ちゃんに書き込んだ罵詈雑言とか盛ってない方のホントの乳のサイズとか色々とバレちゃいますからね、ええ、ええ。


 ……いやあ、こんなしょうもないこと書くのに、何も「JIS Q 27000」なんか持ち出す必要もなかったかなあ。途中から論がズコッ!っと音を立てて落っこちた気がする。うん。

人間ドック

投稿日:

 今週10月31日(月)から昨日11月2日(水)までの3日間、人間ドックに入っていた。50歳の節目検診である。

 職場の施策なので、いきおい、同じ職場の、同じ年齢の者ばかりが集まる。結果、同期生や仲の良い旧知の知り合いが集まることとなり、まるで同窓会合宿のおもむきで、なにやら楽しかった。但し、「一切、酒・食抜き」の同窓会だから、なかなか清潔である。

時程
前日まで

 常識通り、数日前から(スジ)っぽい食べ物、わかめとか胡麻、繊維豊富な野菜などは控える。内視鏡検査に影響するからだ。前夜からは飲食禁止となる。

初日

 入院・受付。


 爾後(じご)三日間を通じて待ち時間が多く、結構ヒマであるから、本などを持ち込むのがよい。私が持ち込んだのは、再読だが「輝きの一瞬 短くて心に残る30編」という講談社文庫の短編集と、愛用の角川文庫歳時記のうち「秋」巻だ。

 結果から言うとこれは正解であった。というのも、待ち時間が多いとはいうものの、10分20分置きに何かしらすることがあり、ブレスの長大な本を持っていくと、読書時間が細切れになって気が散るからだ。10分20分でひと息つけるようなものを持っていくといいと思う。

 言うまでもなく、歳時記は一季語一季語を数分単位で味わうことができるし、落想を得次第、詠んだものを書き留めるなりすればいいわけだから、人間ドックにはうってつけである。

 「何が読書だ俳句だ、俺はパソコンと仕事を持っていくッ!」という根性のあるアナタは大変立派ですから、どうぞそうしてください。……いやあ、私には真似できません。すみません、私はヘタレですので(笑)。

 初日の時程は……

  •  体温・身長・体重・体脂肪率・腹囲(メタボリック)・血圧・脈拍
  •  血液・尿検査
  •  腹部超音波エコー
  •  心電図
  •  糖負荷試験
  •  眼底検査
  •  胸部レントゲン検査
  •  栄養士による栄養指導

 血液は相当取られる。分量そのものは少ないし、今はディスポーザブル方式の真空瓶でとっかえひっかえするから、針こそ何度も刺し込むことはないが、それでも7、8本もあの真空試験管が並ぶとギョッとする。しかし、臨床検査技師さん、看護師さんにすっかり身を(ゆだ)ね、任せておけば特に心配することもない。

 糖負荷試験では純糖のサイダーをゴクゴクと飲んで、その後定刻ごとに採血する。それによって糖を代謝する能力がどれほどあるか測定するわけである。

 で、この「純糖サイダー」が、精製されたブドウ糖と純水などで作られているのか、非常に美味なのである。しかも、実にほどよく冷やされている。半分ほど飲み干して「旨いッ!」と(たん)じたら、看護師さんに笑われてしまった。とまれ、人間ドック入院間、このサイダーが最も旨かった。一緒に入院していた人たちも、異口同音に「アレは旨かった」と言っている。

 尚、昼食・夕食は検査向けの消化の良い病院食である。病院食とはいいながら、病気で入院しているわけではないので、夕食などは私にとっては大変旨かった。これでビールの一杯もあれば極楽だな、と思ったが、残念なことに酒は厳禁である。

2日目

%e5%a4%a7%e8%85%b8%e3%82%ab%e3%83%a1%e3%83%a9%e4%b8%8b%e5%89%a4 二日目は、早朝から大腸カメラのための下剤を1.5リットルほど、1時間強くらいかけて()むところから始まる。

