東海道歩き旅行

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 定年で辞めたら、東海道を江戸から大坂まで、歩いて旅してみたい、と急に思いついた。別にハングリーを鍛えようなんてことではない。途中酒の一杯も飲み、ダラダラ歩き旅をするのだ。

 19歳の頃、伊豆半島を歩いて旅したことがある。休暇はそんなになかったから、4日で2百数十キロ歩いた。一日50キロ強というところだった。さすがにその頃の体力をもってしても、多少身にこたえた記憶がある。

 今の脚力だと、そんなにがつがつは歩けまい。まして定年の頃には、今以上にあちこちガタが来ているだろうから、1日せいぜい30キロ歩けば沢山だろう。

黒部峡谷に行ってきた。

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 家族で「黒部峡谷」を旅した。

 黒部峡谷は飛騨山脈、通称「北アルプス」よりも更に北、「立山連峰」と「後立山連峰」を真っ二つに割って流れる峻険な峡谷であり、ほぼ富山と長野の県境付近にあると思えばいいだろう。

 この峡谷を旅行するにあたっての醍醐味は、なんといっても、「黒部ダム」を中心とする発電所建設の苦闘の歴史を辿ることにある。

 峡谷周辺の観光には、黒部ダムはもちろん、立山や黒部峡谷下流の探勝などがある。立山の高山地帯はロープウェイなどで気軽に楽しめる。峡谷の下流の探勝は「黒部峡谷鉄道」が有名だ。これは通称「トロッコ電車」と呼ばれているもので、もともとは水力発電所の工事のために敷設されていた専用の小鉄道だ。これが観光用に開放され、誰でもが楽しめるようになっている。小さなトロッコ客車がゴトゴトと峻険な谷を縫って走り、なんとも言えぬ興趣がある。

 黒部ダムには、自家用車で行くことはできない。近くまで自家用車で行き、トロリーバスやロープウェイ、ケーブルカーなどの観光用の乗り物を乗り継いでいくことになる。

 富山側からの場合は「立山アルペンルート」という経路を用いる。毎年春ごろ、雪の壁のそそり立つ廊下のような所を観光客が歩いているシーンがニュースなどで放映されるが、あれがそうだ。このルートの場合、自家用車の乗り入れは「立山駅」というところまでである。

 長野側からの場合は「扇沢」というところまで自家用車で行ける。ここからトロリーバスに乗ることになる。

 往復、途中までの往復、あるいは「通り抜け」など、さまざまな計画が考えられる。「通り抜け」をする場合、マイカーの始末に困るが、3万円ほどで「回送サービス」を行っている業者があり、富山・長野の間のかなりの長距離、車を運んでおいてくれるので、旅行する人は検討してみてもいいだろう。

【メモ】 ダム探勝にあたり、4人家族大人2人子供2人で長野側(扇沢)から富山側(立山)まで行くには現地のロープウェイやケーブルカーを乗り継がねばならず、

     大人 (1500+840+1260+2100+1660+700) × 2人 = 16120円

     子供 (1500+840+1260+2100+1660+700) ÷ 2 × 2人 = 8060円

     合計24180円

     …という結構な額がかかる。まともに往復すれば48360円というびっくりするような値段となる。我が家の場合、長女は中学生だから、これがもうちょっと高くつき、56420円という値段になる。

     一方、「ファミリー割引」というのがあり、これを使えば扇沢から富山側の「室堂」までの往復で、大2小2の合計4人で2万100円と、相当安くなる。途中下車が出来なくなるが、途中で引き返す人などほとんどいないだろう。往復コースを取るなら、ぜひこれを使うべきだ。

     もし扇沢から立山までのマイカーの回送を業者に頼んで「通り抜けコース」をとると、26000円ほどかかるので、乗り物代と合わせて、一日で5万オーバーほど必要となる。旅行する人はあらかじめこれを理解しておかなければ、びっくりしてしまうことになる。

 私は扇沢から黒部ダムに行き、反対の立山の中腹の「大観峰」というところまで行って引き返すことにした。

 自宅からのドライブは、東京外環・関越・上信越・長野各道を経由して黒部ダムを見、次に日本海側に出て北陸道を走り、富山から「黒部峡谷鉄道」の観光基地「宇奈月温泉」に至る。帰路は北陸・上信越・関越・東京外環の順に走る。往復800キロほどのドライブである。埼玉・東京・群馬・長野・富山・新潟の6都県をまたぐ、なかなか楽しい高速ドライブだ。

 黒部峡谷を訪ねるには、少々「予習」をしておいたほうが楽しめる。「予習」には、次のような各種の映像・書籍が使える。

  •  「プロジェクトX」

 これのDVDは既に絶版となっており、レンタルビデオ屋には置いていない。黒部ダムに関係するところは、前・後編の2編である。後編はダウンロード販売があり、3日間視聴可能で210円だが、前後編併せて見るにはDVDを購入するよりほかなく、これは約3800円と、少々値段が高い。だが、ぜひとも見ておきたい。

