一字詠「二」

投稿日:
二致(にち)もなく桜を()めてゐたりけり
花と(ふみ)()きにし山をこそ不二(ふじ)
二羽ばかり親どこへやら()立鳥(だちどり)
(ふつ)()(きゅう)()(けん)厳しき祖父の指
岸への手(いち)()争ふ春の夢

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #jtbt

 「夏雲システム」で関谷氏が運営しておられる「じたばた句会」に投句したものです。

花見と動画

投稿日:

 今日は思いのほかよく晴れ、花が良かった。先週の週間天気予報では今日は雨との予報だったのだが、週が明けてみれば、少し花冷えの感じもありながら、青空の広がるよいお天気になった。

 自転車で花見に出かけることにした。座り込んで酒食するのも勿論悪くはないが、時勢柄、人の()(しゅう)するところで新型コロナウイルスを貰うのは()(ぴら)御免である。そこで、 “花見と動画” の続きを読む

投稿日:
(いくさ)()むべし桜咲く頃は今
子規の句碑あり(はや)(ざくら)たゞ一樹
堤防路自転車によき(さくら)(がり)

佐藤俊夫

#kigo #jhaiku #haiku #saezuriha

今週のさえずり季題

投稿日:

花一杯

投稿日:

 家内を誘い、花を見に行った。

 私の住まいの近所には「葛西用水」という用水が通っている。この用水に沿って「谷古田(やこた)河畔緑道」というささやかな園地が造られており、季節には桜が咲き誇るのだ。

 春の午後、よく晴れている。

 桜の他にも地域の人々が手入れをしているらしい様々な花卉(かき)(じゅ)がある。今の季節のことであるから、どれも盛りだ。椿(つばき)水仙(すいせん)鈴蘭(すずらん)酢漿草(かたばみ)、桃……。

 もとより混雑する場所ではないが、それでも例年ならば今の時季は花見気分を盛り上げるべく、近隣町内会の手で提灯などが吊るされ、弁当や酒肴を楽しむ人たちがシートを敷いたりテーブルを据えたりして思い思いに楽しんでいる姿が見られる。しかし、悪疫(あくえき)(しょう)(けつ)の折柄、いつもとは異なって人影も閑散(かんさん)とし、提灯もない。静かな緑道はリタイアしたらしい老人や中年の女など、齷齪(あくせく)しない種類の人達ばかりがゆっくりと歩いている。

 家内とのんびり桜を眺めた。

 帰り道、セブンイレブンで娘二人への甘味のお土産を買い、稲荷の古社((のぼり)()稲荷宮)へ立ち寄って(とな)えごとなどして帰宅。

花、緑、街

投稿日:

 通勤途上、皇居の外濠沿いに数多く植わっている桜の一つにふと目をやると、ほんの数輪から十輪ほど、咲き始めている。咲いているのはその一樹だけだが、他の木も蕾を大きく膨らませて、今にも咲きそうになっている。

 建ち並ぶマンションの植栽には躑躅(つつじ)皐月(さつき)が多く植えられているが、躑躅に一、二輪ほど咲いているものがあり、皐月も気の早いものがぽつりと一輪、赤く咲きかけている。こうしたマンション周囲の植栽は幅広く長く作られていて、その延々とした緑の帯の中に赤い躑躅が開いた様子は、鮮烈な色のインキをそこに垂らしたようで印象に残った。「万緑叢中紅一点 動人春色不須多」という。まさしくそのように思えた朝だったが、実は「万緑」は、日本では夏の季語である。

 勤務先にある桃色で八重咲、早咲きの特殊な品種の桜は満開と言ってよい程だ。その樹に()(じろ)が来たのを見た人もあった。場所によってはほぼ満開の桜もある。

 東京は世界屈指の大都会で、コンクリートジャングルなどとも言われる。しかし冷静によく周りを見ると、都行政のよろしきを得てか緑化には注意がよく払われており、至る所入念に街路樹や植栽が施されている。私の住む埼玉の住宅密集地などよりよほど緑は豊かだ。

投稿日:

 「春は花、花は桜」という。

 愛用の歳時記、角川の合本の「花」の見出しを見ると、傍題季語には、

花盛り
花明り
花影
花時
花過ぎ
花朧
花の雨
花の山
花の昼
花の雲
花便り
花の宿
花月夜
花盗人

……と、ゆかしい言葉が並んでいる。花そのものでなければ、「花疲れ」「花(いかだ)」「花人(はなびと)」などという言葉もある。

 今年の桜は既に咲いたが、今日は雪が降っている。「花の雪」という言葉は歳時記に載っていないが、あってもおかしくないな、と思う。

 傍題ではなしに、見出し季語で「花冷え」という言葉もある。そこからすると今日などまさしく花冷えと言える。

躑躅(つつじ)春雪(しゅんせつ)

投稿日:

 三春九十日と言う。立春以来(このかた)はや45日以上を過ぎ、仲春らしい仲春だ。

 沈丁花(じんちょうげ)(しお)れ、桜が咲いた。靖国神社の基準桜樹は観測史上最も早く花をつけたという。そればかりか、先週末は気温が緩み、3月27日(金)の仕事帰りには、通勤経路上のホテルの植栽の躑躅(つつじ)が咲いているのを見かけた。

 ところが今日は冷え込み、太平洋側に低気圧が現れて、思いもよらぬ春の雪となった。昼にますます気温が下がり、手先が冷える。それと共に雪の(ひら)はどんどん大きくなる。まさしく牡丹雪である。

 躑躅に春の雪、とはなかなか(おもむき)豊かである。しかし、コロナウイルス蔓延のための禁足、()()めて家にいるより仕方(しかた)がない。