デケェ(ささや)き声

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 あれはたしか、定年で自衛隊を()める1年くらい前、最終ポストの、情報セキュリティや守秘の責任室長(情報保証・保全室長)をしていた頃のことだったか。新コロの猖獗(しょうけつ)っぷりたるや、もはや最大火力と言ってよいほどの猛威を極めていたが、紙の秘密文書を(つかさど)らなければならない仕事の特性上、テレワークへのシフトが難しく、私はガラ空きになってしまった通勤電車で毎朝毎晩、自宅から市ヶ谷まで通勤していた。

 その日、私は早めに仕事を切り上げ帰りの電車の中の人となった。都心から北千住に向かう日比谷線は三ノ輪と南千住の間で地上に出る。次第次第に陽永(ひなが)となる心地よさ、暮れ(なず)んでいる黄色い光の中を電車はのんびりと走っ “デケェ(ささや)き声” の続きを読む

テーマ詠「試験」

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テスト()ふ春は別れぞ(わぎ)妹子(もこ)
入試へと青茶(あおちゃ)(ばばあ)の医学へと
微熱ある入試すべては滅ぶべし
(はなひ)りて鈍感力の試験かな
テストとはなをもて()の身椿の実

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。