プロジェクトX 挑戦者たち Vol.7厳冬 黒四ダムに挑む ― 断崖絶壁の輸送作戦 [DVD] プロジェクトX 挑戦者たち Vol.7厳冬 黒四ダムに挑む ― 断崖絶壁の輸送作戦 [DVD]
価格:¥ 3,800(税込)
発売日:2001-11-22

 絶版とは言うものの、Amazonなどにはまだある。見ておけば感動が倍加すること間違いなしである。私は残念ながら、ダウンロード販売の後編のみを見ていった。

  •  「高熱隧道」(小説、吉村昭)

 私はこの小説家の「破獄」や「冬の鷹」などが好きだ。

高熱隧道 (新潮文庫) 高熱隧道 (新潮文庫)
価格:¥ 460(税込)
発売日:1975-10

 この「高熱隧道」は、有名な黒部ダムに先立つ戦前の話で、300人もの死者を出しながら貫徹した黒部第3発電所の工事の物語である。

  •  「黒部の太陽」(小説・映画)
黒部の太陽 黒部の太陽
価格:¥ 840(税込)
発売日:1998-06

 映画は昔の石原裕次郎主演のものと、最近香取信吾が主演したものの二つがある。私はこっちのほうは、残念ながら、小説も映画も見ていない。有名な黒部ダムの話である。

 因みにこれらのメディアは、すべて黒部ダムの売店で買うことができる。だが、やっぱり行く前に見ていったほうが楽しい。

 さて初日。朝は2時半に起き、家族を叩き起こして3時に出発だ。もちろん、前夜20時には就寝している。家族は車の中で眠ってしまうから、車に放り込んでしまいさえすれば、あとは私がひたすらドライブすればよい。休暇シーズンはこういう行動をするに限る。昼間は道路が滅茶苦茶に混むからだ。

Img_1864 早発ちの効果で、約300キロのドライブは順調・快適に進む。8時前には難なく扇沢に着き、トロリーバスに乗ることができた。乗っている間に、どんどん気温が下がっていく。 下界は気温37度だというのに、終点黒部湖駅についてみたら、気温はなんと15度の冷涼である。

Img_1793_2 地下の階段を通ってダムの展望台に出る。息を呑むような大きなダムだ。 観光のために放水しており、朝日を浴びて何重にも虹を生じている。

 堰堤の中ほどに出て覗き込むと、目がくらむような高さ、深い谷である。160名に及ぶ死者を出したというのもさもあろうと思う。この谷の峻険さのゆえであろう。

 遊覧船に乗って黒部湖内を一周する。両側に山肌が迫り、面白い。

 ケーブルカーとロープウェイを乗り継いで、立山の取り付きの「大観峰」というところまで行った。だが、朝のうちは非常に良い天気だったのだが、にわかに曇り、雨が混じるようになって、残念ながら立山からの絶景はものにできなかった。それでも、眼下はるかに黒部ダムを望むことができ、満足である。

 こうして過ごすうち、またたくまに昼を過ぎる。

 早い目に名物「トロッコ電車」の観光基地「宇奈月温泉」に向かう。扇沢から宇奈月までは百数十キロ以上離れているから、結構時間がかかる。実はトロッコ電車の終点地の「欅平」と「黒部ダム」は、直線距離だと十数キロしか離れていないのだが、あまりの峻険な地形と大山岳に阻まれて、このように大迂回をしなければならないのである。

 宿は宇奈月温泉の「宇奈月ニューオータニ」というところにとった。

 実にいい宿で、出迎えなど実に丁重である。部屋も料理もよい。バイキングの夕食はビフテキや刺身がたっぷり出る。風呂も黒部川に面していて、景色がいい。

 二日目は「トロッコ電車」を使い、黒部峡谷の観光を楽しむ。

 宿で「トロッコ電車に乗る」とフロントに言うと、ちゃんと車を一日、あずかっておいてくれ、駅までマイクロで送ってくれた。駅前の駐車場に車を停めると900円取られるから、得をした。

 トロッコ電車は多くの橋やトンネルをくぐって、Img_1873 がたごととゆっくり黒部峡谷を進む。涼味満点で、実に楽しい。

【メモ】 トロッコ電車はインターネットで予約ができる。私は9時の予約をした。座席は予約ではないが、車両は予約であり、100%座れるから心配はない。とはいうものの、窓際のいい席は早い者勝ちだから、早めに並ぶといいだろう。

