アジャイル関連書籍列挙

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 アジャイルの参考書が必要だが、経費がまったく動かせない立場なので、私費で購入するより他ない。とりあえず良書を国会図書館で選び、読んでみていいのが見つかったらAmazonの中古品を購入することとする。

 まずは国会図書館へ来た。

 「アジャイル開発への道案内」。部下が先日買ったもの。なかなかの良書。さすがは部下、見る目がある。◎。

 「わかりやすいアジャイル開発の教科書」。そんなによくもない。△。

 「アジャイルな見積りと計画づくり」。「アジャイルの連中は計画したがらない病」みたいなことには効くかも。〇。

 「アジャイル開発とスクラム」。理念本。不要かな。×。

 「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK」。チーム内に読ませるには良書。◎。

 「XPエクストリーム・プログラミング入門」。理念本。金に余裕があれば買えばいいかな。△。

 「XPエクストリーム・プログラミング実行計画」。上の「入門」と同じ著者による理念本。良書だけれども、今のチームには急にはいらないかな。お金に余裕があれば。△。

 「JavaによるExtreme Programmingクックブック」。最初の20ページだけでも良書とわかる。◎。

 「図解でわかるアジャイル・プロジェクトマネジメント」。良書。買うべき。◎。

 「アジャイルサムライ−達人開発者への道」。なかなかいい。買っておいて損はないかも。〇。

 他に、以前研究したソフトウェア見積もり関係の書籍類をもう一度確認。あの頃、ちゃんと書名を控えておかなかったのである。

 「ソフトウェア開発の定量化手法」。この本は大いに私を助けてくれた。特に、この本収載の大規模な「SLOC/FP」の統計値は、いろいろな局面で役立った。

 「ソフトウェア見積りのすべて 第2版 ―現実に即した規模・品質・工数・工期の予測―」。これは前に読んだ本とどうも違う。どれだっけ。中古でも4800円。高いこと。

 「ソフトウェア見積り 人月の暗黙知を解き明かす」。これも前に読んだ本とは違うが、良書。しかし、1万円5千円は高すぎる。買えるか、んなもん(笑)。

 「SEのための見積りの基本 (SEの現場シリーズ)」。これは読んだやつだ。IFPUG法でFPを出し、FPから前掲の「ソフトウェア開発の定量化手法」収載のSLOC/FP統計値を使用してSLOCを出し、この本に載ってた「COCOMO用エクセル」を参考にして、COCOMOで工数にする、というようなことをしたのだった。

 ともかく、そんなふうにして買えるものをAmazonで片っ端から職場住所宛てにしてポチ。1万円強ばかりの出費になってしまったが、まあ、やむを得ない。今度職場で輪読会でもやろうと思う。……「輪読会」なんて、ほんと、古風な学際みたいだなあ。学問に縁のない私が輪読会を呼びかける、まあ、いいんじゃないですかね。

NESMAと野村総研技法

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 ソフトウェアの外注で値段の尺度を出すのに、どうも「ダロカン」みたいなのに頼る向きが周囲に多く、定量的な尺度を持ってもらいたいものと常々思っている。

 FPでは規模は出るが、工数、ましてや金額など出ない。それで、SLOC/FPの統計を適切なところから引っ張ってきて、SLOCから人月を出し、人月単価をまた適切なところから引っ張ってきて、それで金額にする、ということをよくやる。これはCOCOMOの技法に似ている。

 ただ、ユーザがIFPUG法でFPを出すなんてことは、きちんとしたIT部署を持っていないと難しいと言わざるを得ない。

 そこで私はよく、「データモデルを迅速に作る」→「NESMA技法と野村総研技法を応用してアレンジした方式でFPを出す」ということをやる。不正確で誤差も大きいが、ダロカンで見積もって根拠がないために紛糾するよりはマシだと思っている。

 野村総研はNESMAに近い迅速方式を公表しており、ドキュメントもこのようにある。

  •  注目される新しいビジネスモデルのプロジェクト見積り手法(野村総研サイト資料)
  •  以前はオランダ・NESMAのサイトには日本語のPDFドキュメントもあったが、今は見当たらないようだ。しかし、NESMAは存外に雑な方法と言うわけではなく、今やISOにも入り、「ISO/IEC 24570:2005」として確固たる権威を持っている。

     ただ、これらの方法を用いるには、誤差が大きいということをよくわきまえ、それを関係者全員に周知徹底する必要がある。そうしないと、後になってまたぞろ紛糾することになる。

     そのことを説明するために、IPAの出している資料類を用いることもする。

  •  ソフトウェア開発データ白書(IPAの資料)
  •  この129ページ辺りの資料を示して説明すると、だいたい多くの人は納得する。