おでん

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はや〴〵とおでんの宿へ戻りけり
義務になど意義も認めずおでん()
おでん吹く(うそぶ)く明日をさながらに
聞き流す愚痴を薬味に関東(かんと)(だき)

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

今週のさえずり季題

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コンビニで売れているのが

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 コンビニで売れているのがおにぎりであったりおでんであったりして、ハンバーガーであったりドーナツであったりしないところになんとはない快哉と言うか、ざまあみやがれというような日本人的民族的排他主義的な喜びを感じるのである。コンビニそのもの自体にも、だ。

 いや、一部、フライドチキン(まが)いも、売れてはいるけれどもさゴニョゴニョ。

 多分、斜陽の日本的味覚というか、消えゆく寸前のなにかがここに、というか……。もうダメだ、と幽鬼幽魂のように消えかかりながらも。日の丸のように消えかかりながらも、である。

晩めしの関東煮(かんとうだき)

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 晩めしの関東煮(かんとうだき)を、ウィスキーで食うか、日本酒で食うか、真剣に考える。まことに悩ましい。

 蒟蒻のぷるぷる熱々のところに溶き芥子(がらし)をタップリ付けて、ふぅーっ、と吹いて、ぶりゅっと齧って間髪を入れずぬる燗をぐーっ、次に大根のまだ少し固い目なところを皿に取って山椒の多い七味唐辛子をパラッと振って、その間にもう一口、ぎゅーっ、と、……ああ、こたえられん、と思う反面、大ぶりの氷をロックグラスに一つか二つ、けちけちせずになみなみと注いで、餅巾着(もちきんちゃく)か、厚揚げのよく味の()んだところを相手に、ひと口、ふた口、飲んではつまみ、やおら鍋に手を伸ばして煮抜(にぬき)卵をとって、半分齧ってウィスキーをひと口、黄身のところに煮汁をしみこませて、それを相手にまたひと口……ぬぅ、捨てがたい。

 晩酌はやはり、御菜(おかず)の一皿を相手にするのが旨い。