【メモ】 黒部峡谷のトロッコ電車は、途中の駅で上下車すると、かえって空いている車両に乗れるようだ。「1号車」という一番後ろの車両は途中で上下車する人のために席が取り置かれているらしく、途中で下車する個人客はこの車両に案内される。ところが、観光客の多くは始点から終点まで乗ってしまうので、この車両に乗る人はそんなにおらず、どうもそのために空くらしい。ただ、途中上下車の場合、切符の予約ができない。途中駅で購入しなければならないのだ。そのため、モタモタしていると満席になって帰れなくなるおそれもあるので、そこらへんを考える必要がある。

【メモ】 黒部峡谷のトロッコ電車は、往路は右側の端の席に座ったほうが断然景色がよい。できれば車両の一番前の、なおかつ右がよい。写真を撮るのに便利だ。だが、「鐘釣駅」から終点「欅平駅」までは、左側がよい。

 午前中いっぱい、終点「欅平」付近を散策する。小さな温泉が点在し、宿泊などもできる。景勝「猿飛峡」などが見られる。

 昼から「鐘釣」という駅に引き返す。ここは、駅から河原に降りていくことができる。黒部川の流れに手足を浸すこともできるし、河原を掘ると、温泉が湧くという面白いところである。子供たちと汗を流しながら手で河原を掘り、温泉を溜めて座席用の石を並べ、「我が家専用足湯」を作って足を浸して遊んだ。

【メモ】 峡谷ではぜひとも清冽な黒部川の奔流に手を浸したくなるが、安全のためもあってか、河原に降りられるようなところはほとんどない。だが、「鐘釣」では、河原に降りて水に触れることができる。また、鐘釣駅に水道があるが、これは黒部の新鮮な水である。私もそこにぶら下げてある金属のコップで一口飲んだが、なかなか旨かった。水筒に水を満たしている人も沢山いた。

 こうして峡谷内で遊んでいると、あっという間に午後も遅くなる。宇奈月温泉に引き返し、土産物屋なぞ冷やかして、自宅に車を向ける。

 帰りは約400キロのドライブ。18時に宇奈月温泉を出発。高速道路はガラ空きで、23時頃には自宅へ帰り着くことができた。

 実にいい旅だった。

日光

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 ゴールデンウィークのはじまりだ。家族で日光へ行った。一泊二日である。

 初日、ゴールデンウィークの渋滞を避けるため、5時に起きて6時に出発。前日の交通情報では東北道は30キロは渋滞するであろうとのことであったが、朝早く家を出たので、まったく渋滞はなく、余裕を持って日光へ到着できた。

 その日は「日光江戸村」でまる一日遊んだ。以前に一度行こうとして行かなかったことがあり、惜しく思っていた。ようやく行くことが出来た。本当に面白いところである。出し物が非常によく演出されていて、特に、忍者ショーの殺陣などは見ごたえ十分である。

 泊まりは奥日光の「湯守釜屋」というところである。温泉が非常に濃く、かなり効く感じがした。料理もうまい。各種焼酎飲み放題1000円は安い。

 二日目は昭和の日であった。戦場ヶ原をのんびり見て、中禅寺湖へ行って家族でスワンボートを漕いだ。すご~くいいお天気で、行った甲斐があった。二荒山神社でおみくじを引いて、華厳の滝へ行き、エレベーターに乗って絶景に息を呑んだ。昼食はその近くで名物「ゆば」のついた蕎麦などを食べた。「いろは坂」を一気に下り、東照宮へ。のんびり見物して、お土産買って、門前のおせんべい屋さんで大きな焼きたてせんべいを買い、かじりながら帰途についた。

 ちょうどよい二日間の観光コースであった。ゴールデンウィーク中だったが、各行動をすべて早い目早い目に運んだため、混雑して困るということはまったくなかった。混雑のピークと我が家との差は、たった1時間か2時間ほどでしかなかったのだが、私たちの後ろの人たちは、混雑して難渋していた。

 旅行をしたために、昭和の日に国旗を掲げられなかったのはわが千慮の一失であった。

上の原 山の家@宝台樹スキー場@水上高原

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 およそ15年ぶりにスキーをした。

 水上高原に宝台樹ほうだいぎスキー場というところがある。

宝台樹スキー場ホームページ

 12月27日から29日までの2泊3日、家族で出かけたのだが、その折に使った「上の原 山の家」という宿が大変良心的だったので、ここに書き留めたい。

【楽天トラベル】上の原 山の家

 出かける前、折から暖冬で、雪があまりなかった。宝台樹スキー場は広大なゲレンデなのだが、ネット情報では開いているコースは1コースのみであるという。しかも27日は雨になるというではないか。どうしようかなぁ、などと迷っていたら、その「上の原 山の家」から電話がかかってきた。「どうなさいますか、キャンセルなさいますか?」というのである。

