良い天気の週末だった。近所の植栽の柿が赤い。
秋晴れ、……と言いたいところだが、既に立冬は過ぎており、暦の上では今は冬である。秋晴れとは言わず、「冬麗」「冬うららか」と言うべきものだろう。また、もはや「小春日和」と言ってもよい。
先週、晩秋のさえずり季題当番が回ってきたので「柚子」を出題した。柚子は秋の季語だが、それでいて、実際に美味しくなってくるのは冬だ。秋とも冬ともつかぬ端境のこのごろには丁度良いと思って出した。
次をどなたに回そうか、と迷った末、 @boubun さんにお願いした。何を出題なさるかな、と楽しみにしていたところ、「紅葉散る」の見事な出題である。
この「紅葉」に関する季題を選ぶのは難しい。弁えておかなければならないことがあるからだ。すなわち、「紅葉」「黄葉」、また俳句特有の「紅葉且つ散る」は秋の季語だが、「紅葉散る」は冬、就中初冬の季語なのだ。晩秋から初冬の微妙な季節感がここには横溢している。
その点、 @boubun さんの選択はまことに良かったと思う。
そんなことを考えつつ、陽の高いうちから一杯やる。もはや俳人にもなりきれぬ廃人である。
飲むうち、ふと違和感を覚える。長年、意味のない文字列なら無限に出力できる特技があったのだが、なんだか、最近文章が変になってきたし、書いていて詰まることが多くなった。喋っていても単語が出てこなかったりする。
何か、脳に問題があるのだろう。いわゆる「郵便的伝達物質」が減っているのだと思う。
因みに「俳人」というのはもともと「廃人」の意であるという。