 大腸カメラに関しては、この下剤が不味(まず)いというのでよく話題に上る。

 水で指示通りに薄めて服むのだが、この時、よく冷えた水で薄めると不味さが我慢しやすくなる。また、私の睨んだところ、体液等との濃度の調整のためであろう、少し塩味が感じられるのだ。この塩味がコップの底にたまるため、飲み干す際に不味く感じる。そこで、箸やスプーンでよく攪拌すると、あまり不味くなくなる。

 便に固形物が交じらなくなり、さながら尿のような状態になるまで下剤を服む。便器に座って尻から小便のようなものを出していると、なんだか女性の感覚が解ってくるような気がして妙である。

 この時、先に述べたように、前日までに筋っぽい食べ物を控えておかないと、いつまでたっても便に(カス)のようなものが交じり、下剤を何度もお代わりする羽目になるから要注意である。こうなると下剤が不味いことより何より、いつまでも服用が終わらず、大腸カメラの順番が後回しになって無駄に時間を過ごすことになるから気を付けた方が良い。また、便がなかなか綺麗にならないと、何度もトイレに通うことになるので、しまいには尻が(ただ)れてヒリヒリと痛くなり、辛い目にあう。私は幸いにしてそうはならなかったが、周囲には何人かそういう人がいた。

 担当の看護師さんによると、「大腸カメラに限ってのことですが、普段、所謂(いわゆる)健康に良い食生活、つまり、海藻や野菜、豆、芋など、食物繊維をたくさん摂っている人ほど、こういうふうに苦労する傾向にあるんですよねえ……」とのことであった。そういえば、苦労していた人たちはみなスリムで健康そうな人たちばかりであった。イヤ、でも、だからと言って普段肉や油ばっかり食ってたら、別のところが悪くなりますぜ(笑)。

 この日の時程は……

  •  体温・血圧・脈拍
  •  大腸カメラ
  •  聴力
  •  医師による生活習慣病に関する講話

 尚、朝食なし、昼・夕食は検査向けの消化の良い病院食。この日の夕食も、淡白・少量ながら、まことにうまかった。これなら毎日食っててもいいかな、と思った。

3日目

 最終日の時程はごく簡単である。

  •  体温・血圧・脈拍
  •  胃カメラ
  •  医師による総合所見・指導・診断

 尚、朝食なし、昼食は胃カメラなどの検査終了後向けの消化の良い病院食。

 医師の総合所見を聴き、昼食後退院。

 悪いところの見つかった人も何人かあったようで、この後、居残って、だいぶ長時間、治療などについて医師と相談していたようである。

結果
悪いところ
  •  胃カメラで、

    「あなたは食道と胃の境が非常に逆流しやすい形をしている。なのに、よく中年の男性に見られる『逆流性食道炎』の所見がない。その理由は胃液が少ないからである。胃液が少なければ当然胃酸も少なくなるから食道炎に(かか)りにくい。しかし、胃液全体が少ないのは体全般の健康から言ってよろしくない。

     胃液が少ない理由だが、胃カメラの所見として、あなたの胃壁には『委縮(いしゅく)』と言われる状態が見られる。萎縮とは、つまり、正常な胃壁をフカフカの絨毯(じゅうたん)に例えると、あなたの胃はすり減って固くなり、毛が抜けてペッタンコになった廃品絨毯のようなものだ。これは、普通なら豊富に分泌される筈の胃液が出なくなってしまっている状態である。

     あなたの胃がそうなってしまった理由は、ずばり、『ピロリ菌』の仕業である。ピロリ菌についてはご存知のことと思う。怪我の功名のようなもので、そのせいで逆流性食道炎にならず、また、これまで偶々(たまたま)重大な胃潰瘍などの症状もなかったようだが、このままピロリ菌を放置すれば胃癌リスクが高まるから、除菌しなければならない。

     ピロリ菌の有無については、胃カメラの時に採取した組織で今から検査して確定するが、当医の長年の経験から言って、このパターンはほぼ間違いなくピロリ菌に感染している例だと思う。検査結果は追而(おって)はっきりしてから連絡するが、それに先立って、早く済むよう、あらかじめ来月の除菌治療の予約を取っておくこと。」

