立つオッサン

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 昨日、愛用の老眼鏡をどこかで失くしてしまった。いつも持ち歩いて使っているものだ。

 帰宅してから気づいたので、「ハテ、職場に忘れてきてしまったかな」と思った。

 今朝出勤して職場内の心当たりを探したが、ない。どうやら昨夕、帰りの通勤電車内で落としてしまったようだ。いつもは胸ポケットに無造作に突っ込んでいるので、かがんだ時にでも胸ポケットから滑り落ちてしまったらしい。

 今時、老眼鏡なんてコンビニや100円ショップでも売っている。ないと不便なので、最寄りのコンビニへ買いに出かけた。ところが、たまたま置いていなかった。前に来た時に置いていた覚えがあるので、当てがはずれてしまった。

 あちこちの店を探しまわる時間はないので、やむなく仕事に戻った。

 私の老眼鏡の度数は2.0前後で、それほどひどいわけでもないのだが、老眼鏡がないと不便であることには違いはない。だが、まったく見えないわけではない。凝視していると見えるし、パソコンの文字は裸眼でも問題ない。

 しかし、座って書類を読むのは裸眼ではちょっと無理だ。目と書類を相当離さないと読めない。机に書類を置き、立った状態でなら読める。それで、立って書類を読み、座ってパソコンを操作する破目となった。立ったり座ったり、なかなか落ち着かない。

 そのうち、若い人がレビューをお願いします、と書類を持って来た。お掛け下さい、とその人が言うのだが、座り込むと字が見えない。やむなく「老眼鏡をなくしてしまって、立ってないと字が読めないんだ。あなたが座ってくれ」と頼んだ。

 私が立って書類のレビューをするという珍妙な光景になって、なんだかちょっと面白かった。

 帰りに自宅近くの100円ショップで間に合わせのをひとつ買った。失くしてしまった前のやつはレンズが小さく、鼻眼鏡で遠近両用にでき、PC画面と手元の書類を交互に見るのにちょうど良かったのだが、今日買ったのはレンズが大きく、鼻眼鏡にするには相当ずらさないと駄目で、面白くない。