今週のさえずり季題

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(みぞれ)(ぼう)

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 昨夕の退勤路では(みぞれ)が降った。まだまだ冬はこれから、というのが正直なところだが、気づけば来週ははや立春である。

 通勤経路上にある道路の植栽に紅白の沈丁花があるが、その芽が既に大きく膨らみ、赤や白に色づいている。去年の秋に植えた我が家の庭の沈丁花も、よく見ると芽が膨らんでいる。

 新越谷駅駅ナカの「VARIE」に出店している「澤光青果」の店先には、早いうちから菜の花が並び、昨日(きのう)一昨日(おととい)にはもう(たけのこ)の若いのが出た。

 疲れて帰宅する間の霙にすら、そんな(はる)(どなり)の感が深い。

 今日の退勤路は昨日とは打って変わった澄んだ冬夜で、東から大きな大きな月が昇ってきた。今日の暦は旧暦十二月十七日、月は十七夜なのであるが、天文学上の(ぼう)は今日の早朝、午前4時16分で、したがって望は今日と言うことになるようだ。

 月を眺めながら、明日は庭に植えた草花にそろそろ「(かん)()」を施してやろうかな、と思う。

今週のSOBA満月

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 依然(いぜん)、新型コロナウイルス「COVID-19」は猖獗(しょうけつ)を極めており、世相は増々(ますます)紛糾・沈滞・遅疑(ちぎ)・不信・我執(がしゅう)(おもむき)を加えつつある。企業は休業、役人・司直は徹夜、株価は急落、日本はそれでもまだましな方で、欧州でのこの微生物()は、もはや歴史的水準(レヴェル)を超えようとしている。

 そんな折にあっても、春は深まり、梅も桃も桜も咲く。

 微生物禍などどこのことだとでも言いたげな快晴、暖かな風の吹く青い空の下、読みかけの本を持ってお気に入りの蕎麦店「SOBA満月」へ行く。

 街の八百屋さんやスーパーの店先には春野菜が出ているから、今日のSOBA満月では、天婦羅を頼めば何かおいしい春野菜が揚がっているかな、と思ってメニューを見ると、季節メニューで「蛍烏賊(ほたるいか)の酢味噌()え」が出ている。これは是非注文しなければ。天婦羅は来週のお楽しみにしよう。

 新潟の銘酒「鶴齢(かくれい)」の純米吟醸がメニューにある。無論酒はこれにする。二合。

 旨い。蛍烏賊の香り、歯ごたえ、軽い味。「鶴齢」を含みつつ、交々(こもごも)箸をのばす。鶴齢の甘からず辛からず淡麗な飲み口に、この肴はぴったりである。

 酢味噌の味噌は濃い味付けに調えられている。

 なにより、付け合わせの「菜の花」の程よい茹で加減、歯ごたえ、香り、申し分なしである。

 飲みかつ喰い、持ってきた本を10ページばかり読む。

 仕上げに生粉(きこ)()ち・十割の「もり」。

 香り、歯ごたえ、味、のど越し、何をとってもこのお店の生粉打ちは旨い。

 帰り、自宅を通り過ぎて、小一時間ばかり歩く。自宅の東の方にある「谷古田(やこた)用水河畔(かはん)緑道(りょくどう)」の桜を見ようと思ったからだ。

 桜は六分咲き、今が一番見頃であろうか。

 青天白日、桜を見上げながらゆっくりと歩き、SOBA満月で飲んだ鶴齢の微醺(びくん)を楽しむ。

 世間の騒ぎをよそに、私の家の周囲は、かくも静謐・平和である。

Today’s drinking and snacks 今日の酒肴・菜の花の浸しもの

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 最寄り駅「新越谷」の駅ナカ、澤光青果店へ立ち寄ったら、「菜の花」が出ていた。

 いかにも春らしい。買って帰り、浸しものを作って一杯やった。

 例によって動画に撮り、YouTubeにアップロードした。

 動画の中で読んでいる本は、先日老親から貰い受けた「平凡社 世界教養全集 第26巻」から、「アラビアのロレンス」である。