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建設編 その2Index
さて、そうこうしてどんどん家が出来てきた。
屋根葺き上がり・透湿防水シート 第三者機関による品確法関連の検査も滞りなく出来ており、まずは安心である。 ところで、
であるらしい。 ツーバイフォーは壁で支えている。 一枚の板のような壁は、壁を対角線に向かって押して行く時に最も強く抵抗する。 その抵抗力の多くは何によって生み出されるかと言うと、 「釘が押し切られまいと抵抗する力」、 すなわち釘の「剪断抵抗」によって生じるのである。 したがって釘の打ち方はツーバイフォーの死命を制する。 しかし、釘の剪断方向へ力がかかった場合、 釘にその力を伝達しているのはほかならぬ構造用合板である。 釘と合板と、お互いに押し合ってどっちが強いといえば、 もちろん鉄で出来た固い釘が板を傷める。 釘を剪断しようとする方向、つまり釘と直角の方向に、 よりたくさん木と接していなければ、 木の方が負けてしまってめりめりと裂けてしまうであろう事は容易に想像できる。 そんなわけで、
そうなのである。 わが家はどうかというと・・・
釘のめり込み 残念ながら、ほとんど全部の釘が、
のであった。 どうしてこうめり込むかと言うと、 この釘は空気圧を使う釘打ち機械(ネイラー)でビシビシ打ち込むのであるが、 もし打ち込む力が弱くて釘が出た状態だと、あとで金槌でトントン叩いて回らなければ ならなくなる。それでは二度手間になるので、多くの大工さんはちょっと強めに 圧を調整してしまうらしい。それで多くの現場では釘がめり込んでいるのだそうだ。 もちろん、めり込みゼロ、というのは難しい。で、めり込みが許される厚さというのは、 せいぜい「合板を構成している板1枚分」の厚み、だそうである。
合板全体の厚みの半分は メリ込んでる のであった。 しかし、今から「全部釘を打ちなおしてください」なんて、 そんなこと要求するのは酷と言うものだし、だいたい要求したって、 今からやりなおすのはムリというものであろう。家が建たなくなってしまう。 これが原因で家が倒壊して死んでしまってはモトも子もないが、だからと言って それほど大きい地震などがあれば、その他の関連被害、 家具の転倒とか火災とか、そういうモノで死ぬだろう。 しゃあない。
でも、気分が良くない事には変わりはないゾ。
ツーバイフォーは壁で支える。したがって、窓などの大きな穴の開いている部分は、 これは最も繊細な気遣いの必要な部分であるらしい。 要するにこの部分は、
開口について 上図の右側のように、合板が「コの字」に切り抜かれているんでないと、正しい強度が出ない らしい。 で、我が家はというと・・・
出来ているのであった(ホッ・・・。)。 この窓のための開口の、四角形の上の辺に沿って、「まぐさ」という頑丈な木材があって、 シッカリ重量を支えていなければならないのだが、その点もきちんと出来ている。 「そんなのアタリマエ」と言う向きもあろうが、 開口に関する前掲の図の、左側の「×」のような切り抜き方をするヒデェ業者も実際には いるのだそうだ。信じ難い事ではあるが・・・。
そうこうするうちどんどん家が出来てきて、ある日の仕事の帰りに行ってみたら風呂場が取りつけてあった。
風呂場 並行して、壁と言わず屋根と言わず、あらゆる外気との境目に断熱材が念入りに詰め込まれてゆく。
壁の断熱材
屋根の断熱材 断熱材を詰めて、電気の配線や配管などの調整が終わったところからどんどん石膏ボードが張られ、部屋らしくなってきた。
石膏ボード ここらへんまでは、毎日、大工さんが二人来て仕事をしていたのだが、 ここらへんから一人だけになった。 大工さんには「建て方大工」と「造作大工」のふた方があるそうだ。 「建て方大工」というのは大づかみな家全体の「躯体」を建てる人のことのようだ。 その「建て方大工」の人はどうやら仕事が終わったようである。 一方、「造作大工」と言うのは家の中の細かな造り込みも含めて全部を仕上げる人、 というようなことであるらしい。 今作業を続けているほうの人は「造作大工」の人のようで、 一人コツコツと内部の大工を続けている。 また、ここらへんまでは家の玄関口は開け放ってあり、 夜仕事が遅くなって帰ってきてからでも懐中電灯片手に様子を見に行く事が出来たのだが、 ここらへんから玄関に釘で板を打ち付けて閉じてしまうようになり、 夜見に行く事は出来なくなってしまった。 ある日現場に行ったら、積み上げられている材料がちょっと増えていて、 その中にかねて選んでおいた米国シンプソン社のムク材の玄関ドアがあった。 ドアの枠もそこにあって、ほどなく玄関にドアが取り付けられた。
