読書

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 引き続き平凡社の60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第22巻の最後、「アルプス登攀記 Scrambles Amongst the Alps」(E・ウィンパー Edward Whymper 著・石一郎訳)を帰りの通勤電車の中で読み終わった。たまの気晴らしで「THライナー」の座席指定券を買い、ゆっくり座って読み終わることができた。

 本書は、ヨーロッパ・アルプスに於けるアルピニズム黎明期の第一人者、ウィンパーその人が記した名著である。

 著者は職業的登山家ではなく、本職は “読書” の続きを読む

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 引き続き平凡社の60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第22巻の3書目、「山と渓谷」(田部(たなべ)(じゅう)()著)を帰りの通勤電車の中で読み終わった。

 本書は、明治時代から昭和まで活躍した登山家、田部重治氏の山行記録である。日本アルプスを中心として、まだ地図もないような時代に山野を跋渉しているが、冒険というようなこととは趣が異なり、山野の美しさや山を行く深い情緒に心底惚れ抜いていることが滲み出るような文章である。

 この「山と渓谷」は色々な編集のものがあり、私は “読書” の続きを読む

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 引き続き平凡社の60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第22巻の2書目、「エヴェレストへの長い道 The True Book About Everest」(エリック・シプトン Eric Shipton 著)を読んだ。携帯電話が故障したので、秋葉原の修理店へ行き、修理の待ち時間、万世橋「マーチエキュート」の神田川に面したテラスで午後のひと時を過ごし、そこで読み終わった。

 本書は、幕末の江戸時代(嘉永5年(1852))に、当時名前もなく “読書” の続きを読む

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 引き続き平凡社の60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。先日から第22巻に入った。第22巻は「山行」(槇有恒著)「エヴェレストへの長い道 The True Book About Everest」(エリック・シプトン Eric Shipton 著)「山と渓谷」(田部重治著)「アルプス登攀記 Scrambles Amongst the Alps」(エドワード・ウィンパー Edward Whymper 著)の4書である。

 まず1書目、「山行」(槇有恒著)だ。行きの通勤電車の中、乗り換えて北千住の駅を出たところで読み終わる。

 著者の槇有恒と言えば、 “読書” の続きを読む

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 引き続き60年前の古書、世界教養全集を読んでいる。第21巻の最後、5書めの「猪・鹿・狸」(早川孝太郎著)を読み終わった。珍しく「THライナー」という日比谷線の座席指定券を買い、のんびりと座って帰宅する間に本文を読み終わり、帰宅してから解説を読み終わった。

 この書は猪・鹿・狸それぞれを狩猟する話や、これら三つの獣に関する逸話を集めたものである。実に多くの話が集められているが、ところが、その話の収集元は著者が生まれ育った愛知県長篠の「横山」というところの周囲数kmの中に限られる。狭い村落にこれほどの分量の獣にまつわる逸話があるというのは驚くべきことである。

 物理的な狩猟譚の他に、特に “読書” の続きを読む