    ……と言われた。

     ピロリ菌は私の年代を最後に、私より年上の人たちには非常に保菌者が多いことが知られている。また地域性もあるやに聞く。感染していたらしいのも()むを()ないところではある。

  •  ごく軽い難聴。「両耳の『軽度感音難聴』、音の帯域の一部のもの」と言われた。

     ……まあ、若い頃から怒号と轟音の職場で暮らしてきたからなあ……。今から治せと言われても、これもどうしようもない。

  •  大腸に2ミリくらいのポリープがあった。

     ところが、面白いことに、「ま、これは心配ないと言えば心配ないんですが、一応検査のために組織の一部を採りますね」と先生が言って、モニタの視野にカニみたいな「挟むアレ」が出てきて、そのポリープというものを摘んで引っ張ったら、先生、「あっ、全部とれちゃった。……まあ、一応検査しますけど、これ多分なんともないですよ」とのことであった。

良いところ
  •  中年男性がよく言われる、血圧、腹囲、脂質代謝に関する数値や、肝臓の数値、エコーで出てくる胆嚢・膵臓・腎臓の所見、心電図その他、自分でも驚くほど中正で、何の所見もなく、

    「佐藤さんは特に悪いところもありませんから、今の生活をこれからもずっと続けてください」

    ……と言われた。

  •  大して裕福でもないので魚ばかり食っているせいか、「HDL」(善玉コレステロール)が81mg/dl(基準値は40~80mg/dl)ほどあり、そのために総コレステロールが224mg/dl(基準値は220mg/dl以下)と、全体として(わず)かに合計が上回っているのを、逆に誉められた。

 これらは私自身の健康管理が良いということではなく、妻の御三度(おさんど)の食事によるものだ。私はこれまで偶々(たまたま)単身赴任がなく、弁当持ちで通勤しているので、長いこと三度三度、妻の作るものばかり食べているのだ。

 帰宅して、妻に礼を言い、そのことを話したら、「うふふん、そうかしらん」と、妻も満更(まんざら)でもないようだ。

 ええ、そうです。惚気(ノロケ)です。すみません(笑)。

その他の事項

 たまたま気のおけない同期生が多く集まったものだから、待ち時間にヒソヒソとバカ話や雑談に打ち興じていた。

 2日目の大腸カメラが済み、3日目の胃カメラの時である。

「ナァ、佐藤。あの、ドアの開いた内視鏡室の中ほどにチラホラ見える内視鏡の装置なんだがな」

「おう、あの黒い、ホースみたいなやつか?」

「そうだ。……アレ、昨日、尻に入れた奴と同じじゃないか?」

「……(笑)、バカ、んなワケあるかよ。別の装置なんじゃねえの!?……いや、待て、いまドアが開いたときにチラッと見えたから見直したんだが、……。……確かに、昨日、俺らの尻に入ったやつと同じだな……。」

「オイ、佐藤よ、大丈夫かな」

「……。いや、でも、……しかし、形は同じだな……。」

 そうしたら、別の同期生が早々と検査を済ませて出てきた。

「おい、胃カメラはどうだった?」と私。

「おう、あのカメラな、昨日、尻に入れたのと同じやつらしいぞ。ほのかになにやら『味』と『香り』がした」

「ええっ!!マジかよ!」

「でも、一人ひとり、本人の尻に入れたのと同じので胃も診るらしいから、まあ、心配いらん、って、医師先生が言ってた」

「おいおい、やめてくれよ~っ!」

「……バカ。嘘に決まってンだろ」

「はぁ、びっくりした。」

 と、バカ話はそれで終わったものの、素人目には大腸の時も胃の時も同じに見えた内視鏡、昨日オノレのケツメドに入ったものと同じ装置かどうか、聞くのが怖かったから医師先生にも看護師さんにも聞かずに済んでしまい、結局ナゾのままである。

極端から極端へ走る

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 極端から極端へ走る思想は危険だ。ナチス・ドイツや、共産主義各国の粛清の嵐、文化大革命、カンボジアのキリング・フィールド、ルワンダ、現在のイスラムの連中、またアメリカ人も、どいつもこいつも極端なのである。