 まず、これが良心的の第一弾である。たしかにスキー宿だから、スキーについて参考になる情報を提供するのはあたりまえといえばあたりまえではあるが、しかし、スキー場とは何の関係もない周辺の宿たるにすぎないのだから、黙っていれば客は泊まりに来て、カネは払っていくのである。それを、「キャンセルなさいますか?」とわざわざ電話をかけてきてくれるというのは、正直のあらわれというものだ。

 もともと、家族で旅行をする、というのも私たちの目的で、別に雪が少なくったっていいやァ、と思ってもいたからキャンセルせず、関越道を突っ走って宝台樹に着いた。

 「上の原 山の家」は、着いてみると古い宿であることがわかった。だが、掃除が隅々まで行き届き、玄関の引き戸の桟一本に至るまで、拭き清められてあって、ホコリが溜まっているということがまったくなかった。この宿は年配のご夫婦が経営しておられ、お二人が昔かたぎで真面目な人物である、ということがそれだけでわかった。

 ネット上の前評判では、「食事の量が少ない」などというものもあったのだが、とんでもない間違いである。量は十分であり、かつ、決して贅沢ではないにせよ、一品一品、工夫を凝らした真心の献立であった。食卓に着くと、手作りの箸紙のひとつひとつに手書きで客の名が墨書してあるなどというのも、実にすばらしかった。

 27日は午後に到着し、その日は結局一日中雨に降り込められてスキーは出来ずじまいだったのだが、それを、「明日はどうなさいます?キャンセルされますか?」とわざわざ聞いてくるのである。たとえ明日雪が降らなかろうと、黙ってほうっておけば私たちは金を払って泊まるであろうのに、である。

 風呂に入ると、風呂も隅々まで清潔に掃除が行き届いており、本当に気分がよかった。

 さて、その翌日、28日。雪が少ないせいで、宿には私たちのほかには一家族いるのみである。ところが、この日から、日本列島には寒波が到来した。28日から29日にかけて、どんどんザクザクと雪が降ったのである。宝台樹では一晩で40センチ。さあ、キャンセルした人も多くて、客の少ない宝台樹には、私たちのほかにはほんの40~50人しかいない。コースはまだ1コースしか開かないが、いいのだ、こっちは幼稚園児と小学校3年生の4人家族づれである。初心者コースでマッタリ滑れれば何も文句はない。

 久しぶりのスキーは本当に楽しかった。宿に帰ると、「お客さんが少ないですから、お風呂は女湯男湯をひと家族で片側づつ、貸切り家族風呂にして使ってくださいね」と、なんともうれしいサービスである。これも効率や経済をガマンした、良心的なサービスであると思った。

 良心的な宿と、のんびり滑れるスキー場で、本当によかった。

国営・昭和記念公園へ行ってみた。

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 ゴールデンウィークの一日を、子供たちと国営・昭和記念公園で過ごした。

 聞きしにまさる大公園である。前日に訪うた同じく国営の武蔵丘陵森林公園のほうが3倍近い広さなのだが、それよりも広く感じるくらいである。

 昭和記念公園は、昭和天皇在位50周年を記念して作られた公園である。 旧米軍立川基地の跡地を利用して造成されたことは、よく知られている。

 戦争の世紀を永く生き抜いた昭和帝を記念する公園が、昭和帝の人生にとっても極めて大きな出来事であった米国による占領の、その証拠とも言える記憶の場所に造られてあることは、今もって残滓となっている砂川闘争の複雑な記憶をも含めて、本当に感慨深いものであると思う。

 おりしも、祝日・子供の日であった。子供の日は端午の節句である。「子供の健やかな成長を祈る日」である、と書けば、肯定されそうであるが、違う。「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかる」日である。人格を重んじるというのと、健やかな成長を「祈る」というのは、似ているようでかなり違う。それから、知る人は少ないが、実は「母に感謝する」という日でもある。

 そんな日に、昭和記念公園内にある昭和天皇記念館へ行ってみたのである。

 初老の方がガイドをしておられ、昭和帝のことをごく短く語って聞かせてくださった。その語りかけに思わず目頭が熱くなったことであった。どなたも一度、この昭和天皇記念館に行っていただきたい。おすすめする。

国営昭和記念公園公式ホームページ
 ○ 昭和記念公園サイト内・昭和天皇記念館

昭和聖徳記念財団サイト内・昭和天皇記念館

運よし

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 先々週、海水浴に行った。

 千葉・九十九里の木戸浜海水浴場。空いてて最高だった。波も程よく、天気も程よし、浜は広くて駐車場はタダ。

 同じ日に、どっちにしようか迷って結局やめた湘南の片瀬西浜海水浴場(新江ノ島水族館のウラ)には、米軍のヘリが墜落。(・・・『墜落』というほどでもなかったらしく、幸いケガ人はなかったらしいが)

 俺はひょっとして、結構強運なのか?