シンプソン社のムクの玄関ドア これで相当家らしくなったと思う。 なにしろ、今までは夜大工さんが帰る時、 「板を打ち付けて」戸締りしていたのが、 これからは「カギをかけて」戸締りするようになったわけであるから、 これは大進歩と言えるだろう。 吹き抜けの勾配天井は我が家の自慢であるが、そこもすっかり石膏ボードが張り詰められている。
石膏ボードが張られた勾配天井 写真は、天井近くの「ハメ殺し窓」に大工さんが窓枠を取りつけているところだ。 注文した床材や外壁のサイディング材なども届いており、 台所の一部などには、黒い防音シートが施され、その上に既に床が張られている。
床材と防音シート ロフトの造作も着々と進んでいる。
ロフト内部の造作 収納の中とか、壁の要所には銀色の防湿シートが張り詰めてある。
銀色の防湿シート 台所のカウンターなども着々と出来ている。
台所のカウンター 7月に入ると、1階の床も着々と張られ始めた。
1階の床
仕事が忙しくてあまり現場詣でもできず、1週間ほど経った平成14年の6月30日の日曜日、 ふらっと現場に行って見ると、出来てる出来てる、 待ちに待った
外壁が!。
ラップサイディング
・・・などと言っているソコのアナタ! 家を消費償却するのは、ほぼ全て、女房子供なんであるから、 やはり家は女子供が喜ぶようなものでなければならぬ! 亭主なんてどうせ、
まぁ、それはそれとして、ウチのこのサイディング材は、 輸入モノなのかというと実はそうではなく、 東レグラサル社製の「完壁」という商品で、 セメントと繊維を混ぜ合わせて固めたモノであるらしい。 良く言う、窯業系サイディングというモノである。 「完璧」の紹介(東レグラサルのサイト内) 要するにコレは、燃えないし安定してるし強度もソコソコ、 色とか形もいろいろ選べてとってもラク、 というようなものなんである。 現場を見に来た妻が、
と言って喜んだので、私は満足だ。 窓の上のほうには、予定通り飾り枠が取り付けられた。
窓の飾り枠 その次の週、平成14年の7月7日(七夕)には、 テレビのアンテナも注文通りBSコミで取りつけられていた。 10寸、いわゆる「カネ勾配」の屋根であるため、 屋根のてっぺんにアンテナを取り付ける事は極めて困難である。 そこで、写真のようにベランダの壁面の高いところに取りつけてある。
テレビのアンテナ
そうこうするうち、N氏方のほうで照明に関する見積もりを持ってきてくれた。 大手照明器具会社のO社の見積もりで、見事なプランである。 しかし、40数万円というスゲェ見積もりだ。ぬぅ。コレは節約せねばならぬ。 ところで、ウチは天井が高いから、やはり を入れるべきでしょう、ということである。つまりあの、 天井でユックリと回っている、プロペラみたいなアレのことですな。 これはカッコイイから、私としてもぜひとも取り付けたいモノである。 私としては、軽快でサッパリとしたモノをとりつけたい。 なんつーかこう、 ゴールドでゴージャスで唐草模様が巻いてるみたいでグルグルしてるのはイヤ、 なんである。 シーリングファンを出しているのは、なんと言ってもオーデリック社である。 オーデリック社のシーリングファンのうち、私のお気に入りはコレである。
シーリングファン し、しかし高い。なんでこんなに高いんであろうか。 実は、安いものもあるのだが、 安いものは正転・逆転の切り替えをファン本体の所でやらなければならず、 一方ウチは天井が高いので、そこまで手が届かない。なので、 必ずリモコンがついていなければならないが、その条件で探すとコレしかない、 という状況である。 で、インターネット検索してたら、けっこうあるワケ。安く売ってるところが。 半額ぐらいでいくらでもある。 で、その並びで検索してたら、もっと安いもので、 しかもリモコン付きのがある。DAIKO社の製品だ。29,800円でちゃーんとある。
DAIKO社の気に入ったファン で、安くしたいから、施主支給する方向でいくことにし、 さっそくインターネットで注文した。納品はだいたい1ヶ月後である。 注文して三日ほど経ってから注文先から 「ご迷惑をおかけいたします」 という件名の電子メールが届いた。なんだろうと読んで見ると、 注文したシーリングファンに欠陥が見つかり、 発売延期になった、と書いてあるではないか!。 ゲゲ!!、と思ってメールの先を読むと、 「誠に申し訳ありませんでした。 つきましては、弊店で11万で扱っております別の商品がございまして、 普段はこれを5万5千円で小売りさせて頂いておりますが、 今回はこれを2万9千円で販売させていただきます。」 ・・・と書いてある。で、その写真を見ると、 外観などはほとんど最初のオーデリック社のものと同じである。 どうやら、どこか同じメーカーのOEM供給か何かなのであろう。
代わりのシーリングファン いずれにしても、
平成14年の7月11日(木曜日)、仕事が終わって現場に行ってみると、 オッ!!外れてる外れてる、足場が!
