自己責任でもなくその逆でもなく

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 解放された安田純平氏のニュースが流れている。

 この人が自分の人格や身の安全を的にして、行動した、何かをした、というのは確かなことであり、安全な場所からの批判は卑怯と言うものではあろう。その点から、やはり、単純に自分の尻を自分で拭けなどというのはいささか乱暴に過ぎる。国民なのだから、国から一定の安全の保証というのはあってよい。

 と言っても、批判を「自己責任論」と(ひと)(くく)りにするのはよくない。なぜそう思うかと言うと、「多分この人の値段は、だいぶ上がったろう」と思うからだ。おそらくは、今後、相場の5~6倍くらい払わないと、この人に取材依頼なんかできないだろう。そして、この人はそれを狙ったと思う。

 要するにゼニカネの話だ。

 こういうふうに「ゼニカネ」と書くと、まるで薄汚れて見えるが、自分で自分の身を養って生きている人がゼニカネを目標にして何が悪い、とも私は思う。だから、自己責任でも、その逆でもなく、どちらでもないと思う。