駐車監視・直接配線コードをDIYで取り付ける

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 去年の7月だったか、トヨタ南越谷店で愛車ラクティス(平成23年、DBA-NCP120)の6ヶ月点検をした時、ついでにドライブレコーダを取り付けて貰った。

 当今、「あおり運転」がよく話題になるし、またそれでなくとも、ありふれた接触事故の始末が(こじ)れ、トラブルに発展してしまうなどということも考えられる。転ばぬ先の杖、と思い、取り付けることにしたのだ。

 取り付けたのはコムテック社の「HDR360G」という製品で、リアカメラがなくても360゜全周の撮影が可能なものだ。GPS内蔵で、性能に過不足はない。トヨタ南越谷店の施工も丁寧で、満足した。

 持ち帰って説明書を見ながら操作への慣熟を図っていると、「駐車監視モード」というモードがあることがわかった。駐車中に衝撃などを感知すると、その前後の映像を保存するというものだ。

 これは、いい。

 20年くらい前、前の車(マツダのデミオ)の時、知らない間にリアのブレーキランプの表面に2センチ直径ほどもの穴があいていたことがあった。いつどこであいたのか、誰かに悪戯(イタズラ)されたのかも分からず、腹を立てたものだった。その頃にこの「駐車監視」の機能があったら、さぞかしものを言っただろうに、と思う。

 早速この強力な「駐車監視」の機能を設定しようとしたのだが、()(はか)らんや、そのままでは設定できないことが分かった。この機能を使うには、オプションの「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」というオプション品で電源を供給する必要があるのだ。

 トヨタ南越谷店に取付を頼んだ時にはそんなことは知らなかったし、店からそんな案内もなかったから、あらかじめそれを注文することなどできるはずもない。よってドライブレコーダはノーマルのまま取り付けられており、シガーライターソケットから電源が取られている。シガーライターソケットは、エンジンを止めれば電源がオフになってしまうので、駐車中の記録などできないことは当然だ。

 この「駐車監視」の機能をぜひ使いたいなあ、などと思いつつ、結局それから半年ほども経ってしまった。そうするうち、(きゅう)(ろう)になって、今度は12ヶ月点検の案内が来た。

 オプションの「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」は、Amazon で見てみるとせいぜい2500円である。これを購入しておき、12ヶ月点検の時ついでにトヨタで取り付けて貰えば安心だろう、と考え、さっそく取り寄せた。

 年明け、トヨタ南越谷店に12ヶ月点検の予約をするとき、ちょっとしたドアの傷のタッチアップと一緒に、このコードの取り付けを頼んでみた。

 担当の営業さんはドアの傷のタッチアップについては二つ返事だったが、コードの取り付けを頼んでみると「お断りします」と言う。「お客様の持ち込み部品の取り付けは、万が一何かあった場合に責めを負いかねますので、基本的にお受けいたしかねます」という。「メーカーの純正品なのですが」と説明しても、にべもない。

 なるほど、まあ、そうだろうねえ。会社の方針なのだろうから、若い担当さん相手にぐずついてもしょうがない。「そうですか」とあっさり引き下がった。

 それにしても、駐車監視機能が使えないのは何としても惜しい。どうにかならないものか。

 そういうわけで、DIYで取り付けてしまうことにした。

 15年ほど前、その頃乗っていたマツダの「デミオ」に、三洋のカーナビ「ゴリラ」を自分で取り付けたことがある。電源にシガーライターソケットを使いたくなかったのと、オプションのジャイロを取り付けたかったこと、後退(バック)時の挙動を正しくしたかったことなどから、自分でデミオの構造を調べ、あちこちの配線から「エレクトロタップ」という自動車用の配線分岐用部品を使って給電や信号取得を行って取り付けたのだ。たしか、電源はカーオーディオの裏からとり、後退(バック)信号はリヤのバックランプ近くからフロントまで、長々と配線を取りまわして取り付けた。

 今度購入した「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」の内容品にも、その頃見覚えの「エレクトロタップ」が二つ添付されている。すなわち、

「ACC電源(自動車の電源をオンにしたときに通電される電源)と常時電源(自動車の電源オン・オフに関係なく常時給電されている電源、すなわちバッテリー直結と同じ)の流れているケーブルを自分で適当に見つけ、そこから分岐させろ」