足場が取り外された状態 たまたま、まだ大工さんが残って仕事をしていたので、 玄関のところに白熱電球の明かりがほの漏れているのだが、 たまたまとはいえその風情はなかなかグッドだ!。 この日は夜で、色の具合などが良くわからなかったから、 その次の土曜日を待ちかねて現場へ行ってみた。
足場が取り外された状態 2階へ上がってみると、かねて選んでおいた台所の流しが取り付けられていた。
台所の流し 7月も下旬になってくると、 なんだか工事が遅々として進んでいないように見えてきた。 これはまぁ、いよいよ細かなところを手がけているので、 パッと見にはそう感ぜられるのであろう。 ローンの残りの実行を済ませ、建物の登記の処置もする。 その間に、照明などの注文も確定的にする。
いよいよ平成14年の8月に入り、月末には引渡しの段取りとなった。
塗装屋さんが来て、
巾木や 8月4日に現場へ行って見ると、 外装の腰下に注文しておいた岩石調のブロックが貼られている。
外装腰下の岩石調 これも一見輸入っぽく見えるが、そうではなく、ニッタイ工業の 「マジックストーン」という商品である。 ドアの周りにも注文通り岩石調が張り巡らされ、思ったとおりの感じが出ている。
ドアの周り 中に入ると、石膏ボードの隙間という隙間に、 下地を整える為のセメントのようなものが詰め込まれ、 平らにならされている。
クロスを貼る前の下地
平成14年の8月10日の土曜日、現場に行って見ると既にクロスが貼られていた。
コテ目のクロス
子供部屋のクロス こうなってくるともう今にも住めそうな感じである。 同じ日の午後には2階の勾配天井のクロス貼りのために組み上げられていた足場が外され、 リビングが全容をあらわした。
クロスの貼られたリビング かねて施主支給したシーリングファンも既に取りつけられ、なかなかイイ感じである。
さて、あらかじめ考えておかなければならないことのひとつに、カーテンがある。 私はカーテンなんて、 入居したら数万円くらいでテキトーに買ってきたやつを吊っときゃあいいもんだとばかり思っていた。 しかし、引越したその日にはその家で眠らなければならぬ。 寝姿を外目に晒すのが平気なら引越してからゆっくりカーテンを選べばそれでよいが、 あいにくとそこまでの根性は私にも妻にもない。 都合のよいことに、まるで私達の新築に合わせたかのように近所にカーテン専門店がオープンしている。 そこへ行ってみた。 さすがに専門店だけあって、大した品揃えである。 キレイなおねぃさんが親切にコーディネートしてくれて、あれやこれやと知恵をつけてくれて、 品物を丁寧に説明してくれる。 で、テキトーに品物を選んで見積りを出させてみたら驚いたの驚かないの!
