梔子(くちなし)

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 梅雨の晴れ間である。 天気予報によれば明日は大雨だと言うが、今朝は爽やかに晴れている。

 新越谷駅の(そば)にあるりそな銀行の前の歩道脇に、梔子(くちなし)の花が咲いている。

 植物に(くら)い私は、 毎年今の時期に咲くこの花の名前を長いこと知らずにいた。一度は調べたような覚えもあるのだが、わかったかわからなかったかも覚えておらず、忘れてしまった。

雨の降る翌日に撮影したその梔子

 今朝、ほのかに良い匂いの漂うこの花が気になり、通勤電車に乗ってから「六弁花」で検索してみた。すぐに写真が出てきて、梔子だとわかった。インターネット時代はなんと便利なことだろう。

 それにしても、この私ときたら。訳知りぶって俳句など()み、「俳句は季語を使って詠むものです」などと言っていながらこの(てい)たらくで、季節の花の名前をあまり知らない。いや、名前は知っていても、実物を知らないことが多い。それは多分、私が文字ばかり読んでいることとも関係しているのだろう。

 本から顔を上げ、外に出て花を見、ものを見、人と話さねばなるまい。しかし、良きにつけ悪しきにつけ、多くの読書が今の私を形成していることもこれは事実なのであるから、こちらも脱却したいわけではない。