……というのである。それ以外の説明は、ない。

 そんなモン、わかるかアホ。コッチは自動車屋じゃねェんだ(笑)

 ともあれ、気を取り直し、少し調べることにした。

 「ACC」と「常時」の二つの電源を取り出す手っ取り早い方法には、「ヒューズボックスから取り出す」と言う方法があることがわかった。また、そのために作られた特殊なヒューズがあることもわかった。エーモンというメーカーから出ている。

 この「ヒューズ電源」にはいわゆる「ギボシ端子」のメスがついている。つまり、これに接続するためには、ギボシ端子のオスで接続しなければならないのだ。

 「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」の赤のACCと黄色の常時の線それぞれに、オスのギボシをカシめ付ければ問題なかろう、と思ったが、ギボシ端子というものは「0.5スケア~2スケア」の範囲の電線でなければ付かないらしい。

ちょっと待て。「スケア」て、なんじゃい。

 これはどうやら、「スクエア square」のことを、自動車業界では「スケア SQ」と言うらしく、私などに聞き覚えのある「米国ワイヤゲージ規格 American wire gauge,“AWG”)と同じようなものらしい。だが、SQは数字が増えれば太くなるが、AWGは逆に数字が増えれば細くなる。そのための換算表がネットを(あさ)るとすぐに出てくる。

 0.3スケア、というと 0.3mm^2 という意味らしい。

 ぬぅ。知らなかったぞ。

 ともあれ、これはだいたい、「内部の線の直径が0.3mm」という程度の理解でも構わないようだ。しかし、正確には \sqrt{0.3 \left( mm^2 \right) } \fallingdotseq 0.55 \left( mm \right)つまり差し渡し 0.55\left( mm \right) \times 0.55\left( mm \right) の矩形、あるいはまた、円形であれば、直径 \phi = \sqrt{\cfrac{0.3\left( mm^2 \right) }{\pi}} \times 2 \fallingdotseq 0.62 \left( mm \right) の円であろうとは思う。

 で、改めて「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」をよく見てみると、常時電源につなぐための黄色い線の表面に「AWG22」との印刷があって、先述のAWG-sq換算表によれば、これは概ね「0.3スケア」に相当する。

 つまり、これでは細すぎて、ギボシ端子をカシめるには無理があるのだ。

 困ったなあ、と思いつつ、更にネットを漁ると、自動車の電装接続用に、その名も「接続コネクター」というものが売られていることが(わか)った。

 これも「ヒューズ電源」と同じエーモン社の製品で、この製品の適合コード断面は「0.2スケア~0.5スケア」なのだそうな。

 すなわち、

  • ギボシに付けられる最細コードは0.5スケア
  • 接続コネクターに付けられる最太コードは0.5スケア

……ということであるから、0.5スケアの電線を買ってきてこれを短く切り、両端に「ギボシのオス」と「接続コネクター」を付ける。一方、「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」の、0.3スケアの線2本には、「接続コネクター」を取り付ける。こうすれば、「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」がヒューズ電源からの分岐でうまく取り付けられる、というわけである。

 早速実行した。

 「ギボシ端子」や、エーモン社の「接続コネクター」「ヒューズ電源」は、私の住む越谷市のホームセンター「ケイヨーデイツー」や「ロイヤルホームセンター」にも豊富に取り揃えられている。それらと、0.5スケアの電装用コードをひと巻き買い込んできた。全部で2000円かそこらに過ぎぬ。

 まず、0.5スケアのコードを2本、15センチばかり切り取る。被覆を片方だけ、3ミリばかり()く。エーモンの「接続コネクター」の取り付けには、被覆はつけたままでいいからだ。一方、ギボシ端子は被覆を剥く必要がある。被服を剥いた方にギボシ端子のオスを、剥いていない方に「接続コネクター」を取り付ける。取り付け方は「接続コネクター」の袋の説明に書いてある通りにすればよい。

 それから、同じ要領で「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」の黄色の線と赤の線に、それぞれ「接続コネクター」を取り付ける。「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」の黄と赤のそれぞれにはヒューズがついているが、そのままでよい。

 ヒューズ電源の線2本を作成した2本の「ギボシ端子オス~接続コネクター」にそれぞれつなぎ、ナイロンタイで適切にまとめる。更に「接続コネクター」付きの「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」の黄・赤にそれぞれつなぐ。

