登戸稲荷社

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47597487 近所の稲荷社「登戸神社」の縁起や、地域の旧家、関根家、浜野家の来歴なども簡単に知るなど。

 祭神を「倉稲魂命」といい、こう書いて「うかのみたまのみこと」と訓むそうな。

 日本書紀を紐解くと、岩波の「日本書紀(1)」では、40ページあたりに、

(日本書紀〈1〉(岩波文庫)、40ページより、下線太字筆者)

 一書曰、伊弉諾尊與伊弉冉尊、共生大八洲國。然後、伊弉諾尊曰「我所生之國、唯有朝霧而薫滿之哉。」乃吹撥之氣、化爲神、號曰級長戸邊命、亦曰級長津彥命、是風神也。又飢時生兒、號倉稻魂命

 一書(あるふみ)に曰く、イザナギノミコトとイザナミノミコトと、共に大八洲國(おおやしまのくに)を生みたまふ。しかりしてのちに、イザナギノミコトののたまはく、「我が生める国、ただ朝霧のみありて、薫り満てるかな」とのたまひて、すなはち吹きはらふ氣(いき)、神となる。號(みな)をシナトベノミコトとまうす。またはシナツヒコノミコトとまうす。これ風神なり。また飢(やは)しかりし時に生めりし兒(みこ)を、ウカノミタマノミコトとまうす。
()み下し筆者

……と見える。

 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)は「稲荷」の神である。稲荷は「稲」「荷」の字にも表れている通り、稲がたくさん集積されたところの神で、豊穣の穀物神である。

 この神が使役するところの手下がすなわち「キツネ」で、そこからオイナリさまと言えばキツネということになったのであった。