自衛隊の戦い

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 私は自衛隊にいた40年もの間、()(フタ)もない端的な言い方をすれば、人殺しの仕方を一貫して鍛え続けていたわけであるが、どの自衛官もそうであるように、それによって人を殺したことはない。

 だがしかし、そうやって対人戦を鍛え続ける一方で、自衛隊は常に人ではない他の何かと戦っていて、今もそれは続いている。

 思いつくまま挙げれば「ウイルスとの戦い」「牛との戦い」「鶏との戦い」「トドとの戦い」「鹿との戦い」 “自衛隊の戦い” の続きを読む

買い物と兵

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 ほっつき歩き用にバッグを一つ買う。

 私の語彙(ごい)では、これは「雑嚢(ざつのう)」、英語で気取るなら「Haver sack(ハバ・サック)」と言うべきものだ。兵用品の一つである。

 ところが、最近はこれを「Messenger bag(メッセンジャ・バッグ)」と言うようだ。これは「伝令行嚢(こうのう)」とでも訳することができようが、そう訳したとしても、やはり兵用品の一つと言うことになる。Wikipediaの「メッセンジャ・バッグ」の項目を見ると、「自転車従事者の使用するもの」というふうに書かれているが、その解釈は無理があると思う。

 洋式の男の身の回り品や服飾にはそういうものが多く、トレンチ・コートやダッフル・コート、もっと言うならサイドベンツの背広やポケットの雨蓋(あまぶた)など、みな軍服の名残(なごり)である。

 女性の服飾にそういうものがないかと言うとさにあらずで、最も目に付くものと言えば女子高生のセーラー服であろう。

 セーラー服はいうまでもなく各国海軍の兵服であり、いわば世界標準である。海上自衛隊の海士(かいし)の制服は今もこれである。イギリス由来のものであるため、「ジョンブル」を転訛してか、俗に「ジョンベラ」と言うようだ。

 ところが面白いのは、女性海士の制服はセーラー服ではなく、ブレザーとなっていることだろうか。

 写真の男女は両方「海士長」の階級章をつけており、同階級の男女なのであるが、ご覧のとおり男はセーラー服、女はブレザーである。

 海士は若い下級の隊員であるため、当然女性海士も20台前後の若者ということになるわけだが、昔、制度が開始された頃、若いとはいえ大人の女性にセーラー服を着せていては「シャレにならん」……とでもいうような配慮でも働いたのかどうか。詳しいことは定かにはわからない。

さながら開戦前の如し

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 メディアに見る中国の態度の先鋭化、さながら開戦前の如し。

 このあたりの記事など、大東亜戦争開戦前の、日米互いの敵国人に対する情報統制さながら。