 「正義」や「平等」などの、いいようでいて悪いもの、ウィルスのように人をむしばむ毒がこれらを先導する。

 欧米白人の大好きな「革命」は、言葉はかっこいいが、その中身をつぶさに観察すれば、血みどろのホラー映画やスプラッタームービーも真っ青のエログロ滅茶苦茶、狂気と妄想の現実化である。その当事者たちは皆、「これが夢か、映画かなにかであってくれたら」と願いながら死んでしまったであろうし、また現在も死につづけている。

 そこには、「統一」「シンプル」と言った、耳への感触はよいけれど人間性に逆行する憎むべき何かが含まれている。

 こんなコミュニケーションがあった。ある人が、

「もう、和暦がピンと来ない。『平成ウン年』と言われても、計算しないとパッと出ない。もう、西暦で統一したらどうか」

 ……と書いた。得たりや応とばかり、私がふざけて混ぜっ返す。

「そんな、みなさんね、西暦なんてものは宗教上の聖人の生誕日を元にした宗教上の数値ですよ。今、喫緊の人命がかかっているのだって、元はといえばそれが原因ですよ。だから、いっそ、西暦も和暦も全部やめて、UNIX時間などの技術上の数値か、天文学上の、何か、キリのいい、例えば惑星が並んだとか、そこを0年0月0時0分0秒と定義するとか、そういうものに変えたらどうですか」

 多少ウケ狙いでした発言だから、もちろん真面目にこんなことは言っていない。このような極端なことは、恐れるべきことだからだ。

 この妄想を拡張してみようではないか。

「ことは暦年だけのことではない。通貨だって、なんで為替なんか気にしなくちゃならんのだ。もう、ユーロも元も円もドルも、全部廃止して、全部ドルに統一したらどうか」

「いや、それをやるとまた戦争になってしまう。いっそ、ビットコインとかに世界で一斉移行したらシンプルだ」

「世の中に男や女がいるから、男女格差などの問題が生じるのだ。もう、生物学の研究を推し進めて、遺伝子から男や女を取り去り、単為生殖可能な『中性』にでもしたらどうか」

「イスラム教やキリスト教や仏教があるから殺し合いになる。もう、いっそのこと、全部混和して、なに教とかいうのはやめて、単純に『教』ひとつだけにしたらどうか」

「言語がよくないよ、言語が。『英語で統一』は一見合理的だが、これはまた諍いのもとになる。そこで、情報技術を高度に推し進めてだな、プログラミングに使う『中間コード』のような『中間言語』に各言語を落とし込み、伝送路上はこの中間言語を流すのだ。コミュニケーションはそれを使うとか」

「もうね、多様性がよくない。人間は多数の細胞からなっているが、これが多様性を生んでしまう諸悪の根源である。細胞を全部バラバラにして混合し、個人の人格など全部一体化させて、そう、70億総員、『黴菌』にでも進化したらどうなのだ!」

 ……ダメだな。私は人よりお金を稼いでほくそえんだり、逆に損をして悔しがったり、恋をしたり、いろいろな肉や野菜などのうまいものを食って喜んだり、色々な国へ旅行して、その違いに感心したり、英語ができなくて悩んだりしたい。円高のときにアメリカ旅行をしてニヤニヤしたいし、逆の時には面白いアメリカ製品を買って喜びたい。神社仏閣に詣でる一方でキリスト教の寺院を訪れて感嘆したい。黴菌に進化するのは究極の合理性だが、黴菌になんかなるのはいやだ。人として悩み苦しみたい。死にたくはないが、もし死ぬべき時がきたら、その死の意義など問うまい、ギャーっ、痛いよう、たすけてー!と叫びながら苦痛のうちに死ぬだろう、だが、そうしたい。非合理だがそうしたい。西暦と和暦を計算して「ちっ。ああ、七面倒臭い!」と愚痴を言いたい。

