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土地編Index
そんなわけで、兎にも角にも土地は購入することになった。まぁ、
・・・etc.etc.・・・
それにしても私は、人様とはやることなすこと、つくづくと逆だなぁ、と思う。自分の支払能力について考えるのが精一杯で、しかも考えたことは全く行動には反映できず、自分の支払能力を大幅に超えるような土地を買ってしまい、なおかつ、
普通、○○○○万円の土地を買う、っていったら、もうちょっとものごとをきちんと調べてから買うものだ。こんな約束をするのに、私は現地に1回しか足を運ばず、買いたい土地の近所の人に話を聞いたわけでもなく、法律を勉強したわけでもなく、法務局で土地の登記簿を見たわけでもなく、その土地の持ち主の素性も知らず、その土地がもともと田んぼなのか畑なのかも知らないし、その回りで売っている住宅や土地の値段、つまり相場情報についてはたった一件の資料しか見ていない。「買います」と言った時点で国土庁の標準地価を調べたわけでもない。周囲の者にも一回も相談していない。もともとその土地が何であったか持ち主から聞いてもいない。図書館で古地図を引いたり、役場で土地の災害史を調べたりなどもしていない。 仕事をしている人間が、たった一週間ほどでそれだけのことをこなせるものではない。まして全く無知であれば当然のことだ。 不動産業者にとってこんなにオイシくてチョロい客もいるまい。 そんな私を急がせせかして、考える隙を与えず、「チャンスはコレッキリ」などとウソかホントかわからないようなこと言って、土地の購入申し込みをさせたわけである。考えていたらハラ立ってきた。 まあ、買うことにしたんだからしょうがない。ここで「だがしかし、後悔はしていない」などと書けば本稿も文章としてそれなりの見栄えがするが、実際のところ私は
さて、購入申し込みの返答をしたのが平成14年の1月5日土曜日。その次の週、すなわち平成14年1月12日土曜日、夜18時、近所の駅前にある大手不動産SHの店舗で、先方と契約を取り交わすことになった。 この日になってから私は「この土地の持ち主は、どこのどういう人ですか」と営業KM氏に聞いた。こんなマヌケな話もない。本来そういうことはもっと先に聞いて、買う買わないの判断の足しにすべきものだ。私はここで初めて、元の持ち主は農家一族のご長男で、銀行員をしている人だということを聞いた。 土地の契約には次のものがいる。
実印はこの時点では印鑑登録していなかったが、印鑑登録する予定のものを用意した。 後悔しているなどと言いながらも私はイソイソとそのへんに突っ込んであった不動産関係のペーパーいっさいをファイルに綴じて、インデックスつけて、妻に言って銀行からお金を下ろしてきた。そういうものをかばんに入れて念入りにチャックして、チャリンコで駅前の大手不動産SHへ。 店舗の奥に契約などをするためか、会議室みたいなところがあり、そこに通された。どうしてか建築家のN氏も居る。営業KM氏が「今日は重要事項の説明をいたしまして、それから契約、それと家屋のほうの概略のご要望も伺いますから、だいたい2時間くらいはかかってしまいます」と言った。 ほどなくして売主の人とその仲介をした不動産業者さんが来る。 売主側の不動産業者さんが、「宅地建物取引主任者」の免許証を示し、「写真も確かめてくださいね。ホラ、私でしょ?」と言う。なーるほど、こういうものはシゲシゲと眺めるものか。 その人が「重要事項の説明」をはじめた。途中で奥から私の側の業者であるこの店の店長の人が出てきて、おなじように免許証を示してから、私が買おうとする不動産についての重要事項の説明を引き継いだ。 A3サイズのペーパー4枚ほどにわたって、私が買う土地に関してのあらゆる事柄が8ポイントほどの活字でビッチリと書いてある。重要事項説明書だ。それと、土地の登記簿謄本があって、それも併せて、一枚目の左上から最後のページの右下まで、もれなく全部、ひとつひとつ確認しつつ読んでいくのである。 私は素人であるから、わからないことが出てくると、その都度聞いて説明してもらった。だからはかどらないことおびただしい。 次に契約書の内容を全部聞き、それから「物件状況等報告書」という書面に売主の人がひとつひとつ確認しながらマルを付けていった。これは、売主の人が土地に関しておかしい事項やヘンな事項を把握していればそれを言っておく、という書面である。 契約書と「支払約定書」というものに捺印をする。契約書には1万5千円ぶんの印紙を貼る。「支払約定書」というのは、私から不動産業者に「間違いなく手数料を払いますよ」と約束して差し入れておく書面である。 最後に100万円を売主さんに払い、印紙を貼った領収証を貰う。不動産業者にも仲介手数料の半金30万円を払って領収証を貰う。 これで契約はすっかり終わりである。今私が買おうとする土地は、大きな土地の一部分であるので、私の金策がつき次第、その大きな土地から私の分を切り取って登記してもらう契約になっている。これを「分筆」という。そうすると土地はすっかり私のものになる。
