時事片々

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アシュケナージ氏引退

 世界的ピアニスト、稀代のヴィルトゥオーソにして指揮者、ウラディーミル・アシュケナージ氏が引退するのだそうな。

 「えっ、この人、82歳にもなってたんだ!?」という気がする。

 最近、俳優でも歌手でも政治家でも、自分が知っている有名人という有名人は、みな老人になってしまっている。若い人の名前なんて知らなかったり皆同じ人に見えたりする体たらくである。

 職場の人なんかも、先輩たちは最早(もはや)(ほとん)どが定年で辞めてしまい、消えてしまった。

 寂寥(せきりょう)

上皇后陛下、皇后陛下と書けないものか

畏し

 「可能性」とか「実現か」という言葉の選び方も品がない。「さま」付けとは言え御名前を(じか)に書くなど(おそ)れ多い。せめて「皇后陛下合同御静養へ 上皇后陛下と 18年ぶり」というふうに書けないのかな。

 まあ、しかし、なにせ週刊誌のことだから、そんなことブツクサ言ってもしょうがないと言えばしょうがないか……。

英国王室はこういうところがアケスケだよねえ……。

 これからはヘンリー王子殿下でなく、「ヘンリーさん」「ヘンリー氏」になってしまうわけだが……。

 それにしてもしかし、こんな何不自由なく暮らしてきた人物が、突如一般人になって、公金や年金を返上しちゃって、まともに暮らしていけんのかねえ。よその国のことながら、心配になってしまう。

 ところで、英国王室で「ワシはもう、辞めるッ!」って言って辞めちまった人、というと、エドワード8世国王がすぐに思い浮かぶ。今のエリザベス2世女王の伯父(おじ)さん(父ジョージ6世国王の兄)にあたる。

 この人は明治27年(1894)に生まれ、昭和47年(1972)に亡くなっているが、離婚歴のあるアメリカ人と結婚するため、さっさと国王を退位してしまったのである。この頃のイギリスというと、まさしく世界帝国であって、アメリカ大統領よりもよほど権勢のあった時代だと思うが、それをかなぐり捨てて「愛に走った……」わけである。

 ところが、「だいぶ新しめの変な人」だったので、その後ナチス・ドイツやヒトラーを褒めちぎったりしたものだから、「イギリス王室の厄介伯父(やっかいおじ)」そのものとなってしまった。だって、ドイツは敵国なんだから。当時みんなで「あの困った伯父さんは~……」とため息を()いたとか吐かなかったとか。
 

オヤ、おめでたいこと

 右は朝日のYouTubeチャンネル。


 少子高齢化の折柄、まことにおめでたいことである。滝川クリステル氏は42歳にもなっての初産(ういざん)であるので、未婚あるいは未産の女性には、一つの刺激にもなると思う。

当たらずとも遠からず、ってとこ(笑)

 腹抱えて笑ってしまった。

 ま、私に言わせればどちらも似たようなもんだが。

応援の一票代わりに貧者の一灯ならぬ一曲

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 先日来話題の世界的ピアニスト、辻井伸行氏演奏の曲をダウンロード販売で買った。ショパン作曲のポロネーズ第6番変イ長調オーパス53、通称「英雄ポロネーズ」である。

 かの辻井氏の演奏にして200円は安い買い物だ。辻井氏に一票代わりの一曲購入である。

 恥ずかしながら、ニュースになるまで辻井氏の名前も知らなかった私である。

 インターネット時代は便利なものだ。辻井氏の名前を知るや、レコードショップが開いていない時間でもすぐに購入して聞くことができる。私はUSENのダウンロードサイト「OnGen」を愛用しているが、クラシックの名演もけっこう揃っている。

 私のように正当なクラシックファンでない者は、どうしても知っている曲や有名な曲、通俗の曲を聴きたくなるものだ。反面、クラシックのCDは、クラシックにはままありがちなことだが、ショパンならショパン、ベートーベンならベートーベン、バッハならバッハ、全部が網羅されておって、粛然、襟を正して全曲に聴き入らざるを得ない。だがしかし、ある演奏家のある曲、たとえば今度のように、辻井伸行氏のショパンの英雄ポロネーズを聞きたい、という時に、辻井氏の全曲CDを買うのまではちょっとなあ・・・というような私のような不埒な輩には、クラシックの名曲でも一曲単位で買うことのできる、こうしたダウンロード販売はまことにありがたいものだ。

 私は携帯電話とブルートゥースレシーバーをヘッドホンステレオがわりにして毎日通勤しているが、そんなわけで、ショパンの英雄ポロネーズについてはアルゲリッチ、アシュケナージ、仲道郁代、それから今度買った辻井伸行氏のもの、あわせて4曲のデータを買って持っており、立て続けに聴いたりしている。どれもすばらしい演奏だ。

 辻井伸行氏の「英雄」は、かなり男前の英雄だ。古い例えだが、油の壷から抜け出してきた俳優のような印象だ。反面、たとえばアルゲリッチのは、「これが荒武者英雄ぢゃあああ!わかったかあ!!」みたいな勇ましい力強さがあふれんばかりである。