私のピアノは独学で、まったくのところ初心者の域をいつまでたっても出るものではないが、私の次女(小3)は近所の実力派の先生のところへ習いに行っており、少しづつではあるがピアノの演奏力を蓄えつつある。
次女はピアノを習い始めた頃、先生に示された課題曲をいっこうに稽古しようとせず、ピアノに向かえと言うと「猫踏んじゃった」ばかり弾き、しかもその弾き方ときたら弾き飛ばしてばかりいて、ちっとも親の言うことを聞かなかった。
だが、このところ、以前に比べれば実にしおらしく真面目に課題曲に取り組んでおり、やっとうわついた調子が収まってきたなと感じられる。
ついこの頃のことなのだが、ある時、次女はピアノに向かうなり、しばらく弾いていなかった「猫踏んじゃった」を珍しく弾き出した。私は他の事をしながら聴くともなしに聴いていたのだが、そのうちハッとなった。
すばらしく上手になっているのだ。たかが「猫踏んじゃった」なのだが、まるで近所に住んでいる鷹揚な物腰の、中年の雌猫「ハート」の、歩む姿を真似ているようだ。
今日、思いついて、ピアノを稽古している次女に「オイ智香(次女)、ちょっと『猫踏んじゃった』弾いてみろよ、ちょっと丁寧にさ。録音してやるよ」と言ってみたら、ニヤッと笑ってたちどころに弾いたのがこれである。
どうでしょう。親の贔屓目とは分っていますが、なんだか、「これが『猫踏んじゃった』なの!?」というような実に念入りな抑揚だと思うのですが。
いや~、拝聴しましたが、これは、確かに上手ですね。子供が音符をなぞっているのとは違う、ピアノを使って何かを表現しようという意思を明らかに感じますね。お嬢さん、かなり才能あると思います!
>パパ様
聴いて下さってありがとうございます。
家の近所に「ハート」という名の猫が住んでいます。半野良なのですが、近所の人に愛されており、よく残飯などを貰って食べています。この猫は粗暴さやハシッコさといったものがなく、スルリとした物腰態度で、よく人に甘えます。
次女にとっては猫といえばこのハートで、そのため、演奏にもその感じが出たと思うのです。ピョンピョン飛び跳ねるような、ネズミを追って走るようなところがそんなにない「猫踏んじゃった」になっていると思います。