 それらを車の方に持っていき、助手席のドアを開けて取り付け開始だ。

 愛車「ラクティス」のヒューズボックスは助手席の足元の上側にある。これにアクセスするのは姿勢が苦しく、なかなか骨が折れるが、無理ということはない。

 ヒューズボックスのふたを開ける。目当ては「CIG」(『シガーライター Cigar lighter』の略)と、「FOG FR」(フロントのフォグランプ)のヒューズだ。それぞれ、14番と22番である。ラクティスの場合、「CIG」と「ACC」は同じだ。しかし、これは私のラクティスの場合であって、ほかの車だとCIGは常時電源と同じものもあるらしいから、これは車種ごとによく確かめる必要がある。

 これらのヒューズはもともと15アンペアである。「ヒューズ電源」には各種の電流用があるわけだが、購入したものは勿論15アンペア用である。

 もとの純正ヒューズをラジオペンチで引っこ抜き、購入してきた「ヒューズ電源」に差し替える。ヒューズ電源には向きがあるので、差し替えながらテスターを当て、正しい向きを確認する。車のスターター・スイッチを入れたり切ったりしつつ、それぞれのヒューズ電源の挙動を確かめ、間違いのない向きにする。常時電源は車のスターター・スイッチにかかわりなく12Vが出ていて、「CIG」はスイッチのオン・オフで入ったり切れたりすれば正しい。

 気を付けなければならないのは「アース」だ。テスターを当ててあちこち調べたが、ラクティスの助手席で、この目的でうまく取れるアースは、助手席足元中央の奥にある空調の取り付け基盤のナットくらいしかない。私はここにもう一つ別のナットを共締めしてアースした。

 それから、トヨタ南越谷店オリジナル施工のドライブレコーダ電源コードを取り外す。フロント窓の縁は、押し込んであるだけだから引っ張ると出てくる。下へ行くほうは、助手席左側のピラーの内側にコードが入っている。そのピラーのカバーはプラスチックのロックでひっかけてあるだけなので、引っ張ると「バクッ」と快い音を立てて抜ける。そうしてできた隙間に適当にコードが入っているから、それを引き出して取り外していく。助手席側のドアヒンジにあるゴムパッキンの裏にコードが押し込んである。それも引き出す。次いで、助手席ドアの下、左側足元のプラスチックカバーの中にコードがうまく潜り込ませてある。このあたりのプラスチックカバーも、よく見ると手で回せるネジが奥にあり、それで簡単にとめつけられている。そのネジを外して引っ張れば「パクッ」という音を立てて外れる。その隙間から、オリジナル電源コードを引き出し、外す。

 1か所外しにくいところがあった。オリジナル施工は助手席の足元裏の内側でコードの余長を丁寧に折りたたみ、インシュロックで縛着してあった。これには手が届きづらく、外すのに難渋した。

 こうして外したオリジナル施工のコードを、今回の「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」、ヒューズ電源等と置き換えてしまう。置き換え方は、取り外し方の逆順だ。コードの余長が思ったより多くて難渋するが、インシュロックで数か所縛り付け、なんとか目立たぬように納める。

 こうして、特に問題なく「駐車監視・直接配線コード HDROP-14」をDIYで取り付けることができた。

 ドライブレコーダの操作パネルで「駐車監視モード」の設定をする。駐車後1時間、バッテリー消耗限度は12.2V(デフォルト)にする。

 早速町内をひとっ走りして戻り、エンジンを切る。きちんと「駐車監視モード」で録画が始まる。試しに車をちょっと揺らしたり、叩いたりすると、ドライブレコーダの表示ランプが緑色に点灯し、録画が保存されたことがわかる。

 これで、例えば家内がスーパーかモールなどへ買い物に行って、屋上駐車場にでも駐車している間に車にイタズラされたりしても犯人の手掛かりがわかるわけである。自宅へ帰ってきて駐車してからも、帰ってきた直後に限ってではあるが自宅周囲の映像がしばらくの間記録される。万が一その間に何らかの犯罪被害に遭ったり、近所で被害があったりすれば、防犯カメラとしてこのカメラの映像が証拠になることでもあろう。

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