カーテンがそんなにするものだとは思わなかった。おねぃさんが言うには、 「4割引なので、30万円ほどになります」 とのことではあるのだが、それでも30万だぜ、30万! 「でっ、でわあのう、持ちかえりまして検討して見たいと思イマスノデ!」 などとお茶を濁し、ほうほうの体で逃げ帰ってきた。おねぃさんに悪いことしたナァ・・・。 しかし、そのカーテン専門店に行ったのはムダではなく、 ・・・などということを教えてもらうことができた。 がしかし、資金も残り少ない。節約しなければならない。 近所のインテリアセンターへ行き、既製品やイージーオーダーのカーテンをみつくろってみた。 そうすると、窓7つで全部で6万円くらいで済ますこともできる、ということがわかった。 しかしこの案だと、「カーテンレールは自分で取り付けなくちゃならないわけである。 そりゃもう、一も二もなく で、平成14年の8月12日、イソイソと近所のホームセンターやらインテリアセンターを回り、 カーテンレールを買い集めてきた。 リビングの掃き出し窓は高さが2メートル、巾も2メートルある。 で、大柄な、見た目にも映えるのがいいと思い、 32ミリの木のポールとレース用のレールがセットになったもの。 長さは2.1mある。 これは窓の木枠の色にできるだけ近いやつを買ってきた。2980円。 寝室はちょっと変わったヤツでも、ということで、白い樹脂ポールとレールが組になったもの。 これは1980円。 あとの部屋は、子供部屋もその他も、見た人が 「ん?こんなところにカーテンレール付いてたの??」 とでも言うかもしれないような、自己主張のない白い目立たないダブルレールにした。 これらは999円。 これらレールと一緒に、ホームセンターで「水平レベル」(気泡で水平をとるアレ)と、 電気ドリルを使いたいからコードリールも買った。全部で1万5千数百円。 ドライバー持って現場へ行き、水平レベルや定規を使って真っ直ぐにしながら取り付けた。 ツーバイフォーなので、窓の上の部分には例の「まぐさ受け」材がガッシリと入っている。 なので、石膏ボードを充分突き抜ける長い木ネジを用いて、 窓の上の付近にレールを付けるのであれば、どこに付けてもまずたいてい心配はない。
まぐさ受け材 シロートなので、取り付けるのに2時間以上もかかってしまったが、 まずだいたい許せる範囲の仕上がりにはなった。
リビングの木製レール レールが付いたイキオイで、翌日、採寸も自分で済ませてしまう。
それから妻を焚きつけて近所のインテリアセンターへ行き、 安いイージーオーダーのカーテンを一気に選んで買った。リビングは優しいデザインのものを、 その他は色を違え、似たような柄のもので統一した。 このときにカーテン専門店の優しいコーディネーターのおねぃさんから得た知識を余すところなく使わせてもらったのは言うまでもない。
レールからナニから全部入れて、掃き出し窓4つ、腰窓2つで7万8千円だった。
カーテンに関することを済ませた8月13日の日には、電気工事の人が来て、 どんどん電気関係を済ませていった。 私はたまたまカーテンの寸法を測るために現場にいた。見ていると、 「引掛け付き丸型シーリング」がつくと思っていたところに、 普通の「角型シーリング」が付いていたので、急いで電気工事の人に聞いてもらい、 それに対応してもらうことができた。現場にいて良かった。 で、思ったとおりに注文した照明器具が付いた。
リビングの照明
外灯
家の調度品などがどんどん付いてゆき、いよいよ完成が近づいた。
トイレ
玄関のタイル かねてからオープンハウスをやってもよいという約束であった。 それでオープンハウスの日取りは平成14年の8月24日・25日の二日間、 その次の週の平成14年8月30日の金曜日に休暇を一日とり、 金・土・日の3日をかけて引越しをすることに決まった。 それに先だって床にワックスが塗られ、ピカピカになった。
完成した床 オープンハウスは暑い盛り、夏休みの終りに近い土日ということもあって、 それほど大勢の人が訪れたわけではなかった。 それでも、冷やかしも含めて数十人以上は来ただろうか。 中には相当真剣に建築士N氏と商談に進む人も何人かいた。 自分自身が住宅の内覧会などに行ったことなどなかったから、 こんなのに来る人なんてそんなにたくさんおるんかいなと思ってもいたので、 私としては予想外の盛況であった。 あっと言う間に次の週となる。某大手引越しセンターに頼んでの引越しである。 子供二人を妻の実家に頼み、夫婦二人で金曜日の朝6時から月曜日の未明1時まで鬼のように働き、 引越しを済ませた。
「居住編 その1」に続く
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