反戦主義者と似ている

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 先月のニュースだが、岐阜で熊害(ゆうがい)があったそうな。

 で、地元の猟友会や警察に寄せられているという苦情がまた、「誰だこんなこと抜かすバカは」というような、不愉快に思うのを通り越して、もはや噴飯ものの理屈である。

 「かわいそう~」か。ハハハ……

 反戦主義者の理屈に似ている。こんなもの、便所を掃除するとバイキンが手について不潔になるから掃除なんかやめましょう、とか、強姦魔や痴漢にも人権や人格があるのだから、裁判では全部無罪にして許してあげましょう、とか言うようなものだ。

 「熊の射殺現場を子供に見せない配慮が必要だったのでは」などと甘っちょろい批判があるようだが、私はそんな意見には反対だ。むしろ子供に見せた方がよろしい。

 私の二人の娘はもう大きくなってしまって子供ではないが、もし娘たちが小さい頃にこういう現場に居合わせる機会があったとしたら、私なら猟友会や警察に感謝したろう。人間が自然、ひいては地球の中で生存していくというのはどういうことか、自然や生命の、どのような犠牲の上に自分の命が成り立っているのか、他の生命の犠牲の上に成り立った自分の生命がどれほど大切にするに足るものかを、実地の血と銃声で、恐怖や不快感とともに深刻に見せて下さって、ありがとう、と。