時事断片

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これは、いくらなんでも

 九段下の「昭和館」で見た、戦前の「聴取無線電話施設許可書」を思い出してしまった。戦前は、ラジオを聴くためには政府の許可が必要だったわけである。家々の軒先には「受信章」が掲示されたものだという。これはつい最近まで「NHKマーク」のシールなどがあったから、それほど違和感はないが、戦前は郵便局に「放送聴取許可願い」を届け出て、許可を押し頂いてラジオを聴いたものだそうな。

 私はNHKの受信料をきちんと全額、支払っており、なんらやましいこともなく、また、現行のNHKの運営は妥当なところだと思っており、文句はない。

 しかし、いくらなんでも、身銭で買ってきた自分のテレビについて、「設置届」を提出て、おかしいだろ。これが例えば、自動車などであればわかる。自動車は便利だが、使い方を誤れば危険なものであるし、日本の狭少な街々では、駐車についてルールを設けなければ邪魔になり、公共の利益を害する恐れがあるから、免許や車庫証明が必要なのである。

 だが、テレビが何か人に殴りかかったりするのかね。むしろ、公共の電波を使用した放送に、俗悪破廉恥番組であったり嘘ニュースであったり、そういうものが混じっていることの方が問題である。まして、「設置を届け出て、カネを払って見る放送」である。

 こういうことは、技術で解決してほしい。金を払っていなければ、物理的に見られない、スカパーなどでとうの昔に実現されている、スクランブルなどの制御をすればよろしい。