 それが、薄汚れていて、あまり綺麗ではないにもせよ、人間の織りなす壮大な曼荼羅、ペルシャ絨毯の模様のような、楽しい生活というものなのだ。

スパリゾートハワイアンズ

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スパリゾートハワイアンズ
 家族で福島県はいわき市にある「スバリゾートハワイアンズ」へ来ている。最近は映画「フラガール」で話題になった。古い向きには「かつての『常磐ハワイアンセンター』」と言えば解り易かろう。

 写真は今日の宿、「ウィルポート」というところの客室エントランスなのであるが、なかなかシブいたたずまいである。

 因みに記せば、「ハワイアンズ」の宿には「ホテルハワイアンズ」「ウィルポート」「クレスト館」の三つがあるが、断然「ウィルポート」がオススメである。予約がいっぱいでふさがっていることが多いが、結構キャンセル空きが出るので、もしホテルハワイアンズのほうしか予約出来なかった場合でも、ダメもとで前日か当日に変更できないか問い合わせてみると良い。キャンセルじゃなくて変更なので、キャンセル料はかからない。

 私達もそうしてウィルポートにしたのだが、実に快適である。

 勿論、言うまでもなく温泉はいろんな湯があり、広大で最高、ショーも楽しいし、いろんなプールがあって子供も飽きない。

 今日はたまたま、「ROBO-ONE GP 2008 IN スパリゾートハワイアンズ」というのが館内メインステージで行われており、これは二足歩行ロボットを闘わせて競う勝ち抜き戦で、なかなか手に汗を握る見応えのあるものであった。決勝戦の優勝者は大阪からひょうきんなニワトリ君型ロボット「レグホーン」号をひっさげて参戦した練達の若者であった。3分1回こっきりのラウンドの最後1秒、レフェリーの「終了ッ!」の声が掛かると同時に放った必殺技、「手羽先スラッシュ」がみごとに決まり、強敵「モンスター」号を倒したのであった。

 夕食のバイキングもウィルポートのほうが良い。ハーフバイキング方式になっていて、とり放題食べ放題のほかに、めいめいに別にメインディッシュがつく。

 夕食のバイキングは19時過ぎ頃からであが、夜のショー「グランドポリネシアンショー」は20時10分からである。時間の点でショーの席とりなどに嫌気を覚える向きには、2階「アロハタウン」にあるスペシャルデッキシートの予約をお勧めする。昼は3~5千円もするが、夜は半額となり1,500~2千円である。夜の部の予約は15時から2階アロハタウン内で受け付けている。前列の良い席を取ると良い。そうしておけば、バイキングでゆっくりおいしいものを食べてから、おもむろにショーを見に行っても、余裕で座って見られる。

バイエル#56

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 今度のバイエルはまたちょっと原書番号が戻り、56番である。

 朝の出勤前の10分15分、帰宅してからの30分・・・等と、3日ほどチョコマカ細切れに練習していたら、なんとか間違わずに弾けた。

 右手と左手を同じように弾く曲なのに、なぜか左手のほうがラクに感じ、右手がたどたどしくなった。今まで弾いた曲の左手パートにこういうメロディが多用されていたからだと思う。

年頭の目標

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 最近の私は、年頭にあたって目標を新たにするということは、あまり、ない。

 なぜかというと、言ってはなんだが、最近の私にはいつも目標があるからだ。

 9月でも11月でも3月でも、その他1月以外のどのような月であろうと、二度とない今年最後の日である。毎日が愛惜すべき一生に一度の日だ。言うなれば、毎日が私の1月1日なのである。

 したがって私は、8月21日(水)、とかいう何の日だかわかんないようなヒラ日に、「よっしゃ、今から3ヶ月以内に3000メートル11分30秒を切るぞ!!」などと決心したりそれを実行したりして、年中目標に向かって突進しているのである。

 したがって、年頭にあたってやりたいことがハッキリしている今年の私はめずらしい。

  1.  バイエルを100番弾くこと、できることならショパンのノクターン2番も。
  2.  テクニカルエンジニア(システム管理)の試験に、今年こそ合格すること。

 ・・・これである。