梅雨(ばいう)あかるし

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 さすがは夏至過ぎ、梅雨(つゆ)の雨模様だというのに、まだ明るい。しかし梅雨(ばいう)前線は長々と日本列島南側をのたくっており、さながら竜の如し、である。

 庭づくりの丁寧な近所の家々では、百日紅(さるすべり)が咲き始めた。梅雨寒のなか、そこだけポッと燈がともったように見える。

梅干に梅シロップに梅酒

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 そろそろ梅雨も終わる感じがするが、気象学上のアナウンスは関東甲信越地方にはなかなか来ないようだ。しかし今日一日など、日中は青空が広がり、雲の峰高く、実質既に梅雨明けだろう、という気がする。天気図には梅雨前線も見受けられないようだ。

 妻は青梅を沢山仕込み、梅酒と梅シロップを漬け込んだ。梅干は姑を手伝って、今年もたくさん分け前にあずかる。IMG_3937

 これらの中でも使い勝手が良くて旨いのが「梅シロップ」だ。香りも味もよく、梅酒とは違って子供が口に入れるのにも心配がない。

IMG_3939 梅シロップは、昔は浸透圧を使って果汁を吸い出すのにわずかにアルコールを添加したりしたものだが、今は昔と違って手早い作り方がある。

 すなわち次の如しである。

  1.  青梅1キロ、氷砂糖1キロを買い込む。
  2.  青梅はよく洗い、竹串や爪楊枝でヘタを綺麗に(えぐ)り取る。黴菌(ばいきん)がつかぬよう、できるだけきれいに作業する。
  3.  漬け込むための瓶は、使う前に熱湯やエタノールでよく消毒する。不潔だと腐る場合がある。
  4.  青梅をビニール袋に入れて冷凍庫に放り込み、完全に凍らせる。
     ここが肝心なところだ。冷凍することで細胞膜が十分に壊れ、アルコールを添加しなくとも果汁が出るようになるのである。
  5.  消毒した瓶にこのカチカチに凍った梅を、同量の氷砂糖と一緒に入れ、冷暗所に置く。
  6.  毎日瓶を震盪(しんとう)しつつ、概ね10日ほども経過すると、氷砂糖が全部なくなり、徐々に作用する浸透圧で梅の果汁が絞り出され、梅は搾りつくされた繊維のような姿に、そして、瓶には澄んで甘い、すばらしいシロップが引き出されてたまる。

 このシロップは、そのまま味わっても旨いし、ゼリーや寒天などの菓子の味付け、清涼飲料として冷水で割ったりかき氷にかけてよし、製氷皿で凍らせればなお珍しい氷菓、ウィスキーや焼酎に割り入れてよし、まったく飽きることのない口舌官能の楽しみとなる。

 但し、漬け上がったあとの梅の実は、梅酒を漬けた後のうまい梅と違って、完全に果汁を搾り取られたカスのような姿になり、食ってもあまり旨くないので、その点注意が必要だ。