それが済むと、今度は建築家のN氏と間取りに関して簡単な打ち合わせをした。なぜかというと、この段階である程度建てる家の規模が決まっていないと、ローンの承認が得にくいかららしい。もうひとつそのへんの理屈がよくわからんが・・・。 一応、
・・・というようなことから、
との要望を伝えた。 契約書・重要事項説明書・重要事項説明書補足資料(これには法律の抜粋など、重要事項を読むのに必要な事項が細かく書かれている)・登記簿・物件状況等報告書・支払約定書・各種の領収証(手付金・印紙代のレシート・手数料の半金の領収証)など、沢山のペーパーがある。最後にそれら一切をKM氏が社名の入った立派なファイルに綴じ込んでくれた。これでその日の予定、土地購入の契約行為は全て終わった。
私もつくづく何でも後手に回る男である。普通、家を建てるために土地を買おうとする者の思考過程は、
・・・と、いうようなプロセスを経るものと思われる。 私の場合、そういうプロセスは全くない。すなわち、 ↓ 不動産屋が勧めた土地を買った。 とかいうズサンなものごとの進め方である。 何千万円もするものをこのようにズサンな要領で購入しているようでは、
正常な事柄は何一つ起こるまい(涙)。 さて、土地の購入に関してはいろいろな How to ・ Know-how があるようだ。 他人の作ったサイトには・・・ このサイトには、「土地を見に行くときには、雨が降っているときに見に行け」と書いてあるのが印象的。 このサイトは「その土地の側溝の汚れ具合、生ゴミの日の出し方、道路上の犬や猫の糞を見れば、地域住民のマナーもある程度は判別ができます。」とある。ふぅうむ。なるほど。 「公示」と「地価調査」とは少し違うことに注意しなければならない。 「土地」に関するサイトではないのだが、読者投稿による失敗談は要注目。 具体的な情報などは愛知県内のものだが、網羅的に情報が整備されていて、必見だ。 しかし、このページに限らず、どこのページを見に行っても
などと言って急がせる業者は 要注意、っつーか最低 と書かれている。・・・私は大手業者SHの営業KM氏にせかされて土地を買ってしまったのであり、この買い物は失敗だ。
いずれにせよ、私が買った土地はこういう土地である。
ショベルカーがあるが、これは売主がこの土地を更地にしているのである。 次は、「公図」の写しに私が注記(ピンク色の文字)を書き加えたものだ。
南から見るとこうだ。
次は測量図だ。
次は、測量図に注記してある「三斜求積表」というものだ。32坪あることがこれで分かる。 立地としては最寄の駅(私鉄とJRの両方がある)まで11分、最寄の商店街まで6分、ダイエーまで10分、幼稚園まで1分、小学校まで3分、といったところである。建蔽率60パーセント、容積率200パーセント、値段は坪63万ほどだ。
さて、こうして土地がすっかり自分のものになる段取り、すなわち土地の分筆と登記の段取りができれば、次は銀行と正規に契約を取り交わし、お金を借りてそれを売主さんに支払うことになる。売主さんにお金を払えば、銀行の抵当権がついてはいるが、土地は私のものになるわけだ。 銀行にローンを申し込み、お金を借りるための契約のことを「金銭消費貸借契約」という。 この契約そのものは、あらかじめローンの申込書をすっかり書いてあるから、あっと言うまである。建築家のN氏と大手業者SHの営業KM氏と一緒に、近所のMS銀行へ行く。必要なものは住民票・実印・免許証・源泉徴収票・印鑑証明・健康保険証であるが、私の場合はそのうち多くのものを既に申し込み段階で出してあるので、この日は実印・銀行印・住民票2通に印鑑証明、免許証を持っていく。 まずMS銀行に口座を作り、月々の返済はそこから引き落とすようになる。既に承認を得ているので、いくつかの書類にポンポンポンとハンコを捺せば、もうそれで終りである。所要時間10分足らず。 こうしてあっけなく約2000万のおカネが口座に振りこまれることになった。 その翌々日に売主さんにお金を払う段取りになっている。銀行で売主さん側の不動産業者、大手業者SHの営業KM氏、司法書士の先生が集まる。売主さんにお金を払い、その見ている前で司法書士の先生が権利書と登記の手続きをする。領収証と「取引完了確認書」なる書類をもらう。その日はソレで終りである。登記簿や権利書は、間違い無く手続きをすませ、後日配達証明付き郵便で送られてくる。 こうして、土地に関してはすることが全部終り、担保付ではあるけれど三十数坪の土地がすっかり私のものになった。 司法書士の先生が登記申請をするわけであるが、登記済みの登記申請は権利証になる。それは次のようなものだ。
出来あがった登記簿はこういう風になる。
これらが全て終わったのが平成14年の3月4日。こんどの給与から有無を言わさずローンの引き落としが始まる。
「計画編」に続く
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